LED治療

LED治療とは、発光ダイオード(Light Emitting Diode)から発せられる特定波長の光を頭皮に照射し、細胞活動への影響を目的とする光線療法の一種である。

LED治療の作用機序と生物学的背景

LED治療は、主に低出力の赤色光や近赤外線を用いる低出力光療法(Low Level Light Therapy:LLLT)に分類される。光エネルギーは皮膚を透過し、細胞内のミトコンドリアに存在するシトクロムcオキシダーゼなどの光受容分子へ影響を与える可能性があると考えられている。
その結果、ATP産生や細胞代謝の変化と関連する反応が研究対象となっている。毛包は高い代謝活動を有する組織であり、毛乳頭細胞や毛母細胞の機能は毛周期調節と関連する。LED治療はこれらの細胞環境に対する光刺激という位置づけで整理されるが、詳細な作用機序や臨床的位置づけについては検討が継続されている。
LED治療はホルモン代謝経路を直接阻害する治療ではなく、薬剤のような全身性作用を持つものでもない。

LED治療とAGA・PRP療法の関係

AGAはアンドロゲン作用と毛包の遺伝的感受性に基づく脱毛症であり、5α還元酵素やジヒドロテストステロン(DHT)を介する機序が中心である。フィナステリドやデュタステリドがこの経路に作用するのに対し、LED治療は光刺激による局所的作用という点で機序が異なる。
PRP療法が成長因子を利用する手法であるのに対し、LED治療は物理的エネルギーである光を用いる手法である。自毛植毛が毛包を移植する外科的治療であるのとも概念軸が異なる。
したがって、LED治療は薄毛やAGAに対する光線療法として整理され、薬物療法や外科的治療とは作用原理が異なる手法として位置づけられる。

監修医師プロフィール

東邦大学医学部医学科卒業後、同大学附属病院泌尿器科に入局し、以降10年以上に渡り手術加療を中心に臨床に従事。男性型脱毛症(AGA)にも関連するアンドロロジー(男性学)の臨床に関わる。2021年より紀尾井町クリニックにて、自毛植毛を中心に薬物治療を組み合わせてAGA治療を行っている。著書として『薄毛の治し方』(現代書林社)を上梓。(詳細プロフィールはこちら

AGA治療・自毛植毛|紀尾井町クリニック東京本院 院長
日本泌尿器科学会専門医・同指導医
国際毛髪外科学会 会員
医師 中島 陽太

記事監修 中島医師

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