後頭部

後頭部とは、頭部後方に位置する頭皮領域で、頭頂部より後方、項部(首の付け根)より上方に広がる部位を指す位置的・解剖学的概念である。

後頭部の解剖学的位置と毛包特性

後頭部は頭皮の一部であり、他部位と同様に表皮・真皮・皮下組織から構成され、その内部に毛包や皮脂腺、血管が分布する。独立した器官ではなく、頭皮上の区分概念として整理される。
この領域、とくに中央後頭部では、毛包が比較的安定して維持される傾向が知られている。毛密度や毛径は個人差があるものの、AGAの影響を受けにくい部位として整理されることが多い。
ただし、後頭部全体が一様に変化しないわけではなく、部位差が存在する。

後頭部と自毛植毛・AGAの関係

後頭部は、自毛植毛において主要なドナーエリアとして位置づけられることが多い部位である。その理論的背景には、移植後も元の性質を維持しやすいとされる「ドナー優位性(donor dominance)」の概念がある。
AGAでは前頭部や頭頂部の毛包が小型化しやすい一方、後頭部、とくに中央部の毛包はアンドロゲン感受性が相対的に低い傾向があると整理される。この部位差が、後頭部毛包を移植源とする理論的根拠となる。
自毛植毛では、後頭部から毛包を採取し、前頭部や頭頂部へ移植する。FUT法では帯状に皮膚を切除し、FUE法では毛包単位で採取するなど術式は異なるが、いずれにおいても後頭部は供給源となる部位である。
したがって、後頭部は自毛植毛理論とAGA進行様式を説明する上で重要な解剖学的部位概念である。

監修医師プロフィール

東邦大学医学部医学科卒業後、同大学附属病院泌尿器科に入局し、以降10年以上に渡り手術加療を中心に臨床に従事。男性型脱毛症(AGA)にも関連するアンドロロジー(男性学)の臨床に関わる。2021年より紀尾井町クリニックにて、自毛植毛を中心に薬物治療を組み合わせてAGA治療を行っている。著書として『薄毛の治し方』(現代書林社)を上梓。(詳細プロフィールはこちら

AGA治療・自毛植毛|紀尾井町クリニック東京本院 院長
日本泌尿器科学会専門医・同指導医
国際毛髪外科学会 会員
医師 中島 陽太

記事監修 中島医師

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