アンドロゲン受容体
アンドロゲン受容体(AR:Androgen Receptor)とは、テストステロンやジヒドロテストステロン(DHT)などのアンドロゲンと結合し、その刺激を細胞内の遺伝子発現調節へと変換する核内受容体型タンパク質である。ホルモンそのものではなく、ホルモン作用を細胞内で媒介する分子として位置づけられる。
アンドロゲン受容体の構造と作用機序
アンドロゲン受容体は、非活性状態では主に細胞質内に存在し、アンドロゲンが結合すると立体構造が変化して活性化される。活性化された受容体は核内へ移行し、DNA上の特定配列(アンドロゲン応答配列)に結合することで、標的遺伝子の転写を調節する。
構造的には、ホルモンが結合する領域、DNAへ結合する領域、転写調節に関与する領域から成り、これらが協調して作用を発揮する。DHTはテストステロンよりも受容体への結合親和性が高く、より強いアンドロゲン活性を示すと整理される。
毛包においては、毛乳頭細胞などにアンドロゲン受容体が発現しており、アンドロゲン刺激に応答して細胞内シグナルや増殖関連因子の発現が変化する。したがって、アンドロゲン受容体は毛包細胞がホルモン環境を感知するための分子装置として機能する。
アンドロゲン受容体とDHT・AGAの関係
AGA(男性型脱毛症)では、毛包内で生成されたDHTがアンドロゲン受容体に結合することで、成長期の短縮や毛包の小型化と関連する反応が誘導されると整理される。その結果、形成される毛幹の毛径が徐々に小さくなり、軟毛化が進行する。
ただし、アンドロゲン受容体が存在することのみで脱毛が決定されるわけではない。受容体の発現量や感受性、さらには遺伝的背景などが関与し、同一のホルモン環境下でも毛包ごとに反応差が生じる。前頭部や頭頂部では受容体を介した応答が外観変化として現れやすい一方、側頭部や後頭部では影響が比較的軽度であると整理される。
このように、アンドロゲン受容体はアンドロゲン作用を細胞レベルで媒介する調節因子であり、AGAの発症機序を理解する上で中心的な分子概念として位置づけられる。
監修医師プロフィール
東邦大学医学部医学科卒業後、同大学附属病院泌尿器科に入局し、以降10年以上に渡り手術加療を中心に臨床に従事。男性型脱毛症(AGA)にも関連するアンドロロジー(男性学)の臨床に関わる。2021年より紀尾井町クリニックにて、自毛植毛を中心に薬物治療を組み合わせてAGA治療を行っている。著書として『薄毛の治し方』(現代書林社)を上梓。(詳細プロフィールはこちら)
AGA治療・自毛植毛|紀尾井町クリニック東京本院 院長
日本泌尿器科学会専門医・同指導医
国際毛髪外科学会 会員
医師 中島 陽太

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