しろ様のご返事(医師 林さんの投稿)

質問にお答え致します。
1.お示しの12.5%の移植限界量は妥当な数値と思います。一般の方に解り易く説明する場合に用いる数値ですが、極めて教科書的な数値とお考え下さい。
2.実際の自毛移植の場面では、上記の数値はそれほどの意味をなしません。なぜならば、ドナー部位の密度、頭皮の状態、頭部の大きさ、頭髪の太さ、望まれる密度や移植範囲などかなりの個人差があります。上記の移植限界量を越える方でも、ドナー部位に採取できる余裕があれば移植手術をすることもありますし、逆に移植限界量に達していなくても移植手術が困難な場合もあります。具体的な数値に関しては、術前に診察させていただき、ドナーサイドから何株採取可能なのか、ご希望の部位に移植ができるのか等具体的な数値を決めます。
読まれる方によっては”後頭部に毛髪がある限りは可能”という表現は極端な解釈をされるようなので、”採取しても負担にならない程度の”を前につけ加えて下さい。
3.移植に利用する後頭部と側頭部の頭髪は、男性ホルモンの影響は受けません。従って、プロペシアを服用しても移植する頭髪には効果は無いとお考え下さい。ロゲインは毛根周囲の血管を拡張させ、毛乳頭の細胞に沢山の栄養を送り込むことによって頭髪の成長を促します。この観点に立てば、どの部位の頭髪にも効果があると考えられますが、元来、移植に用いる後頭部から側頭部の頭髪は太くて丈夫な性質を持っています。以上の理由から限界量を延ばすことには直接つながることは無いように思います。

参考にして下さい。

医師 林