牽引性脱毛症（匿名さんの投稿）

匿名様へのお返事

髪を引っ張り続けた結果生じる脱毛を、牽引性脱毛症といいます。若い女性がヘアスタイルのために髪を引っ張り続けたときに見られやすい症状です。早い場合５〜６年間、遅い場合10〜20年間くらい引っ張り続けると、脱毛がはっきりして髪が生えてこなくなる場合があるといわれています。髪を引っ張る強さや、頻度、期間、毛根の再生力などによって、進行が早いか遅いかの違いがでるようです。一般的な症状は、生え際の髪が生えてこなくなったり、既存の髪の隙間があいて地肌が透けて見えるようになったりします。
治療法は、まず髪を強く引っ張ることを止めることです。もしかすると、多少回復してくるかも知れません。
明らかに髪が生えてこなくなった場合でも、自毛植毛で大変効果的に治療できますのでご安心下さい。

今回の場合、強く引っ張る髪型を続けていた期間が短いので、それほどひどい脱毛にはなっていないのではないかと思います。実際に診察して見たわけではないので、文面から想像するだけですが、症状も、髪が生えてこないというよりも、髪質が細くなってきたことが悩みの主体のようですので、まだ非常に初期なのかも知れません。
今からでも間に合うでしょうから、髪を引っ張る髪型をやめることが大切です。もしいま気にしておられる髪質の変化が、牽引性脱毛症の初期変化なら、いま牽引を止めれば、完全な脱毛症にまで進行しないで済む可能性があります。もし回復するものであれば、１〜２年くらい経てば、髪質が変化して回復してくるでしょう。明らかに髪質が回復しなくても、これ以上進行させないことが大切です。

医師　柳生