富士額

富士額とは、生え際の中央部が前方へ相対的に突出し、左右側が緩やかに後退することで、全体として山型の輪郭を示す生え際形状を指す形態分類概念である。日本語圏で用いられる呼称であり、中央優位型の生え際パターンとして整理される。

富士額の形状特徴と形成背景

富士額は、生え際中央の毛包分布が比較的前方に位置し、両側がやや後方に位置することで形成される。外観上は中央が緩やかに張り出し、両側が入り込む輪郭を呈する。その名称は富士山の稜線に類似することに由来する。
これは独立した解剖学的構造ではなく、前頭部における毛包分布の外縁形状の差異によって生じるものである。内部構造は他の頭皮領域と同様に表皮・真皮・毛包から構成され、毛幹や毛根の異常を示す概念ではない。
したがって、富士額は生え際の形状差を表す外観上の分類語として位置づけられる。

富士額と生え際・AGAの関係

富士額は、生え際形状の一類型であり、直線型やM字型と対比される概念である。M字型が左右の後退が強調される形状であるのに対し、富士額は中央部の前方優位性が特徴となる。
AGAでは前頭部や生え際周辺の毛包変化が進行することがあるが、富士額そのものは病態を示す用語ではない。毛周期や毛包の小型化が進行した場合、もともとの中央優位型形状が変化して見えることはあるが、それは進行に伴う外観変化である。
したがって、富士額は位置的・形態的特徴を表す分類概念であり、診断名ではない。

監修医師プロフィール

東邦大学医学部医学科卒業後、同大学附属病院泌尿器科に入局し、以降10年以上に渡り手術加療を中心に臨床に従事。男性型脱毛症(AGA)にも関連するアンドロロジー(男性学)の臨床に関わる。2021年より紀尾井町クリニックにて、自毛植毛を中心に薬物治療を組み合わせてAGA治療を行っている。著書として『薄毛の治し方』(現代書林社)を上梓。(詳細プロフィールはこちら

AGA治療・自毛植毛|紀尾井町クリニック東京本院 院長
日本泌尿器科学会専門医・同指導医
国際毛髪外科学会 会員
医師 中島 陽太

記事監修 中島医師

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