第48回 日本形成外科学会総会のご報告。


第48回日本形成外科学会総会

2005年4月13~15日に新高輪プリンスホテル(東京)で開催されました。
NHT大手町クリニック診療部長富永祐司医師が演題『我々が行うFollicular Unit Transplantation (FUT)法を更に進化させた最新の自毛移植術』について以下の抄録内容で発表致しました。

抄録内容

演題

『我々が行うFollicular Unit Transplantation (FUT)法を更に進化させた最新の自毛移植術』

目的

植毛技術は植毛株のサイズの変化により進歩してきた。1995年にNew HairInstituteがFollicular Unit (以下FU)を紹介して以来、我々がGraftついて論じる時、FUは最も一般的によく使用される用語となった。殆んどの人は植毛にはFUが最も適していると考えられています。しかし、実際FUのみでは、ドナー部の毛髪量の少ない東洋人に最も適した移植とは言えない。その為、我々はFUT法を更に改良した方法を行い、東洋人に対し年間1200件以上の症例数を行っている。また、我々が行う最新の技術を加え、この有用性について報告する。

方法と検討

  1. ドナー採取法
  2. グラフト作製法
  3. スリットの向き(sagitally angled grafts ・coronally angled grafts )・角度・密度・深さ

結果

  1. ドナー採取は、ダメージを少なくする為にDirect View Harvestを考え、質を向上する。
  2. Loopでの株分けをせず、最新の実体顕微鏡(マンティス)下で手作業の株分けを行う。計画的にMicro graft・ Follcular Unitに加えBi-Follcular Unit(MFU)と言う3種類のサイズの植毛株を作製する。MFUは、FUGの一つでFUを二つ入れたGraftで毛が5本以上にならない物である。MFUによりFUで得られなかった密度が得られ、FUGより自然さが得られた。
  3. スリットの向きは、sagitally angled graftsよりcoronally angled grafts の方が移植後、早く濃さが得られ自然さも得られた。角度は15~30度が最も濃く見える。
  4. 相対密度は1回の移植で35~48%の密度アップが効果的である。深さは、切り込みが毛根より深いと微小血管を傷付ける事になり、一方浅すぎるとGraftの挿入が困難となり、ミニブレイドが毛髪の深さに合わせる事ができ有効な方法であった。

総括

東洋人は毛髪が少なく頭髪の自毛植毛術は欧米の行うFUT法のみでは不十分であり、FUTを改良する事により、より良い結果を得る事を今回報告する。