自毛植毛の特徴

自毛植毛とは?

自毛植毛とは、自分自身の後頭部から側頭部の頭髪を採取し、薄毛が気になる部分に再分配する移植技術です。

後頭部から側頭部にかけての毛は、薄毛を誘発する男性ホルモンの影響を受けにくく、ほぼ一生太い髪のまま生え続けます。そして、薄くなった生え際などにこの部分の毛髪組織を移植した場合、移植先での環境に左右されず、後頭部と同じ髪が生えてきます。

将来薄毛が進行して、元々前頭部や頭頂部に生えていた髪がすべてうぶ毛になって見えなくなっても、後頭部に毛が生えている限り、植毛された毛も前頭部や頭頂部で生え続けます。
後頭部の毛のこうした特徴は、「ドナードミナント」と呼ばれます。

それを男性型脱毛症などの薄毛治療に利用したのが自毛植毛です。

自毛植毛の将来

紀尾井町クリニックグループでは、自然に生えている髪と同じような毛包単位の植毛を行っており、見た目が自然に仕上がるようになりました。

自毛植毛に残されている最大の課題は、採取できるドナーに限りがあるということです。この点に関しては、毛根の組織培養技術(クローン技術)が期待されており、現在盛んに研究が行われています。

効果の不確実性や安全性の確認など、さまざまな課題を乗り越えなければならず、実用化まではまだかなりの時間がかかりそうです。
それと平行して、自毛植毛の技術が今後も進歩していくことは間違いありません。

将来、組織培養技術が実用化された場合には、紀尾井町クリニックグループでも、このクローン技術を積極的に取り入れていく方針です。

診療ガイドライン

自毛植毛が薄毛治療の診療ガイドライン(日本皮膚科学会作成)で「勧められる」の評価となりました。

日本皮膚科学会が、薄毛・脱毛など「男性型脱毛症(AGA)」に関する初の診療ガイドラインをまとめました。

薬による治療や髪を植える植毛など10種類の対処法について学会として推奨できるかどうかを研究論文をもとに科学的根拠の有無を調査の上、5段階で評価しました。

当院が10年以上、専門で行なっている自毛植毛は上位2番目の「B(勧められる)」となりました。

日本皮膚科学会の診療ガイドライン

評価 内容 治 療
強く勧められる 飲み薬「フィナステリド」、塗り薬「ミノキシジル」
勧められる 自毛植毛
C1 考慮しても良いが十分な根拠がない 育毛剤「アデノシン」など
C2 根拠がないので勧めらない 飲み薬「セファランチン」
行なわないよう勧められる 人工毛植毛
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