休止期脱毛症
休止期脱毛症(Telogen Effluvium)とは、毛周期の再配分により休止期毛の割合が一時的に増加し、頭皮全体にびまん性の脱毛が生じる脱毛症である。
休止期脱毛症の発症機序と構造的特徴
休止期脱毛症は、成長期にあった多数の毛包が同時期に休止期へ移行することで生じる。通常、頭皮では多くの毛包が成長期にあるが、身体的・心理的ストレス、発熱、出産、手術、栄養状態の変化などを契機として、毛周期の急激な再配分が起こることがある。
この周期移行は誘因発生から数週間〜数か月の時間差をもって脱毛として認識されることが多い。休止期に移行した毛髪は、一定期間を経て自然脱毛としてまとまって脱落する。
毛包構造自体は基本的に保持され、毛包の小型化は伴わない点が特徴である。そのため、誘因が解消されれば再び成長期へ移行し、毛髪が再生することが多い。
臨床的には、短期間で改善する急性型と、6か月以上持続する慢性型に分類されることがある。
休止期脱毛症とFPHL・円形脱毛症の関係
休止期脱毛症は、びまん性脱毛を示す代表的機序の一つである。FPHLでは毛包の小型化と成長期短縮が持続的に進行するのに対し、休止期脱毛症では毛包の小型化を伴わず、毛周期の急性再配分が主な変化となる。
円形脱毛症は自己免疫機序により毛包が炎症を受ける脱毛症であり、境界明瞭な脱毛斑を形成する点で異なる。
AGAでは成長期短縮と軟毛化が進行するが、休止期脱毛症では軟毛化は基本的に主体ではない。
したがって、休止期脱毛症は毛周期の急性変化を基盤とする、比較的可逆性の高い脱毛症として位置づけられる。ただし慢性化する例も存在する。
監修医師プロフィール
東邦大学医学部医学科卒業後、同大学附属病院泌尿器科に入局し、以降10年以上に渡り手術加療を中心に臨床に従事。男性型脱毛症(AGA)にも関連するアンドロロジー(男性学)の臨床に関わる。2021年より紀尾井町クリニックにて、自毛植毛を中心に薬物治療を組み合わせてAGA治療を行っている。著書として『薄毛の治し方』(現代書林社)を上梓。(詳細プロフィールはこちら)
AGA治療・自毛植毛|紀尾井町クリニック東京本院 院長
日本泌尿器科学会専門医・同指導医
国際毛髪外科学会 会員
医師 中島 陽太

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