M字型脱毛
M字型脱毛とは、前頭部の生え際が左右対称に後退し、中央部を残してアルファベットの「M」の形に見える脱毛パターンを指す形態的分類概念である。疾患名ではなく、脱毛の分布様式を示す外観上の用語として用いられる。
M字型脱毛の形状特徴と構造的背景
M字型脱毛は、前頭部側方の毛密度低下と毛径縮小により、生え際が左右から後退することで形成される。中央部の毛包が相対的に保たれるため、外観上M字状の輪郭が生じる。
構造的には、該当部位の毛包において成長期の短縮や毛包の小型化が進行し、形成される毛幹の毛径が徐々に小さくなることが関連する。これは毛幹表層の損傷ではなく、毛包単位で進行する構造変化として整理される。
M字型脱毛は、O字型脱毛(頭頂部中心の脱毛)やびまん性脱毛と並ぶ分布分類の一つであり、進行度により後退範囲は拡大することがある。
M字型脱毛とAGA・生え際の関係
M字型脱毛は、AGA(男性型脱毛症)の典型的進行パターンの一つとして言及されることが多い。AGAでは前頭部や頭頂部の毛包において毛周期の再配分と毛包の小型化が進行し、生え際周辺で軟毛化が外観上の後退として認識される。
ハミルトン・ノーウッド分類(Hamilton–Norwood classification)では、初期段階から前頭部側方の後退が評価指標とされ、進行に伴いU字型脱毛や頭頂部脱毛と連続する場合がある。
ただし、M字型脱毛そのものは原因や疾患名を示す用語ではない。円形脱毛症のように境界明瞭な脱毛斑を形成する脱毛症とは発症機序が異なり、あくまで脱毛の形状分類として位置づけられる。
したがって、M字型脱毛は前頭部生え際における脱毛分布パターンを説明するための形態概念である。
監修医師プロフィール
東邦大学医学部医学科卒業後、同大学附属病院泌尿器科に入局し、以降10年以上に渡り手術加療を中心に臨床に従事。男性型脱毛症(AGA)にも関連するアンドロロジー(男性学)の臨床に関わる。2021年より紀尾井町クリニックにて、自毛植毛を中心に薬物治療を組み合わせてAGA治療を行っている。著書として『薄毛の治し方』(現代書林社)を上梓。(詳細プロフィールはこちら)
AGA治療・自毛植毛|紀尾井町クリニック東京本院 院長
日本泌尿器科学会専門医・同指導医
国際毛髪外科学会 会員
医師 中島 陽太

植毛・自毛植毛に関する総合的な情報については、植毛・自毛植毛のTOPページをご覧ください。
![植毛・自毛植毛専門27年 ー 紀尾井町クリニック [東京・大阪]](https://nhtjapan.com/wp-content/uploads/2023/07/7a4ef5b5682312e160c5633fbcc7286a6bc28ed89c74c9ccfa1b96f7adb3cef2.jpg)