2回目のドナー採取(ターザン山木!さんの投稿)
昨年の2月に他院で手術を受けたものです。
仕上がりの密度が期待したほどでなく少し
がっかりで、それなら2回目は貴院で受けて
みようかなと検討しています。
そこで質問なのですが、複数回のドナー摂取
について私が手術を受けた医院では傷を複数
本作ることに対して批判的で原則同じ箇所か
ら採取して傷は一本で・・・という方針でし
た。私もその点には共感します。
こちらの医院でもそのような要望には応じて
いただけるのでしょうか?
また、同じ箇所から採取したときと、そうで
ない場合では、採取されるドナーの太さや
強さなどの質に差が出て、ひいてはそれが
植毛の仕上がり(見栄えの濃さ)に影響さ
れることはありますか。
ちなみに前回は4000本弱でドナー密度が足り
ないため、耳の上あたりまでに達する傷があ
り、今回は1500〜2000本で生え際の密度アッ
プとM部の浅めの修正を考えてます。
同じ箇所にメスを入れた場合、何センチくら
いの長さの傷になるのでしょうか?
一般的な見解でよいので是非教えてください。
ターザン山木!
お返事
ターザン山木!様へのお返事
お問い合わせ、ありがとうございます。
国際毛髪外科学会の植毛専門医の間でも、2回目以降の植毛の際に、ドナー傷を1本にするか2本にするか、いろいろな意見が分かれています。あくまで1本の傷にこだわって同じ部位から重ね取りしていくという意見と、2回目までは株数を優先して2本の傷で採取し、3回目以降の植毛の際にどちらかの傷を重ね取りしていき2本以上の傷にはしないという意見と、二通りの意見があります。
当院では、お客様のご希望を伺い、どちらの方法でも対応しております。もし1本の傷でドナーを採取したいというご希望がおありでしたら、無料診察の際にご希望をお伝え下さい。ご希望通りに手術いたします。
2本の傷にするメリットは、採取するドナー組織の幅全体にいいドナー株が取れることです。複数回の植毛を受けられる方の多くは、2回目にも十分な数のドナー株数を必要とする場合が多いので、植毛部の仕上がりを優先する場合は、2本目の傷を選択される場合が多いです。
1本の傷にこだわるデメリットは、ご指摘の通り、ドナー株数と質に若干の不利があることです。例えば、幅10mmでドナーを採取する場合、傷の幅が2〜3mmあるとその部分には髪がないことを承知で傷を重ね取りしてドナーを採取しますので移植毛が採取できる有効なドナー組織の幅が7〜8mmしかないことになり、その分だけ採取できるドナー株の数が減少します。傷の幅が5〜6mm以上ある部分では、採取できるドナー株数がさらに減少します。
実際に山木様のドナー傷を拝見してみないと、現在の傷の幅が何mmあって、傷の周囲の髪がどの程度傷んでいるのか分かりませんが、傷んだ髪でも基本的にすべて有効に利用して植毛いたします。
実際に診察させていただいたときに、ご希望の植毛範囲と、仕上がりの密度を伺い、必要なドナー採取面積を計算します。例えば、前回のドナー傷が左右の耳の上まであり全長が30cmだと仮定すると、最長でも、傷と同じ長さで採取して傷全体をきれいに縫い直すことも可能です。そうすれば、今の傷よりも長い傷にはなりませんので、ご安心いただけるものと思います。もちろんそれよりも短い傷で採取することも可能です。
一般的には、同じ部位で複数回ドナーを採取すると、組織のつっぱり感が強く残りますし、傷の幅も長期的に見て幅広い傷になりがちな傾向があります。ただし、最近の縫合技術では、縫い直した後も、幅の狭いきれいな傷に仕上がる傾向もあります。
どうぞ、ご遠慮なく、無料相談にいらしてください。予約のお電話をお待ちしております。
医師 柳生