皮脂分泌

皮脂分泌とは、皮脂腺で産生された脂質が毛包開口部を通じて皮膚表面へ排出される生理的過程を指す概念である。

皮脂分泌の仕組みと構造的背景

皮脂分泌は、真皮内に存在する皮脂腺で行われる。皮脂腺は毛包に付随する皮膚付属器であり、ホロクリン分泌様式により腺細胞自体が崩壊しながら皮脂を放出する構造を持つ。
産生された皮脂は毛包内を通って皮膚表面へ排出され、毛幹表層や角質層に広がる。主成分はトリグリセリド、ワックスエステル、スクワレンなどの脂質である。
皮脂は角質層表面に油膜を形成し、水分蒸散を抑制するとともに、毛幹表面を被覆して摩擦を軽減する役割を担う。分泌量は年齢やアンドロゲンなどのホルモン環境と関連し、思春期以降に増加する傾向がみられる。
このように皮脂分泌は、毛髪形成そのものではなく、頭皮および毛幹表面の物理的環境を維持する生理機能として整理される。

皮脂分泌と頭皮・毛包の関係

皮脂分泌は毛包に付随する皮脂腺の活動として生じるが、毛周期そのものを直接制御する機構ではない。
AGAの文脈ではアンドロゲン作用と皮脂分泌増加が並行して言及されることがあるが、毛包の小型化や成長期短縮は主として毛包内部の反応機構に関連する。
したがって、皮脂分泌は頭皮環境を構成する一要素であり、毛包構造や毛周期とは階層の異なる生理機能として位置づけられる。

監修医師プロフィール

東邦大学医学部医学科卒業後、同大学附属病院泌尿器科に入局し、以降10年以上に渡り手術加療を中心に臨床に従事。男性型脱毛症(AGA)にも関連するアンドロロジー(男性学)の臨床に関わる。2021年より紀尾井町クリニックにて、自毛植毛を中心に薬物治療を組み合わせてAGA治療を行っている。著書として『薄毛の治し方』(現代書林社)を上梓。(詳細プロフィールはこちら

AGA治療・自毛植毛|紀尾井町クリニック東京本院 院長
日本泌尿器科学会専門医・同指導医
国際毛髪外科学会 会員
医師 中島 陽太

記事監修 中島医師

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