ショックロス

ショックロス(Shock Loss)とは、自毛植毛後の術後経過において、移植部位またはその周囲に存在する既存毛が一時的に脱落する現象を指す用語である。

ショックロスの発生機序と特徴

ショックロスは、自毛植毛施術後にみられる一過性の脱毛現象として整理される。移植操作やスリット作成に伴う外科的刺激、局所的な炎症反応、血流環境の変化などが関与する可能性がある。
この現象は移植された株(グラフト)そのものでなく、周囲に存在する既存毛に生じることである。外科的刺激などを受けた毛包が一時的に休止期へ移行することで、術後数週間から数か月の間に脱毛として認識される。
ショックロスは毛包構造が不可逆的に消失することを意味するものではなく、毛周期が再開することで再び発毛してくる。ただし、既存毛の状態や基礎疾患の影響によって経過には個人差がある。

ショックロスと自毛植毛・毛周期の関係

ショックロスは自毛植毛に伴う術後経過の一つであり、FUT法やFUE法といった採取方法そのものを示す用語ではない。
毛周期の観点では、外科的刺激などを契機として成長期毛が休止期へ移行することで脱毛が生じる現象として整理される。この点で、AGAにみられるアンドロゲン作用による毛包小型化とは機序が異なる。
したがって、ショックロスは自毛植毛後に生じ得る一時的な毛周期変化を示す術後経過用語であり、AGAの進行そのものを示す概念ではなく、術後変化の一類型として整理される。

監修医師プロフィール

東邦大学医学部医学科卒業後、同大学附属病院泌尿器科に入局し、以降10年以上に渡り手術加療を中心に臨床に従事。男性型脱毛症(AGA)にも関連するアンドロロジー(男性学)の臨床に関わる。2021年より紀尾井町クリニックにて、自毛植毛を中心に薬物治療を組み合わせてAGA治療を行っている。著書として『薄毛の治し方』(現代書林社)を上梓。(詳細プロフィールはこちら

AGA治療・自毛植毛|紀尾井町クリニック東京本院 院長
日本泌尿器科学会専門医・同指導医
国際毛髪外科学会 会員
医師 中島 陽太

記事監修 中島医師

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