退行期
退行期(catagen)とは、毛周期の中で毛母細胞の分裂が停止し、毛球および毛包下部が退縮へ向かう移行段階を指す。
退行期の構造変化と進行の仕組み
退行期は成長期の後に続く毛周期の中間段階である。この時期には毛母細胞の増殖が停止し、アポトーシス誘導により毛球は急速に縮小する。
それに伴い毛乳頭は毛球基部から離れ、より上方へ移動する。毛包下部は退縮し、成長期に比べて短く浅い構造へと移行する。
毛幹はすでに形成されているため、退行期に入った直後に脱落するわけではないが、新たな毛髪形成は行われない。退行期は通常短期間で経過し、その後休止期へ移行する。
退行期と成長期・休止期の関係
退行期は成長期(anagen)と休止期(telogen)をつなぐ過渡的段階として位置づけられる。成長期では毛母細胞の分裂により毛幹が形成されるが、退行期ではその活動が終息し、毛包構造は退縮過程に入る。
続く休止期では縮小した毛包が静止状態となり、次の成長期への移行を待つ。したがって退行期は脱毛そのものと同義ではなく、毛周期における構造的再編段階として理解される。
監修医師プロフィール
東邦大学医学部医学科卒業後、同大学附属病院泌尿器科に入局し、以降10年以上に渡り手術加療を中心に臨床に従事。男性型脱毛症(AGA)にも関連するアンドロロジー(男性学)の臨床に関わる。2021年より紀尾井町クリニックにて、自毛植毛を中心に薬物治療を組み合わせてAGA治療を行っている。著書として『薄毛の治し方』(現代書林社)を上梓。(詳細プロフィールはこちら)
AGA治療・自毛植毛|紀尾井町クリニック東京本院 院長
日本泌尿器科学会専門医・同指導医
国際毛髪外科学会 会員
医師 中島 陽太

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