5α還元酵素

5α還元酵素(5αリダクターゼ|5-alpha reductase)とは、テストステロンをより生理活性の高いジヒドロテストステロン(DHT)へ変換するステロイド代謝酵素であり、毛包や皮脂腺、前立腺などに分布する還元酵素である。

5α還元酵素の種類と作用機序

5α還元酵素はステロイドホルモン代謝に関与し、テストステロンのA環を還元することでDHTを生成する酵素である。主にⅠ型(Type I)とⅡ型(Type II)の2種類のアイソザイムが知られており、Ⅰ型は皮脂腺や肝臓などに広く分布し、Ⅱ型は前立腺や毛包に多く存在する。
毛包内で生成されたDHTはアンドロゲン受容体と結合し、細胞内の遺伝子発現調節に関与する。5α還元酵素自体はホルモンではなく、ホルモンを活性型へ変換する代謝酵素として機能する。

5α還元酵素とDHT・AGAの関係

5α還元酵素はDHT生成の中核酵素であり、AGA(男性型脱毛症)の発症機序を説明する上で重要な分子因子とされる。毛包内でDHTが増加すると、成長期の短縮や毛包の小型化が進行し、その結果として終毛の細小化(軟毛化)が認識される。
ただし、5α還元酵素の存在のみでAGAが成立するわけではなく、毛包側のアンドロゲン受容体感受性や遺伝的背景が関与する。したがって、5α還元酵素は脱毛を直接生じさせる物質ではなく、毛周期および毛包構造変化に関与するホルモン代謝酵素として位置づけられる。

監修医師プロフィール

東邦大学医学部医学科卒業後、同大学附属病院泌尿器科に入局し、以降10年以上に渡り手術加療を中心に臨床に従事。男性型脱毛症(AGA)にも関連するアンドロロジー(男性学)の臨床に関わる。2021年より紀尾井町クリニックにて、自毛植毛を中心に薬物治療を組み合わせてAGA治療を行っている。著書として『薄毛の治し方』(現代書林社)を上梓。(詳細プロフィールはこちら

AGA治療・自毛植毛|紀尾井町クリニック東京本院 院長
日本泌尿器科学会専門医・同指導医
国際毛髪外科学会 会員
医師 中島 陽太

記事監修 中島医師

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