ドナー

ドナー(Donor)とは、自毛植毛において毛包を採取する供給部位、すなわち毛包を提供する頭皮領域を指す術語である。

ドナーの構造的位置づけと採取原理

自毛植毛では、主に後頭部や側頭部がドナー部位として用いられる。これらの部位の毛包は、前頭部や頭頂部に比べてアンドロゲン感受性が比較的低い傾向を示すと整理され、その性質が移植後も保持されるという概念が理論的背景となっている。
採取対象は毛幹ではなく毛包単位(follicular unit)であり、毛周期を営む組織構造ごと移植される。採取方法にはFUT法やFUE法があり、いずれもドナー部位から毛包単位を外科的に分離・摘出する手技である。
ドナーという語は、毛包の供給源となる位置や部位を示す概念であり、特定の治療法や術式そのものを指す用語ではない。

ドナーと自毛植毛・AGAの関係

AGAでは、アンドロゲン作用により前頭部や頭頂部の毛包が小型化しやすい一方、後頭部の毛包は比較的影響を受けにくいと整理される。この部位差が自毛植毛の理論的基盤となっている。
移植後もドナー由来毛包の性質は維持されると考えられているが、ドナー部位の毛包数は有限であり、採取可能な数量には上限が存在する。
したがって、ドナーは自毛植毛における毛包供給源を示す概念であり、毛周期やホルモン機序を変化させる治療ではない。毛包再配置を成立させる前提条件として整理される外科的基盤概念である。

監修医師プロフィール

東邦大学医学部医学科卒業後、同大学附属病院泌尿器科に入局し、以降10年以上に渡り手術加療を中心に臨床に従事。男性型脱毛症(AGA)にも関連するアンドロロジー(男性学)の臨床に関わる。2021年より紀尾井町クリニックにて、自毛植毛を中心に薬物治療を組み合わせてAGA治療を行っている。著書として『薄毛の治し方』(現代書林社)を上梓。(詳細プロフィールはこちら

AGA治療・自毛植毛|紀尾井町クリニック東京本院 院長
日本泌尿器科学会専門医・同指導医
国際毛髪外科学会 会員
医師 中島 陽太

記事監修 中島医師

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