ミノキシジルの効果と副作用【医師監修】

 ミノキシジルは、AGA及びFAGAの治療薬としてドラッグストアやオンラインでも広く販売されている育毛剤です。しかし、その効果や副作用などをあまりご存じない方もいらっしゃるかと思いますので、今回はミノキシジルの効果や副作用などミノキシジルについてご紹介させて頂きます。

ミノキシジルとは 

 ミノキシジル(Minoxidil)は、1960年代から高血圧の治療薬として使用されていましたが、服用すると副作用として髪の毛や体毛が太くなるという報告がいくつもあがってきていました。この報告を受けて、ミノキシジルの外用薬としての育毛効果を評価する臨床試験を開始し、育毛剤として1988年に米国食品医薬品局(FDA)から認可され、世界各国で販売されているAGA治療薬です。
 日本皮膚科学会の「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」においては、ミノキシジルの外用薬はA評価(行うよう強く勧める)とされており、男性には5%溶液、女性には1%溶液を強く勧めるという評価になっております。

ミノキシジルの効果

 ミノキシジルは、その血管拡張作用により頭皮の血流を促進して、毛乳頭細胞へより多くの栄養素や酸素を運ぶことで、髪の毛を太くしたり、薄毛の進行を遅らせたり、抜け毛を減らす効果などが期待できます。特に前頭部(生え際)よりも頭頂部に効きやすいことがわかっています。個人の体質や特徴などによって効果には差がございますので、少なくとも6ヶ月~1年程度は効果を確かめながらお試しください。また、上記の効果からAGA(男性型脱毛症)の症状だけでなく、FAGA(女性男性型脱毛症)にも効果が期待できます

ミノキシジルの作用機序

血管拡張作用

 ミノキシジルは、血管平滑筋細胞上のカリウムチャネルを刺激し、カルシウムイオンの流入を阻害することによって血管を拡張させる作用を引き起こします。この血管拡張作用により、毛根周囲の血流が増加し、栄養素や酸素が毛母細胞により効率的に供給されることが期待できます。

血管内皮増殖因子(VEGF)の産生増加

 ミノキシジルは、血管内皮増殖因子(VEGF)の産生を増加させる作用があるとされています。VEGFは血管新生を促進し、毛根周囲の血管の形成を促します。これにより、毛根に対する血流が増加し、毛母細胞が活性化され毛髪の成長が促進される事が期待できます。

毛母細胞アポトーシスの抑制

 アポトーシスとは「細胞死」と呼ばれるもので、細胞の寿命による死亡のことです。これが起こると毛周期の成長期が終り、退行期⇒休止期と移行していきます。これを抑制して、いってみれば「毛根の寿命を延ばす」ことでAGAに対抗する作用を起こすことが期待できます。

ミノキシジルの使用方法

 ミノキシジル外用薬を使用する際は、十分に吸収するよう予め頭皮を清潔にしておきます。そのため入浴後に使用するのがオススメです。適量を頭皮に塗布して、指の腹を使ってマッサージします。その際に、爪を立てたり過度にこすったりなどをしてしまうと頭皮が傷つき、かえって頭皮環境に悪影響を与えてしまう恐れがございますので、適度に実施するよう心掛けてください。育毛効果が現れるまでには数ヵ月かかりますので、根気強く継続使用をしていきましょう。なお、使用を中止してしまうと効果はリセットされ、ミノキシジルを使用していなかった状態に戻ってしまいますので、ご注意ください。ちなみに、ミノキシジルを1度使用した後に中止すると、リバウンド(=塗布前よりも余計に薄毛が進行してしまう)してしまうのではないかと心配される方がいらっしゃいますが、それは「塗布で維持や遅延させていた薄毛の進行が元に戻る = 急激に薄毛が進行した」と感じてしまうためであり、リバウンドとは異なります。

ミノキシジルの副作用

 ミノキシジルを使用した際にはいくつかの副作用が出る可能性があります。一般的な副作用は以下の通りです。副作用は必ず全ての方に現れるわけではありませんし、重篤な副作用が現れることは稀ですが、もし以下の症状が出るようであれば医師に相談するようにしましょう。

頭皮の発疹・発赤、痒み、かぶれ、ふけ、使用部位の熱感など

 一部の人々がかゆみや頭皮の乾燥を感じることがあります。これは血流の増加による一時的な反応であり、通常は問題ありませんが、ずっと持続する場合は医師に相談する必要があります。

頭痛、めまいなど

 血管拡張作用による血圧の変動や血流変化によって、頭痛やめまいなどの症状が起こる可能性があります。

心拍数の増加、胸の痛みなど

 血管拡張作用により、血圧が低下するため、交感神経は心拍数を増加させ、血圧を維持しようとします。その結果、一時的に心拍数が上昇することがあります(内服薬に比べて稀です)。心臓疾患や高血圧を持つ方は、この副作用に特に注意する必要があります。

浮腫み、体重増加など

 血管拡張作用によって、体内の液体が血管から組織や皮下組織に移動しやすくなり、浮腫みや体重増加などを引き起こす可能性があります。

まとめ

 ミノキシジルは、AGA・薄毛治療の一環として広く使用されている医学的にも効果が立証されているAGA治療薬です。薄毛の進行を遅らせたり、抜け毛を減らしたりという効果が期待できますが、個々の体質や状況によっては副作用が現れる場合があったり、効果には差があります。また、効果が出るまでには時間がかかり、薄毛の体質が劇的に改善されて髪の毛が急激にフサフサになるということではないので、予めご留意ください。
 紀尾井町クリニックでは、ミノキシジル外用薬をはじめとしたAGA治療薬から、自毛植毛まで幅広くAGA治療に対応しております。AGAのお悩みがございましたらお気軽にご相談下さい。

AGA治療・自毛植毛|紀尾井町クリニック 
医師 中島 陽太(国際毛髪外科学会 会員)