質問(mmさんの投稿)
いくつか質問させて下さい。
①株を植える際、看護師が左右に分かれて作業をすると聞きましたが、上手い下手は別として、単純に左右で植毛の差ができると思うのですが、いかがでしょう?手術中に左右の看護師の方を定期的に位置換えしていただき、左右の差をなくすようにすることはできますか?
②若い方の手術例はありますか?
未成年や20代の方も手術されることはありますか?
③若い時に手術することでのデメリットなどありましたら、教えてください。
mm
お返事
mm様へのお返事
お問い合わせ、ありがとうございます。
①一般的に植え込み作業は、左右と後ろの3人で同時に進行します。4人以上は入るスペースがないので、3人が限界です。移植株も生きものですから、できるだけいい状態で、素早く植えることが、いい結果を得るために重要です。
紀尾井町グループでは、実際の植え込みにたずさわるためには、厳しい内部基準を設けていますので、植え込みの看護師の技術的な差はございません。手術中に位置をローテーションするというアイディアは興味あるご提案ですが、実際には、その前に植え込み作業は終了しているでしょう。
今年3月に開催された自毛植毛のライブ手術の国際学会で、アメリカの有名な植毛専門医たちの数人に聞いてみました。たとえば、4〜5千本の植毛が必要な症例の場合、平均的な手術時間はアメリカの有名なクリニックでは約10〜12時間かかるそうです。紀尾井町グループでは、同じ規模の植毛が、日常的に約5〜6時間で全て終了します。途中の食事休憩や、手術前後の説明や生活指導も全て含めてです。内容でいうと、株分け作業は、アメリカで平均3〜4時間、紀尾井町グループでは約30分〜1時間。植え込みに要する時間は、アメリカでは平均5〜6時間、当グループでは約2時間半〜3時間です。
この違いは、単なる熟練度の差です。当院でも8年前の開院当初は10時間近くかかる手術もありましたが、毎年1,000例以上の自毛植毛をコンスタントに続けてきた結果、自然にスピードが早くなったのです。たとえば、ほかの業種でも、名人といわれる熟練職人は、一般の職員よりも何倍ものスピードで量産しますが、品質は誰よりも優れているのと同じです。
アメリカの有名な先生からは、その秘密は何なのか、ぜひビデオセッションで秘密を公開して欲しいと言われました。秘密は何もありません。ひたすら熟練度です。紀尾井町グループの看護師たちは美人ぞろいという評判のようですが、実際の仕事に打ち込む姿勢は非常に厳しいものがあります。プロとしての職業意識に徹しているからです。アメリカ本院の院長が視察に来るたびに、何人か引き抜いて帰りたいと言うくらいです。
②年齢が若い方では、頭の傷跡で、いじめられてコンプレックスが精神的な問題になっている例などで、ご両親様と十分に相談した結果、傷跡に植毛して治療し、大変喜んでいただいている例がたまにございます。基本的には、男性型脱毛で25歳以下の植毛は、例外を除いては、行わないで経過を見るという国際的な基準を、紀尾井町グループでも尊重しています。
③25歳以下の人は、将来、時間の経過で状態が変わる可能性が高いので、20歳後半から30歳台まで待ったほうがいいと言われています。昨年の国際毛髪外科学会でも、シンポジウムで同様の結論が出されていました。
医師 柳生