毛髪先進国アメリカの驚くべき実態

薄毛で悩んでいるのは、日本人ばかりではありません。アメリカ人もヨーロッパ人も、アジアの方々も、徐々に薄くなっていく髪に一喜一憂している方たちが大勢います。白人・黒人・黄色人種すべて同じです。世界は一つです。薄毛事情も、万国共通と言えるでしょう。
薄毛に関する学会は、ヨーロッパにもありますが、1993年にアメリカで誕生した「国際毛髪外科学会(ISHRS)」が、世界最大の組織です。63カ国、940人以上の医師が参画し、自毛植毛の技術と科学を促進して高度な治療内容を維持しつつ、最善の治療結果を世界的に普及するために、活発に活動しています。

日本の薄毛に関する調査結果が提示できればよいのですが、国内での調査は根拠のないものがほとんどですので、国際毛髪外科学会の調査結果に基づき、日本を含む世界の最新の薄毛事情について解説していきましょう。


まず着目したいのが、右表の「治療を必要とする薄毛患者の割合」で、学会員の医師の元に訪れた方の、薄毛治療を受けた理由です。「遺伝による毛の喪失」が85.4%と圧倒的で、次いで「形成外科手術後に必要」7.2%、「美容外科手術後に必要」5%、「性転換で必要」1.2%と続きます。
多くの男性が悩んでいる薄毛は男性型脱毛症(AGA)で、これは男性ホルモン、酵素、遺伝、年齢の4つが主な要因です。この調査結果からも、世界中の方が遺伝による薄毛に悩み、世界で92万3,599人の方々が、それを改善するために、育毛剤や自毛植毛などの薄毛の治療を受けたことがわかります。
ある日突然、薄毛になることはありません。薄毛は少しずつ進行していきます。しかし、頭髪の密度が100%から60%まで減少する間は、毛のすき間から地肌が見えることもなく、本人も周囲の人も薄毛が始まっていることに気づきません。そして、お風呂上がりに濡れた自分の頭を見て、「最近、毛が薄くなってきたかな……」と気になり始めるのは、密度が60〜50%になった頃です。この時期にはまだ、周囲の方は薄毛に気づきません。

ところが、密度が40~30%まで減少すると、周囲の方にも気づかれ始めます。つまり、「薄毛が始まったと自覚した」「薄くなったことを妻から指摘された」というのは、すでに薄毛がかなり進行している段階です。実際に、薄毛の相談でクリニックを訪れた方の頭髪の状態を診察すると、その大半が治療を必要とする薄毛であると診断されます。

一方、実際に薄毛治療を受けた方の男女比はどうでしょうか。薄毛改善のための外科的処置(自毛植毛)を受けた方は、男性85.9%、女性14.1%、育毛剤などの方法で薄毛の治療を受けた方は男性65.2%、女性34.8%で、格段に男性が多いことがわかります。もちろん、女性でも薄毛に悩む方はいますが、毛根の働きを弱くする強力な男性ホルモンの量が男性ほど多くないことや、その他のホルモンや酵素などが複雑に関係し合うことで、男性ほど薄毛が顕著に現れません。

では、実際に治療を受けている方は、何歳ぐらいが多いのか。実は、30~40代の働き盛りの年代が最も多いという結果が出ています。男性は30代が30.4%、40代が26.3%、女性は30代が27.1%、40代が27.2%となっています。50代になると男性15.4%、女性20%と減少していき、60代になると男女共に7%程度になります。

前述のように、男性型脱毛症の主な原因は男性ホルモン、酵素、遺伝、年齢の四つで、思春期から壮年期以降に遺伝的要素と男性ホルモンが原因となって、男性型脱毛症が始まります。個人差はあるものの、30~40代は薄毛が始まる「適齢期」と言えるでしょう。それに、30~40代は第一線でバリバリと仕事をしている年代ですから、仕事先の方などに与える自分の印象が非常に重要な時期でもあります。そのため「薄毛を何とか改善したい」という切実な思いでクリニックを訪れ、治療を希望する方が増えてきます。

このホームページを見ていただいている若い世代の方の中には「薄毛は気になるけれど、薄毛治療なんてもっと年を取ってから行うもの。相談に行くのは恥ずかしいし、まだ早い」と考える方も多いのではないでしょうか。しかし、治療現場の実態はまったく違います。むしろ、若い世代の方こそ積極的に治療を行っている現状がわかります。
さらに詳しく分析すると、初めて薄毛の治療を受けた年代は、30代が最も多くて58%。次いで40代で25%、三番目に多いのは、予想外の20代で9%です。50代以降という方は7%足らずという、驚くべき結果が出ています。

若い内は病気の治りが早いように、薄毛対策も早くから始めたほうが治療の選択肢が広がり、よりよい結果を出せます。まして、自毛植毛は安全な植毛法ですが、若いときのほうが負担も少ないのは事実です。今や、「薄毛に気づいたらなるべく早く対策を始める」ことが、世界標準になっている感があります。

もちろん、薄毛対策は何歳からでも始められます。50代以降に始めても遅くありませんし、自毛植毛なら年代によらず安全で満足のいく結果を出すことが可能です。

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