髪の方向について(匿名さんの投稿)

半年以上前に貴院で生え際の手術を受けましたが、密度に関してはまだ物足りない感じです。
それはさておいて、移植して頂いた髪の向きについてですが、左は既存の髪とうまく混ざり合い、良い感じなのですが、右に関しては既存の髪と違う方向に向いています。既存の髪は真っ直ぐ生えているのに、移植毛は外方向(耳の方向)を向いており、かなり不自然です。ほっておけば移植箇所がくっきり分かってもおかしくないくらい既存の髪と分かれてしまいますので、毎日ドライヤーで目立たなくしています。何故このようなことになるのでしょうか?
一般的な例や改善方法など教えて頂けますでしょうか?しかし、一度その間違った方向に移植してしまっていたとしたら・・・もうどうしようもないわけですよね?正直、もうすこし自然な仕上がりになると思っていました。残念です。

匿名

お返事

匿名様へのお返事

生え際の植毛は、左右のM字部分のように、もとの髪の濃さがない場所に新しく密度を作る場合が多いので、生え際のラインを下げすぎないことが重要です。既存の生え際からあまり下げない程度に植毛の生え際ラインを設定なされば、1回の植毛の密度でもかなり満足できる場合が多いです。しかし、既存の生え際よりもラインを下げすぎた場合は、移植毛だけで密度を作らなければならいので、1回の植毛では密度が不十分になりがちです。いずれ2回目の植毛で密度アップをなされば、M字部分も普通の濃さに見えるようになります。
匿名様の場合、植毛から半年過ぎた段階で、すでにかなりの長さに移植毛が伸びているようですので、移植毛の発育はかなり早いと言えます。通常は、移植後10カ月から約1年後頃まで待たないと、ヘアスタイルやボリューム感を楽しめるほどの長さに育たない場合が多いです。もし、まだ10カ月から1年まで経っていないのでしたら、もう少し長さが伸びるまで待たれれば、髪のセットもしやすくなり、ボリューム感も実感できるようになると思います。
移植毛の生える方向や角度は、医師が開けるスリットの方向や角度によって決まる要素が大きいことは、ご指摘の通りです。特に生え際の場合は、場所によってスリットの角度や方向・配列・分布などを微妙に調節して変えていく必要があり、3次元的に仕上がりを決めていく高度な技術が要求されます。一般的には、つむじの毛流の向きの影響も左右で微妙に違いますので、左右で全く対称がいいというわけでもありません。匿名様の場合、もし今後いずれ、密度アップの目的で追加植毛をなさるのであれば、その際に今回の髪の方向の問題も解決できると思います。つまり、正常の髪は全てが同じ方向に生えているわけではなく、いろいろな向きに生えていて、それが髪のからまりやボリューム感を出す要素にもなっていますので、今回の移植毛と、次回の移植毛をうまくからめて、全体として自然な仕上がりとボリューム感に利用することも十分可能だと思います。
詳しくは、お電話で実際に移植を担当したクリニックの医師にご確認下さい。カルテの手術記載と照合して、もう少し具体的なアドバイスを差し上げられると思います。

医師 柳生