副作用

副作用とは、医薬品や外科的治療に伴い、本来の治療目的とは別に生じる生体反応や有害事象を指す医学用語である。

自毛植毛とAGA治療薬の副作用の分類

副作用は治療法の性質によって発生機序が異なる。自毛植毛は外科的手術であり、AGA治療薬は薬理作用を有する医薬品であるため、副作用の内容と機序は区別して整理される。

自毛植毛の副作用

自毛植毛では、ドナー採取およびスリット作成により頭皮に創部が形成される。主な副作用は外科的侵襲に伴う局所反応である。
代表的な所見として、腫れ、赤み、疼痛、内出血、かさぶた形成などが挙げられる。これらは炎症期にみられる創傷治癒過程の反応として整理される。
そのほか、感染、創部離開、瘢痕形成、感覚鈍麻などが報告されている。FUT法では線状瘢痕、FUE法では点状瘢痕が採取痕として形成される。
また、ショックロスと呼ばれる一時的な既存毛の脱落が生じることがある。これは外科的刺激に伴う毛周期変化として整理される現象である。

AGA治療薬の副作用

AGA治療薬には、フィナステリド、デュタステリド、ミノキシジルなどがある。
フィナステリドおよびデュタステリドは5α還元酵素を阻害し、ジヒドロテストステロン(DHT)生成を抑制する。このホルモン経路への作用に関連して、性機能関連症状や乳房症状などが報告されている。
ミノキシジル外用薬では、塗布部位のかゆみ、発赤、接触性皮膚炎などの局所反応がみられることがある。内服ミノキシジルでは循環器系への影響が指摘される場合がある。
これらは薬理作用や全身性作用に基づく副作用であり、外科的侵襲に伴う局所反応とは機序が異なる。

副作用と治療選択の位置づけ

自毛植毛の副作用は主に局所創傷反応に基づき、AGA治療薬の副作用は薬理作用に基づく全身性または局所性反応に分類される。
したがって、副作用は治療効果を示す概念ではなく、各治療法に伴うリスク管理の枠組みとして整理される用語である。

監修医師プロフィール

東邦大学医学部医学科卒業後、同大学附属病院泌尿器科に入局し、以降10年以上に渡り手術加療を中心に臨床に従事。男性型脱毛症(AGA)にも関連するアンドロロジー(男性学)の臨床に関わる。2021年より紀尾井町クリニックにて、自毛植毛を中心に薬物治療を組み合わせてAGA治療を行っている。著書として『薄毛の治し方』(現代書林社)を上梓。(詳細プロフィールはこちら

AGA治療・自毛植毛|紀尾井町クリニック東京本院 院長
日本泌尿器科学会専門医・同指導医
国際毛髪外科学会 会員
医師 中島 陽太

記事監修 中島医師

植毛・自毛植毛に関する総合的な情報については、植毛・自毛植毛の総合ページをご覧ください。

関連用語

前の記事
運動制限
次の記事
頭皮ケア