植毛技術の進歩(Oさんの投稿)

こんにちは15年程前とその翌年に2年連続で貴院にて植毛をして頂きました。その節は大変お世話になりました

まだ若かった為少し薄くなり始めた個所がノイローゼになる程気になりお願い致しました

しかし3年程前から思い込みでも何でもなく誰が見ても側頭部後頭部以外はツルツルに近い状態に一気に抜けてしまいました。勿論15年前に植毛して頂いた箇所については誤魔化しきれませんが伸び続けております

そこで質問なのですが15年前当時、今の状態の様にここまで薄くなってしまう事が予想出来ていましたらドナー保存の為、2年連続で植毛はしなかったと思いますが、当時は目の前の薄毛だけを兎に角治療したい一心だった為お願いしたのですが、最近のHPを拝見しておりますと『その当時のドナー採取方法、株分け、植毛技術等々』と『現在の最高のドナー採取方法、株分け、植毛技術』は随分違うと感じ取れますし、確かに違うようです

ドナーに限界がなければ良いですが絶対に誰にでもあるものですし、それで感じた事は『15年前に2度連続』で植毛をして頂いた私は採取、植毛技術の観点からドナーを大変無駄にしてしまったのではないのか…という事です

今現在の技術で過去2回の植毛をして頂いておればもしかしたらもっと密度も濃く、株の無駄も少なくより良い植毛になっていたのではないのか…と後悔している事です。勿論なんら当時と今の技術が変わっていないのであれば心配致しませんが、残りのドナー採取が2、3回だと思われる中で、多少なりとも当時の植毛技術で無駄になったかもしれないドナーや株の分を残りのドナーでフォロー出来ると思われますでしょうか

勿論カウンセリングに伺って実際に見て頂かないと分からないのは承知しておりますが『15年前と現在の手術レベルの違い』という観点から憶測で結構ですので、サザエさんの波平さんレベルになった私の頭髪を現在の手術方法や配分をしっかり考えて頂けたら、それなりに薄毛をカバーをする事は可能かどうかをお答え頂きたいと思います。宜しくお願い致します

当時の技術レベルを疑う文である事をお許し下さい

O

お返事

O様へのお返事

アメリカで世界初の国際毛髪外科学会が開催されたのが1993年で、その後、自毛植毛が世界的に広まりました。現在、世界的に行われている毛包単位植毛(FUT法)を提唱する初期の論文が出始めたのが1994~1995年で、それ以降、このFUT法が世界的に普及していきました。それ以前のフラップ手術やパンチグラフト法の不自然さが改良されて、一気に自然な仕上がりの植毛結果が実現できるようになったという意味で、当時は画期的な技術でした。

今から15年前といいますと、1999年ですので、当時、世界最新の技術だったFUT法が日本にも導入されて間もない頃に、当院で植毛手術を受けられたことが分かります。このFUT法の植毛技術は、今も変わらず、自毛植毛手術の基本的な手技として、世界中で行われています。
インターネットが普及していなかった当時、すでにFUT法の自毛植毛で治療を受けられたことは、非常に先進的な選択をされたことが分かります。しかも、FUT法は、現在も自毛植毛手術のゴールデン・スタンダード法として世界中で行われていますので、当時のご選択は、決して間違っていなかったことが分かります。

全ての医学的治療法は、日進月歩で、常に進化していきます。自毛植毛手術も、世界的に、常に進化し続けています。当院の自毛植毛手術も、進化し続けて、常に改良しながら、世界最高のレベルを維持し続けています。そのために、毎年数回、世界各地の植毛学会で発表しながら、最新の技術を取り入れています。今後も、当院の自毛植毛技術を、さらに進化させ続けていく所存です。

このようにダイナミックに進歩する領域では、そのつど、その時点で最善と思われる治療法で、治療を受けていくしか方法がありません。10年先、15年先まで待てる方は、そこまで待って治療を受けられるか、あるいは、ずっと待ち続けるか。正解は、だれにも答えられません。
その意味で、15年前と14年前に、当時の最新技術で治療を受けられたことは、決して、ご判断が間違った選択をされたとは思いません。細かい点の改良は積み重ねていますが、基本的な治療法としての原理は一貫しています。基本原理が一貫している以上、今から、追加治療を加えていくことは、もちろん可能です。

現状を拝見してみないと、具体的なアドバイスは差し上げられませんが、15年前の植毛結果を生かす形で、追加手術をおこなっていけば、残りのドナーを使って、広範囲の脱毛でも、それなりに見栄えの良い仕上がりに変えていけるだろうと思います。
一人で悩んでおられないで、ぜひ、お時間を取って、無料診察をお申込み下さい。何とかなるだろうと思います。

医師 柳生