自毛植毛の歴史

日本では認知度の低い自毛植毛ですが、その歴史はかなり古く、1800年代から脱毛の治療に皮膚移植が提案され始めて、さまざまな手術方法が考案されてきました。

実は日本でも1930年代には、自毛植毛に関する優れた研究が行われましたが、戦争などの影響で世界に知られることはありませんでした。しかし、1939年に奥田正二医師が発表した研究の成果は、1959年にアメリカのノーマン・オレントライヒ博士が男性型脱毛症への手術治療法として発展させ、これが自毛植毛の幕開けとなりました。

そして1993年、アメリカで世界初の国際毛髪外科学会が開催され、その後、自毛植毛が世界的に広まりました。現在、世界的に行われている毛包単位植毛(FUT法)を提唱する初期の論文が出始めたのが1994~1995年で、それ以降、このFUT法が世界的に普及していきました。それ以前のフラップ手術やパンチグラフト法の不自然さが改良されて、一気に自然な仕上がりの植毛結果が実現できるようになったという意味で、当時は画期的な技術でした。

この毛包単位植毛(FUT法)は、現在も自毛植毛手術のゴールデン・スタンダード法として世界中で行われています。

米国内での植毛手術件数は年間10万件程度と報告されています。

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