植毛費用を比較するときの注意点|見積もり・内訳・必要株数の確認方法【医師監修】

自毛植毛の費用について【医師監修】

結論サマリー 

 自毛植毛を検討する際、費用は重要な判断材料のひとつです。
 ただし、料金表に記載された「1あたりの料金」や「○株の費用」だけでは、実際の治療内容や最終的な支払総額まで判断できない場合があります。
 自毛植毛は自由診療のため、料金体系はクリニックによって異なります。基本料金や手術費の有無、株数ごとの移植費、検査代、薬代、再診料、術後の相談費用など、料金に含まれる内容も一律ではありません。
 また、同じ株数であっても、移植する範囲、希望する植毛密度、既存毛の状態、採用する術式によって、期待できる見た目の変化は異なります。
 クリニックを選ぶ際は、費用だけでなく、医師や看護師、医療機関の自毛植毛に関する経験、提案される治療計画、ドナー部への配慮、術後の診察・相談体制なども判断材料になります。
 そのため、植毛費用を比較するときは、表示された金額の安さだけでなく、その費用で受けられる治療内容と、治療を行う医療機関の体制をあわせて確認することが大切です。

【植毛費用を確認するときの要点】
・料金は株数・術式・料金体系によって変わる
・見積もりは総額と内訳を確認する
・必要株数の根拠と移植範囲を確認する
・同じ株数でも範囲や密度によって見え方が異なる
・追加費用やモニター条件を確認する
・ドナー部・AGA進行・追加植毛まで含めて計画する
・費用だけでなく、経験・治療計画・術後対応も確認する 

 本コラムでは、植毛の料金表や見積もりを見る際に、金額とあわせて確認したい項目を解説していきます。
 紀尾井町クリニックの最新の植毛料金、料金の計算方法、FUT法FUE法の料金、株数別・部位別の費用例については、公式の「植毛の費用・料金」ページをご確認ください。

目次

植毛料金を比較する前に知っておきたい基本

 自毛植毛の料金を比較する際は、表示されている金額だけでなく、その料金がどのような治療内容を前提としているのかを確認することが大切です。
 自毛植毛は自由診療のため、料金の計算方法や費用に含まれる項目はクリニックによって異なります。
 また、同じ株数を移植する場合でも、移植する範囲、既存毛の状態、目標とする密度、採用する術式などによって、治療内容や期待できる見た目の変化は異なります。
 そのため、「1株あたりの料金」や「○株の費用」だけでは、複数の料金や見積もりを正確に比較できない場合があります。

料金の計算方法はクリニックによって異なる

 自毛植毛の料金体系には、主に次のような違いがあります。

・基本料金や手術費・移植費などが設定されている
・移植する株数に応じて料金が加算される
・FUT法やFUE法など、術式によって料金が異なる
・株数や部位ごとのプラン料金が設定されている
・検査代、薬代、麻酔代、再診料などが別途必要になる

 たとえば、1株あたりの料金が低く見えても、基本料金や検査代などを加えると、最終的な総額が想定より高くなることがあります。
 反対に、表示されている料金に、手術に必要な費用や術後の診察費用などが含まれている場合もあります。料金を比較する際は、料金表の一部分だけでなく、総額がどのような計算で決まるのかまで把握する必要があります。

同じ株数でも移植範囲によって見え方が異なる

 自毛植毛では、移植する毛包の単位を一般的に「株」または「グラフト」と呼びます。
 移植株数は費用に大きく関係しますが、同じ株数を移植すれば、同じ見た目になるわけではありません。
 たとえば、同じ1,000株でも、M字部分などの限られた範囲へ集中して移植する場合と、前頭部全体へ広く配分する場合では、移植後の密度感が異なります。
 また、既存毛の量、髪の太さ、毛流れ、目標とする密度などによっても、同じ株数で期待できる変化は異なります。

 株数別の費用を見る際は、次の項目も比較条件として整理します。

・どの部位へ移植するのか
・どこからどこまでを移植範囲とするのか
・その範囲へ何株を配分するのか
・どの程度の密度や変化を目指すのか

 必要株数は、薄毛部分の面積だけで一律に決まるものではありません。具体的な株数は、既存毛やドナー部の状態、希望する仕上がりなどを確認したうえで判断されます。

術式によって料金が異なる場合がある

 自毛植毛には、主にFUT法とFUE法があります。
 FUT法とFUE法では、ドナー部から毛包を採取する方法や手術工程が異なるため、1株あたりの料金や手術費が異なる場合があります。
 また、FUE法でも、ドナー部の髪を刈って採取する方法と、髪を大きく刈らずに採取する方法で料金が変わることがあります。

術式採取方法料金設定の例
FUT法後頭部側頭部の頭皮を帯状に採取し、毛包単位に分けるFUE法より1株あたりの料金が低く設定される傾向がある
FUE法(刈る方法)ドナー部の髪を短く刈り、毛包を一つずつ採取するFUT法より高く設定される傾向がある
FUE法(刈らない方法)ドナー部の髪を大きく刈らず、毛包を一つずつ採取する刈るFUE法より高く設定される傾向がある

※術式の名称、採取方法、料金設定はクリニックによって異なります。

 ただし、術式は料金の安さだけで選ぶものではありません。必要株数、ドナー部の状態、傷跡の残り方、希望する髪型、将来的な追加植毛などを踏まえ、適した術式を検討することが大切です。
 FUT法とFUE法の採取方法や傷跡などの詳しい違いについては、「FUT法とFUE法の違い」も併せてご参照ください。

1株あたりの料金ではなく最終的な総額を比較する

 植毛料金は、同じ株数と術式を前提とした最終的な総額で比較します。
 少なくとも、次の条件をそろえて比較する必要があります。

・移植する株数
・採用する術式
・基本料金や手術費の有無
・検査代や薬代などの扱い
・追加費用が発生する条件
・最終的な支払総額

 同じ「1,000株」という料金表示でも、術式や料金に含まれる項目が異なれば、同じ条件での比較にはなりません。
 料金の安さや1株単価だけで判断せず、その金額でどのような治療を受けるのかを確認することが大切です。

植毛の見積もりで確認すべき項目 

 自毛植毛の見積もりを確認するときは、提示された金額だけでなく、その金額に含まれる費用と、前提となる治療内容を確認することが大切です。
 同じ金額の見積もりでも、移植する株数、対象範囲、術式、追加費用の条件などが異なれば、同じ内容の治療とはいえません。

複数のクリニックを比較する場合は、少なくとも次の項目をそろえて確認しておきましょう。

確認項目確認したい内容
移植予定株数何株を移植する計画か
株数の根拠なぜその株数が必要なのか
移植範囲どの部位をどこまで対象とするか
株数の配分部位ごとに何株ずつ移植するか
術式FUT法・FUE法など、どの方法で行うか
費用の内訳手術費、移植費、検査代、薬代など
追加費用どのような場合に費用が増える可能性があるか
術後の対応再診や相談、処置に費用がかかるか
支払い条件予約金、キャンセル料、分割手数料など
最終的な総額必要な費用を含めて最終的にいくら支払うか

見積もりの総額と費用の内訳を確認する

 自毛植毛の料金体系は、クリニックによって異なります。基本料金や手術費に、移植する株数に応じた費用を加算する場合もあれば、株数別のプラン料金が設定されている場合もあります。

見積もりには、主に次のような費用が関係します。

費用項目内容
基本料金・手術費株数にかかわらず発生する基本的な費用
移植費移植する株数や術式に応じて発生する費用
術前検査代血液検査など、手術前の検査にかかる費用
麻酔代局所麻酔などにかかる費用
薬代術前・術後に処方される薬の費用
再診・処置費術後の診察や処置にかかる費用
その他の費用予約金、キャンセル料、支払い手数料など

 これらがすべて表示料金に含まれている場合もあれば、一部が別途必要になる場合もあります。 見積書では、手術を受けるために最終的に必要となる総額が明記されているかを見ます。

提示された株数と移植範囲を確認する

 植毛費用は、移植する株数によって大きく変わります。そのため、見積もりに記載された株数だけでなく、なぜその株数が必要なのかを確認することが重要です。

 見積もりでは、次の内容を確認しましょう。

・どの部位へ移植するための株数か
・どこからどこまでを移植範囲とするのか
・その株数でどの程度の密度を目指すのか
・どの部位を優先するのか
・希望する仕上がりに対して十分な株数か

 たとえば、同じ1,000株でも、M字部分などの狭い範囲へ集中して移植する場合と、前頭部全体へ広く配分する場合では、移植後の密度感が異なります。
 見積もり時には、移植する範囲を図や写真などで確認し、その範囲に対する株数と配分の根拠について説明を受けることが大切です。

提案された術式とその理由を確認する

 FUT法とFUE法では、毛包の採取方法、傷跡の残り方、料金などが異なります。
 また、FUE法でも、ドナー部の髪を刈る方法と、髪を大きく刈らずに採取する方法で料金が異なる場合があります。

 提案された術式については、次の点の説明を受けておく必要があります。 

・どの術式を行う予定か
・なぜその術式が提案されたのか
・別の術式を選択できるか
・術式を変更すると総額はいくら変わるか
・ドナー部をどの程度刈る必要があるか
・傷跡はどのように残る可能性があるか
・将来の追加植毛にどのような影響があるか

 術式は、料金だけで選ぶものではありません。
 必要株数、薄毛の範囲、ドナー部の状態、希望する髪型、傷跡への考え方、将来を見据えた計画などを踏まえ、提案された理由を確認しましょう。
 FUT法とFUE法の詳しい違いについては、「FUT法とFUE法の違い」も併せてご参照ください。

追加費用が発生する条件を確認する

 見積もりを受け取った時点では含まれていなくても、条件によって費用が変わる場合があります。

 たとえば、次のようなケースが考えられます。

・診察後に移植株数が変更された
・術式やプランを変更した
・追加の検査や薬が必要になった
・術後に追加の診察や処置が必要になった
・予約日を直前に変更またはキャンセルした
・医療ローンや分割払いを利用した

 追加費用については、発生する可能性があるかだけでなく、どのような場合に、どのような計算で加算されるのかまで確認することが大切です。特に、予定株数を超えて移植する可能性がある場合は、株数が増えたときの計算方法を確認しておきましょう。

ドナー部の採取計画を確認する

 見積もりでは、移植する部分だけでなく、毛包を採取するドナー部の計画も確認する必要があります。
 自毛植毛に使用できるドナー毛には限りがあります。現在の手術で多くの毛包を使用すると、将来的に追加植毛が必要になった場合の余力が少なくなる可能性があります。

 ドナー部の採取計画では、次の点が判断材料となります。 

・提案された株数を無理なく採取できるか
・どの範囲から採取する予定か
・採取後の傷跡はどのように見える可能性があるか
・採取後に密度低下が目立つ可能性はあるか
・過去の植毛歴が採取計画に影響しないか
・将来の追加植毛に必要な毛包を残せるか

 希望する株数を採取できるかだけでなく、採取後のドナー部の見え方と、将来的な余力まで含めて確認することが重要です。

術後の診察や相談にかかる費用を確認する

 自毛植毛後には、赤み腫れかさぶた、一時的な脱落などがみられることがあります。
 また、移植毛が成長するまでには時間がかかるため、経過中に不安を感じる場合もあります。

 見積もり時には、術後の対応について次の点を確認しましょう。

・術後の経過確認は必要か
・抜糸のための通院が必要か
・再診に費用がかかるか
・不安な症状が出た場合に相談できるか
・電話や画像などによる相談に対応しているか
・追加の薬や処置が必要になった場合の費用
・遠方から手術を受けた場合の相談方法

 手術当日の料金だけでなく、術後にどのような診察や相談を受けられるかも含めて確認しましょう。

支払い方法と総支払額を確認する

 植毛費用はまとまった金額になる場合があるため、支払い方法についても確認しておく必要があります。医療ローンや分割払いを利用する場合は、毎月の支払額だけでなく、金利や手数料を含めた総支払額を確認しましょう。

あわせて、次の内容も確認します。

・予約金や前金の有無
・支払いの時期
・利用できる支払い方法
・分割回数
・金利や分割手数料
・予約変更やキャンセルの条件
・キャンセルした場合の返金条件

 料金表に掲載された手術費用と、分割払いを利用した場合の総支払額は異なる場合があります。

見積もり内容は後から確認できるようにする

 見積もりや説明を受けた内容は、後から確認できるように整理しておきましょう。
 特に、次の内容を確認できる状態にしておくと、複数のクリニックを比較しやすくなります。

・見積もり総額
・移植予定株数
・移植範囲
・採用する術式
・費用の内訳
・追加費用が発生する条件
・支払い方法
・予約変更やキャンセルの条件
・術後の診察や相談の扱い

 書面やデータ、手元のメモなどで内容を整理し、不明な点がある場合は、契約や手術日の予約を行う前に確認しましょう。
 紀尾井町クリニックの料金体系、FUT法・FUE法の料金、株数別の費用例、支払い方法については、公式の「植毛の費用・料金」ページをご確認ください。

植毛の見積もり額が人によって異なる理由 

 自毛植毛の費用は、すべての方に同じ金額が当てはまるものではありません。
 料金ページでは、術式ごとの1株あたりの料金や、500株、1,000株、2,000株といった株数別の費用例を確認できます。しかし、実際に必要となる株数や治療内容は、薄毛の範囲、希望する仕上がり、既存毛やドナー部の状態などによって異なります。
 そのため、同じクリニックで同じ術式を選んだ場合でも、個別の見積もり額には差が生じます。

見積もり額に影響する主な要素は、次のとおりです。

要素見積もり額に影響する理由
移植する範囲範囲が広くなるほど、必要株数が増える場合がある
目標とする密度同じ範囲でも、目指す密度によって必要株数が変わる
植毛する部位生え際、前頭部、頭頂部などで株数の配分や設計が異なる
既存毛の状態既存毛の量や細毛化の程度によって補い方が変わる
髪質や毛の太さ同じ株数でも見た目の密度感が異なる
術式FUT法やFUE法など、採取方法によって料金が異なる場合がある
ドナー部の状態採取できる株数や適した採取方法が変わる
将来の治療計画AGAの進行や追加植毛を考慮して株数を配分する必要がある

監修医の視点|必要株数を検討するときの基本的な順序

 必要株数は、薄毛部分の面積だけをもとに一律に決めるものではありません。実際の治療計画では、移植を希望する範囲だけでなく、既存毛やドナー部の状態、希望するデザイン、将来的な薄毛の進行などを順に整理しながら検討していきます。

  1. 薄毛の範囲と進行状況を確認する
  2. 既存毛の量、細毛化の程度、髪質を確認する
  3. 希望する生え際のデザインや、優先して改善したい部位を整理する
  4. 目標とする密度をもとに、必要株数の目安を算出する
  5. ドナー部から無理なく採取できる株数と、適した術式を検討する
  6. 将来のAGA進行や追加植毛の可能性を踏まえ、部位ごとの株数配分を調整する

 たとえば、移植を希望する範囲から計算した株数を、ドナー部から無理なく確保できるとは限りません。
 また、現在薄く見えている部分だけに多くの株数を使用すると、将来AGAが進行した際に、不自然に見えたり、追加植毛へ使用できるドナー毛が不足する可能性があります。
 そのため、必要株数は「希望する範囲に何株必要か」だけでなく、「現在のドナー部から何株を採取でき、将来を考慮してどう再配置し、どの程度残す必要があるか」という両方の観点から検討します。
 こうした将来を見据えた治療計画やドナー毛の採取・温存計画は、現在の状態と将来的な薄毛の進行を踏まえて、個別に検討する必要があります。

移植する範囲と目標とする密度によって必要株数が変わる

 植毛費用に大きく関係するのが、移植する株数です。一般的には、移植する範囲が広くなるほど、多くの株数が必要になる可能性があります。ただし、必要株数は移植面積だけで決まるものではありません。
 同じ範囲へ植毛する場合でも、広い範囲を控えめにカバーするのか、範囲を絞って密度を高めるのかによって、株数の配分は異なります。
 たとえば、同じ1,000株でも、M字部分などの限られた範囲へ集中して移植する場合と、前頭部全体へ広く配分する場合では、移植後の密度感が変わります。

見積もりでは、次の内容を確認しましょう。

・どの部位を移植範囲とするのか
・どこからどこまでを対象とするのか
・どの部位を優先するのか
・どの程度の密度を目指すのか
・その株数でどの程度の変化を想定しているのか

 「何株を移植するか」だけでなく、その株数をどの範囲へどのように配分するかが、治療計画を判断する中心となります。 

既存毛の状態や髪質によって見え方が変わる

 必要株数を考える際は、移植する部分にもともと生えている既存毛の状態も重要です。
 既存毛が多く残っている場合は、移植毛と既存毛が重なることで、比較的少ない株数でも見た目の変化を感じやすい場合があります。
 一方、既存毛が少ない場合や細毛化が進んでいる場合は、同じ範囲でも、より多くの株数が必要になることがあります。

また、次のような髪の特徴によっても、地肌の見え方は変わります。

・毛の太さ
・髪の色と頭皮の色の差
・直毛か、くせ毛
・毛流れ
・1株に含まれる毛髪本数

 同じ株数を移植しても、すべての方が同じ密度感になるわけではありません。株数別の費用例だけを見て仕上がりを判断せず、既存毛や髪質を踏まえた説明を受けることが大切です。

植毛する部位によって株数の使い方が変わる

 生え際、M字部分、前頭部、頭頂部では、必要株数や株数配分の考え方が異なります。

植毛する部位株数や費用を考える際のポイント
生え際・M字部分ヘアラインの位置や形によって移植面積が変わる
前頭部既存毛の量や細毛化の程度によって必要な補い方が変わる
頭頂部移植範囲が広くなりやすく、同じ株数でも毛包が分散しやすい
前頭部から頭頂部までどの部位を優先するかによって株数配分が変わる
眉毛・ヒゲ・傷跡など小範囲でも基本料金や部位別料金が設定される場合がある

生え際・M字部分

 生え際やM字部分では、単に薄い部分へ毛包を移植するだけでなく、ヘアラインの位置、形、左右差、毛の向き、既存毛とのつながりなどを考慮します。
 M字部分の一部を補う場合と、生え際全体を下げる場合では移植面積が異なるため、必要株数と費用も変わります。

前頭部

 前頭部では、既存毛がどの程度残っているか、細毛化がどの程度進んでいるかによって、必要な株数が変わります。
 また、前頭部全体へ株数を広く配分する場合と、地肌が目立つ部分を優先して移植する場合では、同じ株数でも仕上がりの印象が異なります。

頭頂部

 頭頂部は、つむじを中心として毛が放射状に広がる部位です。
 上方から光が当たりやすく、薄毛の範囲も広くなりやすいため、生え際やM字部分と比べて、同じ株数でも見た目の変化を感じにくい場合があります。
 頭頂部の見積もりでは、薄毛の範囲だけでなく、つむじ周辺のどこを優先するのか、前頭部と頭頂部のどちらへ株数を多く配分するのかを確認しましょう。

広範囲の薄毛

 前頭部から頭頂部まで薄毛が広がっている場合、すべての範囲を一度に高い密度でカバーすることが難しい場合があります。

その場合は、次のような治療計画が検討されます。

・生え際や前頭部を優先する
・正面から見えやすい範囲を優先する
・広い範囲を控えめな密度でカバーする
・複数回に分けて植毛する
・既存毛の維持を目的としてAGA治療薬を検討する

 同じ総株数でも、どの部位を優先するかによって、見た目の印象と費用の考え方は変わります。

株数別の費用例は予算を考えるための目安

 料金ページに掲載されている500株、1,000株、2,000株などの費用例は、おおよその予算を確認するうえで参考になります。
 ただし、掲載されている株数や金額が、そのままご自身の治療内容や見積もりに当てはまるとは限りません。

株数別の費用例は、次のような条件を前提として計算されています。

・選択する術式
・基本料金や手術費
・1株あたりの料金
・検査代や薬代の扱い
・モニター料金などの適用条件

 また、クリニックによっては「株」ではなく、移植する毛髪の本数やプラン名で料金を表示している可能性もあります。
 株は毛包の単位であり、毛髪本数と同じ意味ではありません。異なる単位で表示された料金を、そのまま比較しないよう注意が必要です。
 株数別の費用例は、最終的な見積もり額ではなく、予算を考えるための基準として利用します。
 500株、1,000株、2,000株など、それぞれの株数で検討される範囲や治療計画については、次の解説も併せてご参照ください。

・「植毛500株でできることは?範囲・費用・向いているケースを解説
・「植毛1,000株でできることは?範囲・費用・向いているケースを解説
・「植毛2,000株でできることは?範囲・費用・向いているケースを解説

ドナー部の状態と将来のAGA進行も見積もりに影響する

 自毛植毛では、主に後頭部や側頭部から毛包を採取します。ただし、ドナー部から採取できる毛包には限りがあります。ドナー部の毛量や密度、髪質、頭皮の状態、過去の植毛歴、傷跡の有無などによって、採取できる株数や適した術式は変わります。
 希望する範囲に多くの株数を移植したい場合でも、ドナー部の状態によっては、希望する株数を一度に採取できないことがあります。

その場合は、次のような調整を検討します。

・移植する範囲を絞る
・部位ごとの優先順位を決める
・移植密度を調整する
・複数回に分けて植毛する
・別の術式を検討する

 また、自毛植毛はAGAそのものの進行を止める治療ではありません。
 移植していない既存毛は、植毛後もAGAの影響を受ける可能性があります。そのため、現在薄く見えている範囲だけを基準に株数を決めるのではなく、将来的な薄毛の進行や追加植毛の可能性も考慮する必要があります。

見積もりでは、次の点も確認しましょう。

・提案された株数をドナー部から無理なく採取できるか
・採取後のドナー部の見え方に問題がないか
・将来の追加植毛に必要な毛包を残せるか
・既存毛が薄くなった場合にどのように対応するか
・AGA治療薬の使用を検討する必要があるか

 短期的な費用だけではなく、ドナー部の状態と将来の治療計画まで含めて見積もりを確認することが大切です。
 なお、最大限にドナーを活用したい場合は、ひとつの参考として植毛を行うときにFUT法とFUE法のどちらを最初に行うべきかを併せてご覧ください。
 紀尾井町クリニックの料金体系、株数別・部位別の費用例については、公式の「植毛の費用・料金」ページをご確認ください。

FUT法とFUE法の料金を比較するときの注意点 

 自毛植毛では、FUT法とFUE法で料金が異なる場合があります。
 また、FUE法でも、ドナー部の髪を短く刈って採取する方法と、髪を大きく刈らずに採取する方法では、料金設定が異なることがあります。
 ただし、術式ごとの料金を比較するときは、1株あたりの金額だけで判断することはできません。
 毛包の採取方法、必要株数、ドナー部の状態、傷跡の残り方、希望する髪型、将来の追加植毛などを踏まえ、料金と治療内容をあわせて確認する必要があります。

同じ株数でも術式によって総額が異なる

 自毛植毛の費用は、移植する株数と採用する術式によって変わる場合があります。
 そのため、同じ1,000株を移植する場合でも、FUT法、髪を刈るFUE法、髪を大きく刈らないFUE法では、最終的な総額が異なることがあります。

術式別料金は、次の条件をそろえたうえで比較します。 

・移植する株数
・基本料金や手術費
・1株あたりの料金
・ドナー部をどの程度刈るか
・検査代や薬代の扱い
・術後の診察や相談にかかる費用
・最終的な支払総額

 一方の術式で1株あたりの料金が低くても、基本料金や提案される株数、費用に含まれる項目が異なれば、総額を単純に比較することはできません。

FUT法とFUE法では採取方法が異なる

 FUT法とFUE法では、ドナー部から毛包を採取する方法が異なります。

術式主な採取方法料金を比較するときのポイント
FUT法後頭部や側頭部の頭皮を帯状に採取し、毛包単位に分ける確保できる株数、線状の傷跡、縫合方法
FUE法パンチ器具を使い、毛包を一つずつ採取する採取範囲、点状の瘢痕、ドナー部の密度への影響
髪を大きく刈らないFUE法周囲の髪を大きく刈らず、毛包を個別に採取する刈る方法との料金差、採取できる株数、手術工程

※術式の名称、採取方法、料金設定はクリニックによって異なります。

 FUT法は、比較的まとまった株数が必要な場合に検討されることがあります。一方で、採取した部分を縫合するため、後頭部や側頭部に線状の傷跡が残ります。
 FUE法は、毛包を一つずつ採取する方法です。ドナー部には、パンチ採取に伴う小さな点状の瘢痕が分散して残り、採取するほどドナー部の密度が低くなっていきます。見え方は、採取数、採取範囲、髪の長さ、治癒経過などによって異なります。
 髪を大きく刈らないFUE法は、刈るFUE法より料金が高く設定される場合があります。ただし、髪を大きく刈らない方法であっても、傷跡は刈る方法同様に残ります。

料金だけで術式を選ばない

 FUT法とFUE法は、料金の高低だけで選ぶものではありません。
 たとえば、FUT法の料金が比較的抑えられていても、線状の傷跡や術後の過ごし方が希望に合わない場合があります。
 一方、FUE法の料金が高く設定されていても、希望する株数を無理なく採取できるとは限りません。多くの株数を採取する場合は、採取範囲や採取密度によって、ドナー部の密度低下が目立つ可能性も考慮する必要があります。

 術式を検討する際は、次の点を確認しましょう。

・必要な株数を確保できるか
・ドナー部から無理なく採取できるか
・傷跡はどのように残る可能性があるか
・希望する髪型で傷跡を隠せるか
・ドナー部をどの程度刈る必要があるか
・将来の追加植毛に必要な毛包を残せるか

 料金が低い術式がすべての方に適しているわけではなく、料金が高い術式を選べば希望する結果が保証されるわけでもありません。
 現在の薄毛の状態、必要株数、ドナー部の状態、希望する髪型などを踏まえて検討することが大切です。

提案された術式の理由と料金差を確認する

 診察やカウンセリングで術式を提案された場合は、なぜその方法が適していると判断されたのかを確認しましょう。

主な確認事項は次のとおりです。

・なぜFUT法またはFUE法が提案されたのか
・別の術式を選択できるか
・術式を変更すると総額はいくら変わるか
・採取できる株数にどのような違いがあるか
・傷跡はどのように残る可能性があるか
・将来の追加植毛にどのような影響があるか
・FUE法の場合、髪を刈る方法と大きく刈らない方法のどちらが適しているか

 単に「料金が安いから」「髪を刈らなくてよいから」という理由だけではなく、提案された術式が必要株数やドナー部の状態に合っているかを確認することが重要です。
 FUT法とFUE法の採取方法、傷跡、向いているケースなどの詳しい違いについては、「FUT法とFUE法の違い」も併せてご参照ください。
 紀尾井町クリニックのFUT法・FUE法の具体的な料金については、公式の「植毛の費用・料金」ページをご確認ください。

安い植毛費用・モニター料金を見るときの注意点 

 自毛植毛を調べていると、「低価格」「モニター料金」「期間限定割引」などの案内を目にすることがあります。
 費用を抑えられることは、治療を検討するうえでメリットになる場合があります。また、料金が安いからといって、必ずしも治療内容に問題があるとは限りません。
 一方で、表示されている料金がすべての方に適用されるとは限らず、対象となる株数、術式、日程、モニター条件などが定められている場合があります。
 安い料金や割引料金では、適用条件と実際に受けられる治療内容をセットで見ます。 

料金の安さや高さだけでは治療内容を判断できない

 自毛植毛の料金は、移植する株数、術式、料金体系、割引条件などによって異なります。
 そのため、料金が比較的安いから適切ではない、反対に料金が高いから優れていると一律に判断することはできません。

費用が低く設定される理由には、例えば次のようなものがあります。

・対象となる株数や術式が限定されている
・特定の日程や曜日のみ適用される
・ドナー部の髪を刈る方法に限定されている
・症例写真などを提供するモニター料金である
・基本料金や検査代、薬代などが別料金になっている
・一定の条件を満たした方だけが対象となる

 一方、料金が高く設定されていても、希望する範囲や密度、将来のAGA進行を踏まえた治療計画になっているとは限りません。
 重要なのは、料金の高低ではなく、その費用でどのような治療を受けられるのかを確認することです。

安い料金が適用される条件を確認する

 広告や料金ページに低い金額が表示されていても、その金額がすべての治療に適用されるとは限りません。

主な確認事項は次のとおりです。

確認項目確認したい内容
対象となる株数何株まで、または何株以上が対象か
対象となる術式FUT法、FUE法など、どの方法に適用されるか
採取方法ドナー部の髪を刈る方法に限定されていないか
対象となる部位生え際や頭頂部など、部位に制限があるか
日程の条件特定の曜日や期間のみ適用されるか
対象者の条件初回手術や特定の症例だけが対象ではないか
別途費用検査代、薬代、再診料などが別に必要か
通常料金との差条件を満たさなかった場合はいくらになるか

 安く見える料金が、ご自身に必要な株数や術式を前提とした金額とは限りません。
 たとえば、少ない株数を前提としたプランであれば総額は低くなりますが、希望する範囲をカバーするために株数を追加すると、最終的な総額が変わることがあります。
 割引料金を見るときは、自分が適用条件を満たしているか、条件から外れた場合にいくらになるのかまで確認しましょう。

モニター料金は写真や動画の使用条件を確認する

 モニター料金では、手術前後の症例写真や動画を、公式サイト、SNS、広告などで使用することを条件として、通常より低い料金が設定される場合があります。

料金だけで判断せず、次の内容を確認しましょう。

・顔全体が掲載される可能性があるか
・頭部のみの掲載か
・写真と動画のどちらが使用されるか
・公式サイト、SNS、広告など、どこで使用されるか
・氏名、年齢、職業などが掲載される可能性があるか
・手術後に何回の撮影や来院が必要か
・途中で辞退できるか
・辞退した場合に通常料金との差額が発生するか

 症例写真や動画は、一度インターネット上に公開されると、転載や保存などによって完全な回収が難しくなる可能性があります。
 割引額だけでなく、公開される範囲や使用期間に納得できるかを確認したうえで慎重に判断することが大切です。

安い料金でも必要株数とドナー部の計画を確認する

 低い料金で多くの株数を移植できる場合でも、その株数が希望する治療に必要か、ドナー部から無理なく採取できるかを確認する必要があります。
 多くの株数を移植すれば、必ず希望する仕上がりになるわけではありません。
 また、後頭部や側頭部から採取できるドナー毛には限りがあります。特にFUE法で多くの株数を採取する場合は、採取範囲や採取密度によって、ドナー部の毛量低下が目立つ可能性があります。

確認したい内容は、次のとおりです。

・表示料金は何株の費用か
・その株数をどの範囲へ移植するのか
・希望する範囲や密度に対して十分な株数か
・提案された株数をドナー部から無理なく採取できるか
・採取後の傷跡や密度低下が目立つ可能性はあるか
・将来の追加植毛に必要な毛包を残せるか
・FUT法を含め、ほかの採取方法も検討する必要があるか

 料金を抑えることだけでなく、移植部とドナー部の両方を考慮した治療計画になっているかを確認しましょう。

海外の植毛費用は渡航費や術後対応まで含めて比較する

 海外のクリニックでは、国内より低い植毛料金が表示されていることがあります。
 ただし、国内と海外の料金を比較する場合は、手術料金だけでなく、渡航から帰国後の対応まで含めて考える必要があります。

確認したい費用や条件には、次のようなものがあります。

・渡航費
・宿泊費
・現地での移動費
・通訳費
・術前検査の費用
・薬代や術後処置の費用
・帰国後の診察や相談方法
・合併症などが生じた場合の対応
・再診のために再度渡航する場合の費用
・キャンセルや日程変更の条件

 帰国後に赤み、腫れ、痛み、出血などが続いた場合でも、手術を受けた医療機関へすぐに受診できない可能性があります。
 海外での植毛を検討する場合は、現地での手術料金だけでなく、術後に誰へ相談できるのか、帰国後に診察や処置が必要になった場合にどのように対応するのかを含めて十分に確認しておきましょう。

費用と治療内容を同じ条件で比較する

 複数の料金や見積もりを比較するときは、金額だけを並べるのではなく、治療条件をそろえて確認することが大切です。

比較項目確認したい内容
移植株数同じ株数で比較しているか
移植範囲対象となる部位や面積が同じか
術式FUT法、FUE法など、どの方法か
割引条件モニターや日程などの条件があるか
費用の内訳手術費、検査代、薬代などが含まれているか
術後対応再診や相談に対応しているか
最終的な総額必要な費用をすべて含めていくらか

 同じ「1,000株」という料金でも、術式、移植範囲、割引条件、費用に含まれる項目が異なれば、同じ条件での比較にはなりません。
 安いか高いかだけではなく、必要株数の根拠、術式、ドナー部の採取計画、術後の対応、そしてクリニックとしての実績や経験まで含め、ご自身の希望に合った治療内容かを確認することが大切です。

自毛植毛とAGA治療薬の費用は分けて考える 

 自毛植毛を検討する際は、手術にかかる費用と、AGA治療薬を継続して使用する場合の費用を分けて考えることが大切です。
 自毛植毛とAGA治療薬は、どちらも薄毛に対して用いられる治療ですが、目的や対象となる毛髪が異なります。
 自毛植毛は、主に後頭部や側頭部から採取した毛包を、薄毛が気になる部分へ移植する外科的治療です。
 一方、AGA治療薬は、主に現在生えている既存毛の維持や、薄毛の進行抑制などを目的として使用されます。
 そのため、植毛を受ければAGA治療薬が必ず不要になるわけではなく、反対にAGA治療薬を使用すれば自毛植毛と同じ変化が得られるわけでもありません。

自毛植毛とAGA治療薬は役割が異なる

 自毛植毛では、AGAの影響を比較的受けにくいとされる後頭部や側頭部の毛包を、薄毛部分へ移植します。
 ただし、自毛植毛はAGAそのものの進行を抑える治療ではありません。移植していない既存毛は、植毛後もAGAの影響を受け、細くなったり抜けたりする可能性があります。

AGA治療薬は、こうした既存毛の維持や薄毛の進行抑制などを目的として使用されます。

治療方法主な役割主な対象
自毛植毛毛包を薄毛部分へ移動し、毛の生える範囲を補う生え際、前頭部、頭頂部などの移植部分
AGA治療薬薄毛の進行抑制や既存毛の維持などを図る移植していない既存毛を含む、AGAの影響を受ける部分

 費用を比較するときは、金額だけでなく、それぞれの治療がどの部分に対して、何を目的として行われるのかを理解することが重要です。

自毛植毛は手術時にまとまった費用がかかる

 自毛植毛では、手術費や移植する株数に応じた費用が、手術時にまとまって発生します。費用は、主に移植株数、術式、基本料金や手術費、検査代などによって異なります。
 自毛植毛は、移植した毛包を維持するために、同じ手術費用を毎月支払い続ける治療ではありません。
 ただし、植毛後に既存毛の薄毛が進行した場合や、初回の手術で対応しなかった範囲を補いたい場合には、将来的に追加植毛を検討することがあります。
 そのため、初回の手術費用だけでなく、追加植毛の可能性も含めて長期的な治療計画を確認しておくことが大切です。

AGA治療薬は継続的な費用になる場合がある

 AGA治療薬は、一定期間継続して使用する場合があります。
 そのため、1か月分の料金だけでなく、治療を続けた場合の年間費用や、診察・検査を含めた総額を確認しておく必要があります。

AGA治療に関係する費用には、主に次のようなものがあります。

・診察料
・内服薬の費用
・外用薬の費用
・血液検査などの検査費用
・薬の配送費用
・定期的な診察にかかる費用

 診察料や検査代が薬代に含まれている場合もあれば、別途必要になる場合もあります。
 AGA治療薬の費用を確認するときは、月額料金だけではなく、一定期間継続した場合の総額で考えましょう。

植毛後もAGA治療薬を検討する場合がある

 植毛後にAGA治療薬を使用するかどうかは、既存毛の状態、AGAの進行状況、年齢、健康状態などを踏まえて個別に判断されます。
 たとえば、移植部分の周囲に既存毛が多く残っている場合、その既存毛が将来的に細くなると、移植毛は残っていても周囲が薄く見える可能性があります。
 こうした変化を抑える目的で、植毛後もAGA治療薬の使用を検討する場合があります。
 ただし、すべての方にAGA治療薬が必要になるわけではありません。また、AGA治療薬には副作用や使用上の注意点があり、健康状態などによって使用できない場合もあります。

使用を検討する際は、次の内容について医師から説明を受けましょう。

・使用する目的
・期待できる効果
・起こり得る副作用
・使用を想定する期間
・定期的な診察や検査の必要性
・薬代を含めた継続的な費用

植毛前にAGA治療薬を検討する場合もある

 既存毛の細毛化が進んでいる場合や、AGAの進行が続いていると考えられる場合は、自毛植毛を行う前にAGA治療薬の使用を検討することがあります。
 AGA治療によって既存毛の状態が変化すれば、植毛する範囲や必要株数を改めて検討できる場合があるためです。
 ただし、AGA治療薬だけで、生え際の位置を希望どおりに形成したり、毛包が失われた部分へ確実に毛を生やしたりできるとは限りません。
 反対に、自毛植毛だけでは、移植していない既存毛のAGA進行を抑えることはできません。
 自毛植毛とAGA治療薬のどちらか一方を単純に選ぶのではなく、現在の薄毛の状態と希望する変化に応じて、役割を分けて検討する必要があります。

手術費用と維持治療費を同じ基準で比較しない

自毛植毛とAGA治療薬では、費用が発生する時期と治療目的が異なります。

費用の種類確認する内容
初期費用植毛手術やAGA治療の開始時に必要な費用
継続費用AGA治療薬や定期診察など、継続して発生する費用
追加費用追加植毛、検査、薬の変更などにかかる可能性がある費用
長期的な総額一定期間の治療に必要となる費用の合計

 自毛植毛は手術時にまとまった費用が必要になる一方、AGA治療薬は月ごと、または一定期間ごとに費用が発生します。
 そのため、単純に「植毛は高い」「AGA治療薬は安い」と比較するだけでは、治療費を適切に判断できません。
 どの部位をどの方法で改善したいのか、既存毛をどのように維持するのかを踏まえて、それぞれの費用を整理することが大切です。

長期的な治療計画と費用を確認する

 自毛植毛の見積もりを確認するときは、手術当日の費用だけでなく、将来的に必要となる可能性がある治療費も確認しておきましょう。

主な確認事項は次のとおりです。

・植毛後にAGA治療薬を検討する可能性があるか
・使用する場合、どの程度の期間を想定しているか
・薬代、診察料、検査代はいくらか
・定期的な診察や検査が必要か
・既存毛が薄くなった場合に追加植毛を検討する可能性があるか
・将来の追加植毛に備えてドナー毛を残しているか

 現在の治療費だけでなく、既存毛の維持と将来的な薄毛の変化まで含めて治療計画を確認することが重要です。
 AGA治療薬の種類や具体的な料金については、公式のAGA治療案内ページも併せてご参照ください。

必要株数と費用を確認するまでの流れ 

 自毛植毛の費用を具体的に把握するためには、まず自分に必要な株数を確認する必要があります。
 料金ページに掲載されている株数別の費用例から、おおよその予算を計算することはできます。ただし、必要株数は薄毛の部位や面積だけで一律に決まるものではありません。
 そのため、料金ページ、画像相談、来院診察、個別見積もりを段階的に利用して確認します。

段階主に確認できること
料金ページ料金体系、術式別料金、株数別の費用例
画像相談写真から判断できる大まかな株数と費用の目安
来院診察頭皮、既存毛、ドナー部を踏まえた治療計画
個別見積もり必要株数、術式、移植範囲、内訳を反映した費用

料金ページで料金体系と概算費用を確認する

 最初に、クリニックの公式料金ページで料金の計算方法を確認します。

主な確認項目は次のとおりです。

・基本料金や手術費の有無
・FUT法やFUE法などの術式別料金
・1株あたりの料金
・500株、1,000株、2,000株などの費用例
・検査代や薬代の扱い
・モニター料金の有無
・支払い方法

 必要株数の目安が分かっている場合は、料金ページをもとに概算費用を計算できます。
 ただし、自分で想定した株数と、診察後に提案される株数が異なる場合があります。また、費用例に検査代や薬代などが含まれているかどうかも、クリニックによって異なります。
 料金ページの金額は、予算を考えるための目安として確認しましょう。

画像相談で大まかな株数と費用を確認する

 画像相談に対応しているクリニックでは、頭部の写真をもとに、必要株数や費用の大まかな目安を確認できる場合があります。希望のクリニックに行く時間が中々とれない、遠方の方などはまずこちらを利用してみるのも良いかと思います。

画像相談は、次のような場合に利用しやすい方法です。

・来院前におおよその必要株数を知りたい
・予算の目安を確認したい
・自毛植毛を検討できる状態かおおまかに相談したい
・遠方に住んでいる
・来院するか判断するための情報を集めたい

 ただし、写真だけでは、毛の太さ、既存毛の細毛化、頭皮の状態、ドナー部の密度、毛流れなどを十分に確認できない場合があります。
 また、写真を撮影した角度、明るさ、髪の長さや整え方によって、薄毛部分の見え方が変わることもあります。
 そのため、画像相談で案内された株数や費用は確定した見積もりではなく、来院や治療を検討するための目安として確認しましょう。

来院診察で移植部とドナー部を確認する

 必要株数や適した術式を具体的に確認するには、医師による診察が必要です。
 来院診察では、移植を希望する部分だけでなく、既存毛、頭皮、ドナー部の状態などを確認したうえで治療計画を検討します。

主な確認内容は次のとおりです。

・自毛植毛を検討できる状態か
・移植する部位と範囲
・必要株数の目安
・部位ごとの株数配分
・目標とする密度
・生え際などのデザイン
・FUT法とFUE法のどちらを検討するか
・ドナー部から無理なく採取できるか
・将来的なAGA進行をどのように考えるか
・植毛後にAGA治療薬を検討するか

 費用だけでなく、提示された株数や術式の根拠、その株数でどの程度の変化を目指すのかまで確認することが大切です。

個別見積もりで最終的な費用を確認する

 来院診察で必要株数、移植範囲、術式が決まると、個別の治療内容を反映した見積もりを確認できます。

見積もりでは、次の内容を確認しましょう。

・移植予定株数
・移植する部位と範囲
・採用する術式
・基本料金や手術費
・株数に応じた移植費
・検査代、麻酔代、薬代などの扱い
・追加費用が発生する条件
・支払い方法
・最終的な支払総額

 複数の見積もりを比較するときは、金額だけでなく、株数、移植範囲、術式、費用に含まれる項目などの条件をそろえることが重要です。

必要株数と費用は段階的に確認する

 自毛植毛の費用は、次の順序で確認すると整理しやすくなります。

  1. 公式料金ページで料金体系を確認する
  2. 株数別の費用例から予算の目安を把握する
  3. 必要に応じて画像相談を利用する
  4. 来院診察で頭皮、既存毛、ドナー部を確認する
  5. 必要株数、移植範囲、術式の説明を受ける
  6. 個別見積もりで内訳と最終的な総額を確認する

 料金ページや画像相談だけで、個別の必要株数や治療内容が確定するわけではありません。
 最終的には医師の診察を受け、提示された株数、移植範囲、術式と費用の関係を確認したうえで判断しましょう。
 必要株数や費用の大まかな目安は画像相談で確認できます。具体的な診断や治療計画、見積もりなどについては、来院カウンセリングでご確認ください。

植毛費用に関するよくある質問 

Q. 自毛植毛には総額でいくらかかりますか?

A. 自毛植毛の費用は、移植する株数、選択する術式、基本料金や手術費の有無などによって異なります。
 検査代、薬代、麻酔代などが別途必要になる場合もあるため、料金表に掲載された金額だけでなく、手術に必要な費用を含めた最終的な見積もり総額を確認することが大切です。

Q. 自毛植毛は保険適用になりますか?

A. AGAなどによる薄毛の改善を目的とする自毛植毛は、原則として公的医療保険が適用されない自由診療です。そのため、治療費は全額自己負担となり、料金体系や費用に含まれる内容は医療機関によって異なります。

Q. 植毛費用は移植株数だけで決まりますか?

A. 移植株数は費用に大きく影響しますが、株数だけで決まるとは限りません。
 基本料金や手術費、FUT法・FUE法などの術式、検査代、薬代、麻酔代なども費用に関係します。また、同じ株数でも、移植する範囲や株数の配分によって、期待できる見た目の変化は異なります。

Q. 1株あたりの料金が安ければ、最終的な総額も安くなりますか?

A. 1株あたりの料金が低くても、別に基本料金や手術費、検査代などが必要であれば、最終的な総額が高くなる場合があります。
 料金を比較するときは、同じ株数と術式を前提として、次の内容を確認しましょう。

・基本料金や手術費が含まれているか
・検査代、麻酔代、薬代が含まれているか
・追加費用が発生する条件があるか
・最終的な支払総額はいくらか

 1株単価だけでなく、治療に必要な費用を合計した総額で比較することが大切です。

Q. FUT法とFUE法では費用が違いますか?

A. FUT法とFUE法では、毛包の採取方法や手術工程が異なるため、料金が異なる場合があります。
 また、FUE法でも、ドナー部の髪を刈る方法と、大きく刈らずに採取する方法で料金が変わることがあります。ただし、術式は料金だけで決めるものではありません。必要株数、ドナー部の状態、傷跡、希望する髪型、将来の追加植毛などを踏まえて検討します。

Q. 安い植毛料金だけでクリニックを選んでも問題ありませんか?

A. 料金の安さだけで判断することは避けた方がよいでしょう。
 安い料金が問題とは限りませんが、次の内容を確認する必要があります。

・料金が適用される株数や術式
・モニターや日程などの適用条件
・基本料金や検査代などの別途費用
・必要株数を算出した根拠
・移植範囲と株数の配分
・ドナー部の採取計画
・医師や看護師、医療機関の実績・経験
・術後の診察や相談体制

金額だけではなく、その費用で受けられる治療内容が、ご自身の状態や希望に合っているかを確認することが大切です。

Q. 必要株数や費用は写真だけで分かりますか?

A. 画像相談では、薄毛の範囲から必要株数や費用の大まかな目安を確認できる場合があります。
 ただし、写真だけでは、既存毛の細毛化、毛の太さ、頭皮の状態、ドナー部の密度などを十分に確認できないことがあります。最終的な必要株数、術式、見積もり額は、医師が頭皮や毛髪、ドナー部の状態を確認したうえで判断します。

Q. 見積もりを受け取ったら何を確認すればよいですか?

A. 見積もりでは、主に次の内容を確認しましょう。

・移植する株数とその根拠
・移植する部位と範囲
・選択する術式
・基本料金、手術費、移植費などの内訳
・検査代、麻酔代、薬代の扱い
・追加費用が発生する条件
・術後の診察や相談にかかる費用
・最終的な支払総額

複数の見積もりを比較する場合は、株数、術式、移植範囲、費用に含まれる項目などの条件をそろえることが大切です。

Q. 植毛後もAGA治療薬の費用がかかりますか?

A. すべての方にAGA治療薬が必要になるわけではありません。
 ただし、移植していない既存毛は、植毛後もAGAの影響を受ける可能性があります。そのため、既存毛の維持や薄毛の進行抑制を目的として、植毛後もAGA治療薬の使用を検討する場合があります。
 使用の必要性、期間、費用については、既存毛の状態やAGAの進行状況などを踏まえて医師と相談しましょう。

Q. 分割払いや医療ローンは利用できますか?

A. 対応している支払い方法は医療機関によって異なります。
 医療ローンや分割払いを利用する場合は、毎月の支払額だけでなく、次の内容を確認しましょう。

・利用できる分割回数
・金利や分割手数料
・頭金や予約金の有無
・支払いを開始する時期
・金利や手数料を含めた総支払額

 料金表に掲載された手術費用と、分割払いを利用した場合の総支払額は異なる場合があります。

Q. 最新の植毛料金はどこで確認できますか?

A. 自毛植毛は自由診療のため、料金が改定される場合があります。
 検討している医療機関の公式料金ページで、最新の料金体系、術式別料金、株数別の費用例、別途必要となる費用を確認しましょう。
 紀尾井町クリニックの最新の料金、FUT法・FUE法の料金、株数別の費用例、支払い方法については、公式の「植毛の費用・料金」ページをご確認ください。

まとめ

 自毛植毛の費用は、移植する株数、選択する術式、料金体系、移植範囲などによって異なります。
 そのため、1株あたりの料金や株数別の表示価格だけでは、実際に必要となる費用や治療内容を正確に比較できない場合があります。

 植毛費用を比較するときは、主に次の点を確認しましょう。

・自分に必要な株数と、その算出根拠
・どの部位をどこまで移植するのか
・その範囲に何株を配分するのか
・どの程度の密度や変化を目指すのか
・FUT法やFUE法など、どの術式で行うのか
・基本料金、手術費、検査代、薬代などが含まれているか
・追加費用が発生する条件
・最終的な支払総額
・ドナー部への影響や将来の追加植毛が考慮されているか
・術後の診察や相談に対応しているか

 費用を抑えることは、治療を検討するうえで重要な要素です。
 ただし、株数を少なくしすぎると、希望する範囲や密度に届かない場合があります。一方、必要以上に多くの株数を使用すると、将来の追加植毛に使用できるドナー毛が少なくなる可能性があります。
 また、料金が安いから治療内容に問題がある、料金が高いから希望する結果が得られると一律に判断することもできません。重要なのは、提示された金額と治療計画が、ご自身の薄毛の状態や希望する仕上がり、将来のAGA進行に合っているかを確認することです。
 公式料金ページでは、料金体系、術式別料金、株数別の費用例などから、おおよその予算を確認できます。
 ただし、実際に必要な株数や適した術式は、既存毛、頭皮、ドナー部の状態などによって異なります。
 料金ページや画像相談で大まかな費用を確認したうえで、来院診察では、必要株数、移植範囲、術式、費用の内訳、最終的な見積もり総額について確認しましょう。
 紀尾井町クリニックの最新の料金体系、FUT法・FUE法の料金、株数別の費用例、支払い方法については、公式の「植毛の費用・料金」ページをご確認ください。また、費用だけでなく、自毛植毛の方法、メリット・デメリット、症例までまとめて確認したい方は、植毛・自毛植毛の総合案内をご覧ください。

第三者サイトに掲載されている当院の評価(Caloo)

紀尾井町クリニックの自毛植毛や薄毛治療については、
医療口コミサイト「Caloo」にて、
実際に受診した方による評価・口コミが掲載されています。

👉 東京本院の評判・口コミ(Caloo)を確認する
👉 新大阪院の評判・口コミ(Caloo)を確認する

監修医師プロフィール

東邦大学医学部医学科卒業後、同大学附属病院泌尿器科に入局し、以降10年以上に渡り手術加療を中心に臨床に従事。男性型脱毛症(AGA)にも関連するアンドロロジー(男性学)の臨床に関わる。2021年より紀尾井町クリニックにて、自毛植毛を中心に薬物治療を組み合わせてAGA治療を行っている。著書として『薄毛の治し方』(現代書林社)を上梓。(詳細プロフィールはこちら

AGA治療・自毛植毛|紀尾井町クリニック
日本泌尿器科学会専門医・同指導医
国際毛髪外科学会 会員
医師 中島 陽太

記事監修 中島医師