進行具合と手術(バービーさんの投稿)
移植範囲と移植密度は、やはり髪の太さに多いに関係するのですよね?
ハゲは、髪の毛が段々に細くなっていく症状ですので、いくら後頭部の毛とは言え年齢と共に細くなっていくでしょうし、どの段階の太さの時に手術するかによって、移植部分の密度が変ってきてしますとすると、ドナーの事も考慮すると何度も手術する訳にもいかず、バービー人形のような見た目になってしまうのではないか心配です。
植毛と増毛等をあわせて利用するのが有効なのでしょうか?
バービー
お返事
バービー様へのお返事
ご質問ありがとうございます。
自毛植毛の結果を判断する上で、密度は重要な問題です。
頭髪の密度を決める要素は、単位面積当たりの頭髪の本数と、髪の直径と長さで決まる髪の表面積です。実際にはこの他に、見かけの密度も植毛結果に影響する重要な要素になります。見かけの密度を決める要素は、髪の生える角度と生える方向、毛包単位の配列方向や分布状況、毛包単位の相互の間隔と距離などで、その他にも、髪の性質として毛と皮膚の色のコントラスト差、髪のカールの程度、周囲の光線の強さ、髪の濡れ具合、なども影響してきます。
自毛移植に使える自分自身のドナー毛髪の数は限られていて、通常は、広範囲の脱毛を補うにはあまりにも少数のドナーしか利用できな場合が多く、そこでいかに少数のドナー本数でいかに広範囲の薄毛領域をカバーするかが、自毛植毛の最重要課題の一つなのです。世界中の自毛植毛専門医が、このテーマに関して研究し、毎年の国際学会で熱心な討論を続けてきているのです。
さて、最新の技術で植毛すれば、通常2回の植毛で、広範囲の脱毛もほぼ満足できる仕上がりに見えるように作ることができます。部分的に密度を補う意味で3回〜4回目の植毛を希望される場合もありますが、基本的には、他の人と会って話しをする時に最も目立つ頭の前半分に関しては、自分の髪がなくなっても2回の植毛で移植密度を約60%以上にすれば、日本人の場合は普通の密度と同じ外観に見えるようになります。
年齢的に髪の直径は微妙に変化することは、ご指摘の通りですが、後頭部の髪は細毛になりにくいので、いったん60%以上の密度に作れば、その効果は生涯続くと考えられています。
問題は、始めにご自分の髪が25〜30%の密度で残っていて、そこに自毛植毛で25〜30%の密度アップをした場合でしょう。1回の植毛で合計約50〜60%の密度を達成して満足した結果が得られていても、もしかして、5年後〜10年後にもとのご自分の髪の薄毛が進行して、植毛した髪だけになってしまい、仕上がりの密度が25〜30%にもどるかも知れないのです。
その場合でも、大丈夫です。すでに1回分の密度は達成されていますので、最悪でも25%以下の密度には今後見えないで済むということと、もし、将来、薄毛が気になり初めたら、その時点で早めに2回目の植毛を追加すれば、約60%の密度を回復できるので、普通と同じ濃さに見えるようになるのです。
植毛結果が将来物足りない結果に変わる可能性があるとすれば、移植毛が細くなるためではなく、もともと残っていたご自分の髪の薄毛が進行するためです。そのときは、前述のように、2回目の植毛を追加することで解決できます。そしてその効果は生涯続くのです。
なお、増毛を併用する考えもあるかも知れませんが、一般的には、その必要はありません。
また、増毛は、わずかの貴重な毛髪にたくさんの本数の人工毛をしばりつけるので、もとの毛根に大きな負担をかけることになり、貴重なもとの髪が抜けてしまう可能性が高くなります。さらに、髪が伸びると結び目が高い位置にずれておかしなことになるので、定期的に髪の根元に縛り直すことを、永遠に繰りかえさなければなりません。費用対効果的にも、あまりお勧めできません。
医師 柳生