密度(zさんの投稿)

NHT本院のギャラリーで密度の所で密度が58%の方がいますが、見た感じでは頭皮がすごく透けてみえるのですが、あんなものなんですか?とても満足できるものではないとおもうんですが。2回やってもこれでは残念です。

お返事

z様へのお返事

ご指摘の症例は、術前の写真でもお分かりのように、非常に広範囲に進行した男性型脱毛の方です。しかも一般的には薄毛になりにくいはずの側頭部の上1/3の部分まで薄毛が広がっています。このように広範囲の脱毛になりますと、脱毛範囲の不足毛髪数は約5万本以上と概算されます。
通常ですと2〜3回の植毛で合計9,000〜13,000本くらい植毛して、ようやく何とか地肌が見えにくくなるかどうかという、難しい症例です。それを、このお客様の場合は約7,000本程度の本数の植毛で、治療を終了したのです。7,000本という数字は、ドナー採取面積が1回目24cm2と2回目22.4cm2の合計46.4cm2で、毛髪密度が平均的日本人の150本/cm2として計算した数値です。この術前画像から判断すると実際の毛髪密度はもっと少なかった可能性が高く、ドナー毛髪の性状もかなり貧弱なものだったと予想されます。2回の植毛の合計移植本数は7,000本よりも少なかった可能性が高いと考えられます。今後機会があれば、NHT本院院長にこのことを確認してみるつもりです。
この症例では、自毛植毛に使用した毛髪数は、常識的に考えて効果的な移植を行うには本数が全く足りません。しかし、カバーする面積を限定して、限られた移植毛を有効に植毛することで、最大限の効果を出す高度な技術があれば、少ない移植本数でも広範囲の高度な脱毛領域をカバーできる場合もあるのです。
つまり、広範囲の脱毛でも、移植面積を合計80cm2に限定して、その範囲の密度を58%アップしたことで、効果的な仕上がりを実現した症例なのです。
一般的に、自毛植毛では、脱毛範囲の不足毛髪数に対して、移植治療に利用できる毛髪数は圧倒的に不足しています。数学的に全く足りない本数のドナー毛髪で、いかに広範囲の脱毛をカバーするかの技術が大切なのです。
お客様にはそれぞれご事情がありますので、ご予算の範囲で、無理の無い治療計画を立てられることが大切です。この方もご予算の関係で、2回の植毛で採取できる合計のドナー量が少なかったのですが、NHT本院院長の技術で、最も効果的な狭い範囲に限定して密度を上げて植毛した結果、非常に広範囲の脱毛領域を少ないドナー量でカバーできた症例なのです。
NHT紀尾井町グループでは、お客様のそれぞれの事情に合わせて、無理の少ない治療計画を選んでいただくことも大切なことだと考えています。薄毛でお悩みの方は、遠慮なくぜひご相談下さい。

医師 柳生