第8回世界毛髪研究学会(WCHR)での座長と発表のご報告



韓国のチェジュ島で、2014年5月14~17日の4日間、第8回世界毛髪研究学会(World Congress for Hair Research)が開催されました。
今年のWCHR会長Won-Soo Lee教授から柳生元院長が招待され、座長を担当し、口演発表をおこないました。

WCHRには初めて参加しましたが、世界中の毛髪研究者が集まり、それぞれの研究成果を発表する、熱心な基礎系の学会でした。研究内容はどれも大変興味ある内容で、日本からも大勢の研究者が参加して発表しました。

5月14日10時~12時半の自毛植毛のセッションで、柳生元院長が座長に指名され、二人の副座長と一緒に、司会と進行を行いました。

また、柳生元院長の口演発表の演題は、「Is high density transplantation suitable for secondary cicatricial (scarring) alopecia?」でした。瘢痕性脱毛症の治療として自毛植毛をおこなう際に、高密度植毛をおこなって、しかも発毛率を高めて、満足できる結果を得るための、手術手技の要点を解説しました。発表後、たくさんの質問があり、聴衆に興味を持ってもらえました。

本学会では、たくさんの講演や発表が並んでいました。たとえば、円形脱毛症と免疫、男性ホルモンの代謝と脱毛症、毛髪研究の動物モデル、毛包細胞と周囲組織の相互作用、ヘアケアと化粧品、遺伝子解析、髪の成長刺激、多毛・薄毛・脱毛、レーザー治療、幹細胞・細胞培養・毛髪再生、毛幹の構造、皮脂と頭皮、加齢と幹細胞の再生、iPS細胞による脱毛症の治療、Finasterideの最適使用法と副作用、Minoxidilの効果判定、男性型脱毛症治療のガイドライン、女性型脱毛症の仕組みと治療法、皮膚力学的治療による肥厚性瘢痕の予防と治療、女性型脱毛症の疫学調査、毛包原基の形成メカニズム、マウス幹細胞から毛包形成にいたる際のシグナル伝達、毛乳頭の形成メカニズム、などなど、大変興味ある研究発表ばかりでした。

前の記事
谷崎 仁俊