ピットスカー?(KYOTO MANさんの投稿)

一度メスでスリットを開けてから植え込む方法と、植毛器で同時に植え込む方法とでは、どちらがピットスカーが生じやすいんでうすか?
植毛器で手術された方の頭皮を拝見させてもらったら、よく見ると植毛部は穴だらけでビックリしましたが、ピットスカーについてはどの程度が仕方がない範囲とお考えですか?
 また、手術後すぐは移植の為の穴が目立ちやすいんでしょうか?

KYOTO MAN

お返事

KYOTO MAN様へのお返事

自動植毛機械は直径1mm程度で頭皮をくり抜き、そのくり抜きホールへ空気圧を利用して移植株を圧入します。この直径1mmのくり抜きホールは、頭皮への浸襲度が大きく、また、植え込む移植株も大きくする必要があり、結果的にピットスカーを生じ易くなります。自動植毛機械は7−8年前に米国で紹介され,人件費節約につながるかもしれないと期待されましたが、結果的に専門医達から良い評価は得られませんでした。
現在、スリット方式で用いているメスと呼んでいる器具は、細い注射針の先端程度の幅しかありません。この先端で頭皮に浅い切れ目(スリット)を作る程度であり、頭皮への侵襲度は極めて軽度で済み、この手法でピットスカーが生じることはありません。「メス」という文字からは、一般の手術に用いるような大きなメスを想像される方が多いようですが、そのような大きなメスを用いてスリットを形成するようなことはありません。植毛関連サイトで大きなメスの図柄を掲載し、そのメスでスリットを作る等と書いてありますが、全く不正確で誤りです。現在、自毛植毛を専門に行っている医師がそのような大きなメスを使用するようなことは絶対にあり得ません。
広告が氾濫し、広告内容だけで正確な情報を判断することは極めて難しいことと思います。自毛植毛は受けてしまうと後戻りができません。ご面倒でもご自身で複数のクリニックを受診されることをお薦め致します。

医師 林