スリット作成

スリット作成とは、自毛植毛において移植する毛包を挿入するため、受容部位(レシピエントエリア)に微小な切開孔を形成する工程を指す術語である。

スリット作成の手技構造と分類

スリット作成は、自毛植毛における受容部位の準備工程である。ドナー採取によって確保された株(グラフト)を適切に配置するため、毛包を受け入れる物理的空間を頭皮上に形成する。
切開は深さ、角度、方向、間隔を調整して行われる。既存毛の毛流や将来的な脱毛進行を踏まえて設計され、生え際では浅い角度で作成されることが多いと整理される。前方から後方へ自然な密度勾配を構成するため、配置計画に基づいた空間設計が行われる。
切開形状の違いにより、大きくホールスリットとラインスリットに分類される。ホールスリットは点状に独立した切開孔を作成する方法であり、毛包単位ごとに挿入部を形成する。ラインスリットは線状に連続した切開を行う方法で、一定方向に沿った毛流を構成しやすいと整理される。
いずれの方法も毛包を受容する空間を形成する工程であり、毛周期やホルモン経路へ直接作用する処置ではない。

スリット作成と植毛デザイン・株(グラフト)の関係

スリット作成は、植毛デザインによって決定された配置計画を頭皮上に具体化する工程である。植毛デザインが移植範囲や密度配分を設計する概念であるのに対し、スリット作成はそれを角度、方向、間隔といった物理的要素として反映させる操作にあたる。
株(グラフト)の毛本数や毛径に応じて、切開幅や間隔は調整される。FUT法やFUE法がドナー側の採取方法を示す術式概念であるのに対し、スリット作成は受容部側の処置工程に位置づけられる。
したがって、スリット作成は自毛植毛を構成する工程概念の一つであり、毛包再配置を成立させるための受容準備工程として整理され、ホルモン機序や毛周期制御とは区別される外科的操作概念である。

監修医師プロフィール

東邦大学医学部医学科卒業後、同大学附属病院泌尿器科に入局し、以降10年以上に渡り手術加療を中心に臨床に従事。男性型脱毛症(AGA)にも関連するアンドロロジー(男性学)の臨床に関わる。2021年より紀尾井町クリニックにて、自毛植毛を中心に薬物治療を組み合わせてAGA治療を行っている。著書として『薄毛の治し方』(現代書林社)を上梓。(詳細プロフィールはこちら

AGA治療・自毛植毛|紀尾井町クリニック東京本院 院長
日本泌尿器科学会専門医・同指導医
国際毛髪外科学会 会員
医師 中島 陽太

記事監修 中島医師

植毛・自毛植毛に関する総合的な情報については、植毛・自毛植毛の総合ページをご覧ください。

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