アンドロゲン
アンドロゲン(Androgen)とは、男性的形質の形成や維持に関与するステロイドホルモン群の総称であり、主に性腺や副腎で産生され、毛包や皮脂腺など全身の標的組織に作用する内分泌因子である。
アンドロゲンの種類と作用機序
アンドロゲンにはテストステロン、ジヒドロテストステロン(DHT)、アンドロステンジオンなどが含まれる。これらは血流を介して標的組織へ到達し、細胞内に存在するアンドロゲン受容体に結合することで作用を発揮する。
ホルモンと受容体が結合すると受容体は活性化し、核内へ移行して特定遺伝子の転写を調節する。この転写調節機構により、体毛の発達、皮脂腺の活動、筋肉量維持など多様な生理反応が誘導される。
毛包においては部位差が認められ、前頭部や頭頂部の毛包はアンドロゲン刺激に対する応答性が高い一方、側頭部や後頭部では反応が相対的に小さいと整理される。この差異が、脱毛の分布様式と関連づけられる。
アンドロゲンとDHT・AGAの関係
テストステロンは毛包内に存在する5α還元酵素によってDHTへ変換される。DHTはアンドロゲン受容体への結合親和性が高く、より強い生理活性を示す。
AGA(男性型脱毛症)では、このDHTが毛包に作用することで成長期の短縮および毛包の小型化が進行すると整理される。その結果、形成される毛幹の毛径が徐々に縮小し、軟毛化が認められる。
ただし、アンドロゲンの存在のみで脱毛が生じるわけではない。毛包側の受容体発現量、感受性、遺伝的背景などが複合的に関与する。したがって、アンドロゲンは脱毛を直接引き起こす単独因子ではなく、毛周期および毛包構造変化に関与する調節因子群として位置づけられる。
監修医師プロフィール
東邦大学医学部医学科卒業後、同大学附属病院泌尿器科に入局し、以降10年以上に渡り手術加療を中心に臨床に従事。男性型脱毛症(AGA)にも関連するアンドロロジー(男性学)の臨床に関わる。2021年より紀尾井町クリニックにて、自毛植毛を中心に薬物治療を組み合わせてAGA治療を行っている。著書として『薄毛の治し方』(現代書林社)を上梓。(詳細プロフィールはこちら)
AGA治療・自毛植毛|紀尾井町クリニック東京本院 院長
日本泌尿器科学会専門医・同指導医
国際毛髪外科学会 会員
医師 中島 陽太

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