PRP療法

PRP療法(Platelet-Rich Plasma Therapy)とは、自己血液から抽出した多血小板血漿を用い、含有される成長因子の作用を目的として頭皮へ注入する医療的手法である。

PRP療法の仕組みと生物学的背景

PRP療法では、患者自身の血液を採取し、遠心分離によって血小板を高濃度に含む血漿を抽出する。血小板にはPDGF、TGF-β、VEGFなどの成長因子が含まれ、これらは組織修復、細胞増殖、血管新生と関連する生理活性因子として整理されている。
頭皮へ注入されたPRPは、毛包周囲の微小環境に影響を与える可能性があると考えられている。毛乳頭細胞や毛母細胞は毛周期調節に関与する構造であり、成長因子刺激による細胞応答が研究対象となっている。ただし、作用機序の詳細や長期的な臨床的位置づけについては研究段階の側面も残されている。
PRP療法は外因性の薬剤を投与する治療とは異なり、自己組織由来の因子を利用する点が特徴である。ホルモン代謝経路を直接阻害する治療ではない。

PRP療法とAGA・毛周期の関係

AGAはアンドロゲン作用と毛包の遺伝的感受性を基盤とする脱毛症である。フィナステリドやデュタステリドがDHT生成経路へ作用するのに対し、PRP療法は毛周期や毛包周囲環境へ局所的に介入する概念として整理される。
PRP療法は毛包を移植する自毛植毛とも異なり、毛包構造そのものを移動させる処置ではない。また、円形脱毛症のような自己免疫機序が中心となる脱毛症とは病態軸が異なる。
したがって、PRP療法は再生医療的アプローチに関連する治療概念として整理され、AGA治療薬や自毛植毛とは作用軸が異なる手法として位置づけられる。

監修医師プロフィール

東邦大学医学部医学科卒業後、同大学附属病院泌尿器科に入局し、以降10年以上に渡り手術加療を中心に臨床に従事。男性型脱毛症(AGA)にも関連するアンドロロジー(男性学)の臨床に関わる。2021年より紀尾井町クリニックにて、自毛植毛を中心に薬物治療を組み合わせてAGA治療を行っている。著書として『薄毛の治し方』(現代書林社)を上梓。(詳細プロフィールはこちら

AGA治療・自毛植毛|紀尾井町クリニック東京本院 院長
日本泌尿器科学会専門医・同指導医
国際毛髪外科学会 会員
医師 中島 陽太

記事監修 中島医師

植毛・自毛植毛に関する総合的な情報については、植毛・自毛植毛の総合ページをご覧ください。

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