AGA治療薬によって薄毛進行の防止・遅延、発毛促進が期待できる治療法

AGA治療薬は抜け毛や薄毛といったAGAの症状を改善する薬のことです。内服薬と外用薬の2種類あり、薬ごとに効果や副作用が異なります。内服薬は、錠剤などを飲むことでAGAの進行を抑制する薬のことです。プロペシアやザガーロなどが内服薬の例として挙げられます。
外用薬は頭皮に薬を塗布することで効果が期待でき、ミノキシジルが主な外用薬です。

当院で扱っているAGA治療薬と効果

外用薬 ミノキシジル

育毛効果が現れるまでに4~6ヵ月かかり、薄毛の進行を遅らせたり、抜け毛を減らす効果が報告されています。血管拡張作用により毛乳頭細胞へより多くの栄養素や酸素を運ぶために、男性型脱毛症(AGA)の症状だけでなく他の脱毛症にも効果があると言われています。

内服薬 プロペシア(フィナステリド)

毎日1mg内服すると、半年から1年後には育毛効果が現れます。6~7割の人に効果があると言われています。効果は年齢や薄毛の部位によって異なります。年配者よりも20~40代に効果が現れやすく、薄毛が始まって間もないほうがよく効くとされています。

内服薬 ザガーロ(デュタステリド)

「プロペシア」の効果であるAGAの進行遅延のほか、より積極的な育毛効果が期待できる薬です。
「ザガーロ」0.5mgと「プロペシア」1mgの服用者を比較すると、「ザガーロ」を服用していた人が約1.6倍発毛効果が高かったことが臨床試験でわかっています。

自毛植毛とAGA治療薬をメリット・デメリットで比較

AGA治療薬は、薄毛対策のなかでは単価が比較的安く導入し易いのが特徴です。ただし育毛剤で薄毛の体質が改善するわけではありません。男性型脱毛症(AGA)で細くなった毛髪を少し太くしたり、脱毛の進行を遅らせ、抜け毛を減らす程度にお考えになるのが妥当でしょう。

 AGA治療薬のメリット

  • 単価が比較的安い
  • 手術不要でAGA対策ができる
  • 数分の診察で入手できるのでハードルが低い

AGA治療薬のデメリット

  • 生涯使用が前提のため、累積費用が膨大になる
  • 一度止めると効果がなくなる
  • M字や生え際への効果はあまり期待できない

AGAのしくみと治療薬の働き

男性型脱毛症(AGA)の主な原因は、「ジヒドロテストステロン(DHT)」です。

男性ホルモンの「テストステロン」に「5α還元酵素(リダクターゼ)」が作用することで、DHTに変化します。DHTはテストステロンよりもホルモンの活性が10~30倍も強く、毛根に存在する「アンドロゲン受容体」と結合することがAGAの原因になっています。

DHTがアンドロゲン受容体と結合すると、毛周期の4~6年にわたる成長期が1年から数ヵ月にまで短くなってしまいます。そのため頭髪が長く太い丈夫な毛に成長できなくなり、頭髪が細く色も薄くなって、やがて産毛に変わります。そして頭髪の隙間からは地肌が透けて見えるようになります。

5α還元酵素にはI型とII型の2種類があり、I型は頭髪部全域に分布しているのに対し、II型は前頭部と頭頂部に集中的に分布して特に悪い影響をもたらしています。

AGA治療薬にはこのII型の5α還元酵素を阻害する働きがあります。

育毛剤は毛周期の成長期を若干長くし、休止期を短くすることで、髪が少し太めに成長する可能性を増やします。育毛剤の使用をやめると効果が消え、元の状態に戻ってしまいます。継続して使う薬だからこそ、予算的に無理のないものを選ぶことが大切です。当院では先発医薬品と同じ有効成分、同じ効能をもつ後発医薬品(ジェネリック医薬品)も取り揃えています。

使い始めて半年~1年くらい経たないと、本当に育毛剤が効いているかを判断できません。頻繁に種類を替えるのはやめましょう。効果や服用量など、ご不明な点はお気軽にお問い合わせください。AGA治療薬についてのご相談は無料です。プライバシーを配慮して予約制にしていますので、事前にお申し込みください。

日本皮膚科学会による評価

日本皮膚科学会が作成している「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン」では、男性型および女性型の脱毛症に対して行われている主要な14の治療方法について、臨床試験に基づいた推奨度が定められています。AGA(男性型脱毛症)においては、「フィナステリド」や「デュタステリド」という内服治療薬、さらに「ミノキシジル」を含有したローションが推奨されています。なお、自毛植毛はAGA(男性型脱毛症)において、B(行うよう勧める)という評価となっています。
治療薬を含めた男性型脱毛症治療の治療方法を検討する場合の指針として活用することができます。

[推奨度]
A.行うよう強く勧める B.行うよう勧める C1.行ってもよい C2.行わないほうがよい D.行うべきではない

表1:Clinical Question(CQ)のまとめ

NoClinical Question推奨度
CQ1フィナステリドの内服は有用か?A(男性型脱毛症)
D(女性形脱毛症)
CQ2デュタステリドの内服は有用か?A(男性型脱毛症)
D(女性形脱毛症)
CQ3ミノキシジルの外用は有用か?A
CQ4植毛術は有用か?自毛植毛術は
B(男性型脱毛症)
C1(女性形脱毛症)
人工毛植毛術はD
CQ5LEDおよび低出力レーザー照射は有用か?B
CQ6アデノシンの外用は有用か?B(男性型脱毛症)
C1(女性形脱毛症)
CQ7カルプロニウム塩化物の外用は有用か?C1
CQ8t-フラバノンの外用は有用か?C1
CQ9サイトプリンおよびペンタデカンの外用は有用か?C1
CQ10ケトコナゾールの外用は有用か?C1
CQ11かつらの着用は有用か?C1
CQ12ビマトプロストおよびラタノプロストの外用は有用か?C2
CQ13成長因子導入および細胞移植療法は有用か?C2
CQ14ミノキシジルの内服は有用か?D