AGA治療薬

AGA治療薬とは、薬剤の分類概念の一つであり、男性型脱毛症(AGA)の発症機序に関連するホルモン経路や毛周期動態に作用し、病態へ薬理学的に介入する薬剤の総称である。

AGA治療薬の分類と作用機序

AGAは、アンドロゲン作用と毛包の遺伝的感受性が関与する脱毛症と整理される。この発症機序に基づき、AGA治療薬は大きく二つの作用経路に分類される。
一つはホルモン関連薬である。テストステロンからジヒドロテストステロン(DHT)への変換を担う5α還元酵素を阻害することで、毛包に対するアンドロゲン作用を調整する薬剤が含まれる。代表例としてフィナステリドやデュタステリドが挙げられる。これらはDHT生成経路に介入する点が特徴である。
もう一つは毛周期作用薬である。毛包や毛乳頭周囲に関連する変化を介し、成長期の維持や休止期から成長期への移行と関連する動態に影響を与える薬剤が分類される。代表例としてミノキシジルが知られている。
これらの薬剤はいずれも毛包構造を新たに形成するものではなく、既存の毛包環境やホルモン経路へ作用することで病態へ介入する薬理学的手段として整理される。

AGA治療薬とAGA・DHTの関係

AGAでは、DHTがアンドロゲン受容体に結合することで成長期の短縮や毛包の小型化が進行すると整理されている。AGA治療薬は、このホルモン経路または毛周期調節機構に作用することで、病態進行に関連する要素へ介入する薬理学的カテゴリーと位置づけられる。
一方、円形脱毛症は自己免疫機序、瘢痕性脱毛症は炎症による毛包構造の破壊が中心と整理される。これらはアンドロゲン依存性機序とは異なるため、治療概念も区別される。
したがって、AGA治療薬という用語は特定の薬剤名を示すものではなく、AGAの発症機序に基づいて設計された薬理学的カテゴリー概念として整理され、病態背景に対応する介入手段の一群を指す語である。

監修医師プロフィール

東邦大学医学部医学科卒業後、同大学附属病院泌尿器科に入局し、以降10年以上に渡り手術加療を中心に臨床に従事。男性型脱毛症(AGA)にも関連するアンドロロジー(男性学)の臨床に関わる。2021年より紀尾井町クリニックにて、自毛植毛を中心に薬物治療を組み合わせてAGA治療を行っている。著書として『薄毛の治し方』(現代書林社)を上梓。(詳細プロフィールはこちら

AGA治療・自毛植毛|紀尾井町クリニック東京本院 院長
日本泌尿器科学会専門医・同指導医
国際毛髪外科学会 会員
医師 中島 陽太

記事監修 中島医師

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