植毛3,000株でできることは?範囲・費用・向いているケースを解説【医師監修】

結論サマリー
植毛3,000株は、一般的に約6,000〜7,500本程度の毛髪に相当し、1回で行う自毛植毛手術の中では最大級の移植数に分類されます。生え際から前頭部にかけての広い範囲、前頭部全体、つむじ周囲を含む頭頂部の一定範囲などで検討される株数です。
毛がほとんどない範囲へ1cm²あたり30〜40株程度の密度で移植する場合、3,000株で補える面積は約75〜100cm²がひとつの目安です。既存毛が残る部位を補強する場合は、より広い範囲へ配分できることもあります。
一方、前頭部から頭頂部まで広く薄毛が進行している場合は、3,000株を全体に分散すると密度が不足する可能性があります。また、3,000株はドナー部から採取する量としても大きいため、移植範囲の優先順位、FUT法・FUE法の選択、将来的な追加植毛まで考えた計画が重要です。
【要点】
・1株には通常1〜3本程度、場合によっては4本程度の毛髪が含まれ、3,000株は約6,000〜7,500本が目安
・毛がほとんどない範囲へ30〜40株/cm²で移植する場合、約75〜100cm²がひとつの目安
・生え際から前頭部、前頭部全体、つむじ周囲、頭頂部の一定範囲などで検討される
・既存毛が残る部位の補強では、より広い範囲へ配分できる場合がある
・前頭部と頭頂部の両方を補う場合は、部位ごとの優先順位と密度配分が重要
・3,000株はFUTメガセッションとして1回で行える場合があるが、ドナー部の条件によっては段階的な植毛も検討する
・FUE法で3,000株を採取する場合は、ドナー部の密度低下や将来の採取余力に注意が必要
本コラムでは、植毛3,000株が何本程度に相当するのか、どのくらいの範囲を補えるのか、向いているケースと難しいケース、費用、術式、1回で行う場合と段階的に行う場合の考え方などを解説していきます。
植毛3,000株とはどれくらいの量?
自毛植毛で使われる「株(グラフト)」とは、移植する毛包単位のことです。毛髪は1本ずつ独立して生えているように見えますが、実際には1つの毛穴から複数本の毛がまとまって生えていることがあり、この毛包単位を1株として扱います。
1株には通常1〜3本程度、場合によっては4本程度の毛髪が含まれ、平均すると1株あたり約2〜2.5本程度です。そのため、3,000株は毛髪本数に換算すると、約6,000〜7,500本程度がひとつの目安になります。
3,000株は、自毛植毛の中では大きめの移植数です。浅いM字部分や小範囲のつむじだけを補う株数というよりも、生え際から前頭部にかけての広い範囲、前頭部全体、頭頂部の一定範囲などを補う場合に検討されます。薄毛の状態によっては、前頭部と頭頂部の両方へ配分することもあります。
ただし、同じ3,000株でも、得られる見た目の変化は一律ではありません。髪の太さや色、頭皮とのコントラスト、既存毛の残り方、移植する面積、希望する密度などによって仕上がりは異なります。
既存毛が残っている部位では、移植毛と既存毛が重なることで見た目の密度を補いやすくなる場合があります。一方、毛がほとんどない広い範囲では、移植毛だけで密度を作る必要があるため、3,000株でも前頭部から頭頂部までをすべて高密度に補えるとは限りません。
また、3,000株はドナー部から採取する量としても大きな株数です。そのため、移植する範囲だけでなく、ドナー部の状態や採取方法、将来的な追加植毛の可能性まで含めて計画する必要があります。
3,000株でカバーできる範囲の考え方
植毛3,000株で補える範囲は、移植する1cm²あたりの密度によって変わります。自毛植毛では、限られたドナー株をどの範囲に、どの程度の密度で配分するかが重要です。
毛がほとんどない部位へ、1cm²あたり30〜40株程度の密度で移植する場合、3,000株で補える面積は約75〜100cm²がひとつの目安です。
一方、既存毛が残っている部位を20〜30株/cm²程度で補強する場合は、約100〜150cm²程度に配分できる計算になります。既存毛と移植毛が重なることで、無毛に近い部位よりも低い移植密度でも、見た目の透け感を補いやすくなる場合があるためです。
| 配分の考え方 | 密度の目安 | 3,000株での使い方 |
| 毛がほとんどない部位を補う | 30〜40株/cm²程度 | 約75〜100cm² |
| 既存毛が残る部位を補強する | 20〜30株/cm²程度 | 約100〜150cm² |
| 広範囲に分散する | 20株/cm²未満になることもある | 150cm²を超える場合もある |
ただし、計算上カバーできる面積が広くても、実際に十分な見た目の変化が得られるとは限りません。3,000株を前頭部から頭頂部まで広く分散すると、1cm²あたりの密度が低くなり、全体として薄い印象が残る可能性があります。
反対に、生え際や前頭部などの限られた範囲へ集中して配分すれば、見た目の密度を高めやすくなりますが、頭頂部などほかの部位へ使える株数は少なくなります。
また、必要な密度は部位によっても異なります。生え際では自然なグラデーションや毛流れを考慮する必要があり、頭頂部ではつむじの形や髪の流れに合わせた配分が求められます。
そのため、3,000株でどこまでカバーできるかを考える際は、単純な面積だけでなく、既存毛の量、髪の太さ、薄毛の範囲、希望する仕上がりを踏まえ、どの部位を優先するか決めることが大切です。
植毛密度についての詳細は「植毛の密度について」を併せてご参照ください。
植毛3,000株が向いているケース
植毛3,000株は、生え際の一部だけを補うというよりも、前頭部や頭頂部のまとまった範囲を補う場合に検討される株数です。
ただし、実際に3,000株が適しているかどうかは、薄毛の範囲、既存毛の量、髪の太さ、ドナー部の状態、希望する仕上がりなどによって異なります。
| 部位・目的 | 3,000株での考え方 |
| 生え際〜前頭部 | 生え際の輪郭と前頭部の密度をまとめて補う場合に検討される |
| M字部分+前頭部中央 | 左右のM字部分と中央部へ株数を配分し、前頭部全体のバランスを整える |
| 前頭部全体 | 広い後退や前頭部全体の密度低下を補う場合に検討される |
| つむじ周囲・頭頂部の一定範囲 | つむじ周囲から頭頂部の一定範囲の透け感を補う |
| 前頭部+頭頂部 | 両方に配分できる場合があるが、優先順位を決める必要がある |
| 広範囲の薄毛 | 段階的な植毛を前提とした初回の移植として検討される場合がある |
生え際から前頭部にかけて薄毛が進んでいるケース
生え際から前頭部にかけて広く薄毛が進んでいる場合は、3,000株が検討されることがあります。
浅いM字部分だけでなく、生え際の中央部やその奥の前頭部まで薄くなっている場合、3,000株を使うことで、生え際の輪郭と前頭部の密度を同時に補える可能性があります。
ただし、生え際を大きく下げるほど新しく毛を配置する面積が広くなります。生え際の位置を前方へ下げながら、前頭部の奥側にも十分な密度を持たせようとすると、3,000株でも不足する場合があります。
M字部分と前頭部中央の両方が気になるケース
左右のM字部分に加えて、前頭部中央の地肌も目立つ場合には、3,000株を複数の部位へ配分することがあります。
M字部分だけを補う場合よりも必要株数は多くなりますが、3,000株であれば、生え際の左右と中央部を一体的に設計しやすくなります。
この場合は、M字部分の輪郭をどの程度整えるか、前頭部中央へどの程度密度を配分するかを考える必要があります。生え際だけを強調すると奥側との密度差が目立つことがあるため、周囲の既存毛となじむように設計することが重要です。
M字部分への植毛について詳しくは、「M字型の薄毛(M字ハゲ)は植毛で治療できますか?」も併せてご参照ください。
前頭部全体の密度が低下しているケース
前頭部全体の密度が低下し、髪を上げたときや分けたときに地肌が目立つ場合にも、3,000株が検討されます。
生え際だけでなく、その奥の前頭部まで含めて株数を配分できるため、正面から見た印象をまとまって補える可能性があります。
既存毛が残っている場合は、移植毛と重なることで見た目の密度を補いやすくなります。一方、既存毛が少ない場合は、移植毛だけで密度を作る必要があるため、3,000株でも希望する範囲を十分に補えないことがあります。
つむじ周囲や頭頂部の一定範囲が薄いケース
つむじ周囲から頭頂部の一定範囲に薄毛がある場合にも、3,000株が検討されることがあります。
頭頂部は髪が放射状に広がり、光の当たり方によって地肌が目立ちやすい部位です。3,000株をつむじ周囲や特に透けが目立つ範囲へ配分することで、見た目の密度を補える場合があります。
ただし、頭頂部はカバーする面積が広くなりやすいため、頭頂部全体が広く薄くなっている場合は、3,000株でも不足することがあります。どこまでを移植範囲に含めるかを明確にすることが大切です。
前頭部と頭頂部の両方を補いたいケース
前頭部と頭頂部の両方に薄毛がある場合でも、状態によっては3,000株を両方へ配分できます。
例えば、見た目の印象に影響しやすい前頭部へ多めに配分し、残りをつむじ周囲へ移植する方法があります。既存毛の状態によっては、前頭部を補強しながら頭頂部にも一定数を配分する計画も考えられます。
ただし、前頭部と頭頂部の両方を同じように高密度に補うには、3,000株でも足りないことがあります。今回の植毛でどの部位を優先するか、将来的に追加植毛を行うかまで含めて検討する必要があります。
広範囲の薄毛を段階的に補うケース
前頭部から頭頂部まで広く薄毛が進行している場合、3,000株を初回の植毛として使い、その後の経過を見ながら追加植毛を検討することがあります。
初回は生え際や前頭部など、正面から見た印象に影響しやすい部位を優先し、頭頂部は既存毛の状態やAGAの進行を見ながら次の段階で補う方法です。
3,000株は広範囲の薄毛に対しても検討される株数ですが、1回ですべての範囲を高密度に補うのではなく、長期的な治療計画の一部として使うことが適している場合もあります。
3,000株では難しいケース
植毛3,000株は大きめの移植数ですが、すべての薄毛を十分に補えるわけではありません。薄毛の範囲が広い場合や希望する密度が高い場合には、3,000株でも不足することがあります。
また、移植したい範囲だけでなく、ドナー部から3,000株を無理なく採取できるかどうかも確認する必要があります。
| ケース | 3,000株だけでは難しい理由 |
| 前頭部から頭頂部まで広範囲に薄い | 全体へ分散すると、部位ごとの密度が不足しやすい |
| 生え際を大きく下げ、前頭部も高密度にしたい | 新しく作る面積と密度の両方に多くの株数が必要 |
| 頭頂部全体を高密度に補いたい | 頭頂部は面積が広く、株数が分散しやすい |
| 既存毛がほとんど残っていない | 移植毛だけで見た目の密度を作る必要がある |
| ドナー部の密度が低い | 3,000株を採取すると後頭部や側頭部が薄く見える可能性がある |
| 将来的なAGAの進行が予想される | 今回多くの株を使うと、追加植毛に使えるドナーが不足する可能性がある |
前頭部から頭頂部まで広く薄毛が進んでいるケース
前頭部から頭頂部まで広範囲に薄毛が進んでいる場合、3,000株を全体へ均等に配分すると、1cm²あたりの移植密度が低くなります。
全体を補った印象にはなっても、生え際、前頭部、頭頂部のそれぞれで十分な密度を感じにくい可能性があります。
このような場合は、正面から見た印象に影響しやすい生え際や前頭部を優先し、頭頂部は追加植毛で補うなど、段階的な計画を検討することがあります。
生え際を大きく下げながら前頭部も高密度にしたいケース
生え際を現在の位置から大きく下げると、新たに毛を配置する面積が広がります。さらに、その奥の前頭部にも十分な密度を持たせる場合は、より多くの株数が必要です。
3,000株を使っても、生え際を希望する位置まで下げることと、前頭部全体を高密度に補うことを両立できない場合があります。
生え際の位置は今回の見た目だけでなく、将来的な薄毛の進行や追加植毛に必要な株数にも影響するため、長期的な視点で設定することが大切です。
頭頂部全体を高密度に補いたいケース
頭頂部は面積が広くなりやすく、つむじを中心に髪が放射状に広がるため、同じ株数でも地肌が目立ちやすい部位です。
つむじ周囲や頭頂部の一定範囲であれば3,000株が検討されますが、頭頂部全体を高密度に補うには不足することがあります。
広い範囲へ薄く分散するよりも、特に透けが目立つ範囲を絞って補う方が、見た目の変化を得やすい場合があります。
既存毛がほとんど残っていないケース
既存毛が残っている部位では、移植毛と既存毛が重なることで見た目の密度を補いやすくなります。
一方、既存毛がほとんど残っていない場合は、移植毛だけで密度を作らなければなりません。そのため、同じ3,000株でも、既存毛が残っているケースよりカバーできる範囲が限られます。
毛がほとんどない範囲が広い場合は、今回どの部位を優先するか、将来的に追加植毛を行うかを含めた計画が必要です。
ドナー部から3,000株を採取する余裕が少ないケース
移植部に3,000株が必要と考えられても、ドナー部の密度や採取できる範囲によっては、3,000株の採取が適さない場合があります。
無理に多く採取すると、後頭部や側頭部の密度が低下し、髪を伸ばしても地肌が目立つ可能性があります。特にFUE法では、採取する株数が増えるほど点状の採取痕が広い範囲に残り、ドナー部全体が薄く見えるリスクがあります。
3,000株を検討する際は、移植したい範囲だけでなく、ドナー密度や毛髪の太さ、過去の採取歴なども確認する必要があります。
将来的なAGAの進行が予想されるケース
AGAが今後も進行すると、移植していない既存毛が細くなったり抜けたりする可能性があります。
現在気になる範囲へ3,000株を集中して使うと、その後に薄くなった部位を補うためのドナーが不足することも考えられます。
そのため、将来的な薄毛の範囲を予測し、今回使用する株数と追加植毛に残す株数のバランスを考えることが重要です。状態によっては、3,000株を一度に使用せず、複数回に分けて植毛する方が適している場合もあります。
植毛3,000株の見た目の変化
植毛3,000株は、1,000株や2,000株と比べて移植できる毛髪本数が多く、比較的広い範囲を補えるため、移植前より見た目の印象が変わりやすい株数です。
ただし、3,000株を移植すれば必ず同じ変化が得られるわけではありません。移植する部位、既存毛の量、髪の太さ、毛流れ、頭皮と髪色のコントラスト、株数の配分などによって仕上がりは異なります。
生え際から前頭部へ移植した場合
生え際から前頭部へ3,000株を移植した場合は、額の見え方や前髪の密度感が変わることがあります。
M字部分のくぼみを補い、生え際の輪郭を整えることで、正面から見た印象が変わりやすくなります。さらに、生え際の奥側にある前頭部へ株数を配分することで、髪を上げたときや分けたときの地肌の透け感を補える場合があります。
一方、生え際を大きく下げる場合は、新たに毛を配置する面積が広がります。そのため、3,000株を使っても、生え際の前進と前頭部全体の密度を両立できないことがあります。
前頭部全体へ移植した場合
前頭部全体の密度が低下している場合は、生え際だけでなく、その奥まで含めて移植することで、前髪や分け目の見え方が変わることがあります。
既存毛が残っている場合は、移植毛と既存毛が重なることで、見た目の厚みを補いやすくなります。反対に、既存毛が少ない場合は、移植毛だけで密度を作る必要があるため、同じ3,000株でも変化の見え方が限定されることがあります。
また、生え際とその奥の密度差が大きいと不自然に見える可能性があります。前方から奥側まで連続して見えるように、毛流れや密度の配分を調整することが重要です。
つむじ周囲や頭頂部へ移植した場合
つむじ周囲や頭頂部へ3,000株を移植した場合は、上から光が当たったときの地肌の透け感が軽減されることがあります。
特に既存毛が残っている場合は、移植毛が周囲の毛と重なり、ボリューム感を補いやすくなります。
ただし、頭頂部は面積が広くなりやすく、つむじを中心に髪が放射状に広がるため、同じ株数でも前頭部より密度を感じにくい場合があります。頭頂部全体が広く薄くなっている場合は、3,000株でも一部の補強にとどまることがあります。
前頭部と頭頂部の両方へ移植した場合
前頭部と頭頂部の両方へ3,000株を配分することで、全体的な薄毛の印象を補える場合があります。
例えば、正面から見た印象に影響しやすい前頭部へ多めに配分し、残りをつむじ周囲へ移植する方法があります。既存毛の状態によっては、前頭部を補強しながら頭頂部の透け感も軽減できることがあります。
ただし、3,000株を広い範囲へ分散しすぎると、前頭部と頭頂部のどちらも密度が不足し、変化が分かりにくくなる可能性があります。そのため、どの部位の変化を優先するかを明確にすることが大切です。
見た目の変化は株数だけでは決まらない
植毛後の見た目は、移植した株数だけで決まるものではありません。
太くて色の濃い毛は、細い毛よりも地肌を覆いやすい傾向があります。また、髪色と頭皮の色の差が小さい方は、同じ移植密度でも地肌が目立ちにくい場合があります。
さらに、生え際では1本毛を中心に配置し、その奥に複数本毛を配置するなど、毛包の使い分けによって自然さや見た目の密度が変わります。
3,000株は見た目の変化を期待しやすい株数ですが、仕上がりを考える際は、株数だけでなく、移植範囲、既存毛、毛髪の特徴、毛流れ、密度の配分を総合的に判断することが重要です。
植毛3,000株の経過
植毛3,000株を行った場合も、発毛までの基本的な経過は、ほかの株数の自毛植毛と大きく変わりません。
移植した毛が手術直後からそのまま伸び続けるわけではなく、多くの場合は一度抜けた後、移植した毛包から新しい毛が徐々に生えてきます。最終的な仕上がりを確認するまでには、一定の期間が必要です。
3,000株規模では、移植する範囲やドナーを採取する範囲が広くなりやすいため、赤みやかさぶた、刈り上げた部分などが目立つ範囲も広くなることがあります。
| 時期の目安 | 主な経過 |
| 手術直後〜数日 | 赤み、かさぶた、腫れ、つっぱり感、かゆみなどが出ることがある |
| 術後1〜2週間頃 | かさぶたや赤みが徐々に落ち着いてくる |
| 術後2〜4週間頃 | 移植した毛が一時的に抜けることがある |
| 術後3〜6か月頃 | 新しい毛が少しずつ生え始める |
| 術後6〜12か月頃 | 毛が伸び、見た目の変化を感じやすくなる |
| 術後12〜18か月頃 | 毛の太さや長さが整い、最終的な仕上がりを確認する |
手術直後から数日間
手術直後は、移植部に赤みやかさぶたが見られることがあります。ドナー部には、採取方法に応じて痛み、つっぱり感、かゆみなどが出る場合があります。
また、額やまぶたの周囲にむくみが生じることもあります。3,000株では移植範囲が広くなることがあるため、小規模な植毛と比べて赤みやかさぶたが見える範囲も広くなる可能性があります。
術後早期は、移植部をこすったり、強い刺激を加えたりしないよう注意が必要です。
術後1〜2週間頃
術後1〜2週間頃になると、移植部のかさぶたや赤みは徐々に落ち着いていきます。
ただし、症状の程度や回復までの期間には個人差があります。ドナー部の状態も、FUT法とFUE法で異なります。
FUT法では縫合した部分に線状の傷痕が残り、FUE法では採取した数だけ点状の傷痕が分散して残ります。
術後2〜4週間頃
術後2〜4週間頃には、移植した毛が一時的に抜けることがあります。
これは、移植した毛包が休止期に入り、毛幹が一度抜けるために起こるものです。移植した毛が抜けても、毛包が定着していれば、その後に新しい毛が生えてくることが期待されます。
抜ける時期や抜ける量には個人差があり、すべての移植毛が同じ時期に抜けるわけではありません。
術後3〜6か月頃
術後3〜6か月頃になると、移植した毛包から新しい毛が少しずつ生え始めます。
生え始めの毛は細く、短い産毛のように見えることがあります。また、部位によって発毛の時期に差が生じる場合があり、移植範囲全体が一度に同じ密度になるわけではありません。
この時期は、まだ完成した状態ではないため、発毛量や密度を早い段階で判断しないことが大切です。
術後6〜12か月頃
術後6〜12か月頃になると、生えてきた毛が伸び、徐々に太くなることで、見た目の変化を感じやすくなります。
生え際や前頭部では、前髪の作りやすさや地肌の透け方に変化が見られる場合があります。頭頂部では、毛流れや光の当たり方によって変化の感じ方が異なります。
3,000株を複数の部位へ配分した場合は、部位ごとに発毛の進み方や見た目の変化に差が出ることもあります。
術後12〜18か月頃
術後12〜18か月頃には、移植毛の太さや長さが整い、最終的な仕上がりを確認しやすくなります。
ただし、発毛の時期や毛が太くなるまでの期間には個人差があります。特に頭頂部は、生え際や前頭部と比べて変化を実感するまでに時間がかかる場合があります。
術後すぐの見た目や一時的な抜け毛だけで結果を判断せず、長期的な経過を見ることが重要です。赤み、痛み、腫れなどが長く続く場合や、経過に不安がある場合は、手術を受けたクリニックへ相談しましょう。
植毛後の詳しい経過については、「植毛後の経過(1ヶ月後、3ヶ月後、半年後、1年後)」も併せてご参照ください。
植毛3,000株の副作用・リスク
自毛植毛は、自分自身の毛包を薄毛の部位へ移植する治療ですが、外科的な手術であるため、副作用やリスクがまったくないわけではありません。
3,000株の植毛では、移植範囲やドナーの採取範囲が広くなりやすいため、小規模な植毛と比べて赤みやかさぶたが見える範囲、ドナー部への影響が大きくなることがあります。
主な副作用・リスクには、次のようなものがあります。
| 副作用・リスク | 主な内容 |
| 痛み・腫れ・むくみ | 移植部やドナー部に痛みや腫れが出ることがある |
| 赤み・かさぶた・かゆみ | 移植部を中心に一時的に現れることがある |
| 出血 | 手術直後に移植部やドナー部からにじむことがある |
| ショックロス | 移植部周辺の既存毛が一時的に抜けることがある |
| 感染・毛のう炎 | まれに炎症や膿疱が生じることがある |
| 知覚の違和感 | 頭皮のしびれや感覚の鈍さが一時的に出ることがある |
| 傷痕 | FUT法では線状、FUE法では点状の傷痕が残る |
| ドナー部の密度低下 | 採取数が多いと後頭部や側頭部が薄く見える可能性がある |
| 発毛や仕上がりの差 | 生着率や毛の太さ、発毛時期には個人差がある |
痛み・腫れ・赤みなどの術後症状
手術後は、移植部やドナー部に痛み、赤み、かさぶた、かゆみ、つっぱり感などが出ることがあります。
また、手術中に使用した麻酔液などの影響により、額やまぶたの周囲にむくみが生じる場合があります。多くは一時的な症状ですが、程度や続く期間には個人差があります。
3,000株では手術範囲が広くなる場合があるため、赤みやかさぶたが目立つ範囲も広くなる可能性があります。
ショックロス
植毛後には、移植部周辺に残っている既存毛が一時的に抜ける「ショックロス」が起こることがあります。
これは、手術による頭皮への刺激などをきっかけに、既存毛が休止期へ移行することで起こると考えられています。多くの場合は一時的ですが、もともと細く弱くなっていた毛は、十分に回復しないこともあります。
3,000株を既存毛が残る広い範囲へ移植する場合は、移植部周辺の毛の状態も確認しながら計画する必要があります。
FUT法で残る傷痕
FUT法では、後頭部や側頭部の頭皮を帯状に採取し、採取した部分を縫合します。そのため、ドナー部には線状の傷痕が残ります。
通常は周囲の髪をある程度伸ばすことで隠しやすくなりますが、極端に短い髪型では傷痕が見える可能性があります。
また、傷痕の幅や目立ち方には、頭皮の状態、縫合方法、術後の治り方などによって個人差があります。
FUE法で残る点状の傷痕と密度低下
FUE法では、専用のパンチ器具を用いて毛包を1株ずつくり抜いて採取します。線状の傷痕は残りませんが、採取した数だけ小さな点状の傷痕が分散して残ります。
FUE法で3,000株を採取する場合は、原則として3,000か所の採取痕が生じます。一つひとつの傷痕は小さくても、採取数が増えるほどドナー部全体の毛量は減少します。
過剰に採取すると、後頭部や側頭部の地肌が透けて見えたり、採取した部分がまだらに薄く見えたりする可能性があります。
当院では、FUE法のメリットを生かしながら過剰採取を避けるため、1,000株以上の植毛ではFUT法を推奨し、FUE法による植毛は基本的に1回1,000株未満としています。
FUT法・FUE法で残る傷痕について詳しくは、「自毛植毛の傷痕について」も併せてご確認ください。
将来の追加植毛への影響
ドナー部から採取できる毛包の数には限りがあります。
3,000株は、1回の植毛で使用する株数として大きいため、今回の手術で多くのドナーを使うと、将来的に薄毛が進行した際に追加植毛へ使える株数が少なくなる可能性があります。
特に若い年代や、今後もAGAの進行が予想される場合は、現在の薄毛部分だけでなく、将来薄くなる可能性のある範囲も考慮する必要があります。
感染や毛のう炎など
頻度は高くありませんが、術後に感染、毛のう炎、膿疱などが生じることがあります。
移植部やドナー部の強い痛み、腫れ、熱感、膿、出血が続く場合などは、自己判断せず、早めに手術を受けたクリニックへ相談することが大切です。
発毛や仕上がりには個人差がある
移植したすべての毛包が必ず同じように発毛するわけではありません。生着率、発毛する時期、毛の太さや長さには個人差があります。
また、3,000株を移植しても、薄毛の範囲が広い場合や既存毛が少ない場合には、希望した密度に届かないことがあります。
手術前には、期待できる変化だけでなく、傷痕、ドナー部への影響、将来の追加植毛の可能性を含めて説明を受けることが重要です。
植毛3,000株の費用目安
自毛植毛は自由診療であり、費用はクリニックや術式、移植する株数によって異なります。
紀尾井町クリニックの植毛費用は、「手術費+1株あたりの移植費×株数」で計算します。3,000株を移植する場合の費用目安は、次のとおりです。
| 術式・部位 | 計算式 | 費用目安 |
| FUT法 | 手術費22万円+660円×3,000株 | 220 万円(税込) |
| FUE法 | 手術費22万円+990円×3,000株 | 319 万円(税込) |
※ 手術前には感染症チェックのために血液検査:4,000円(税込)が必要になります。
※ 実際の費用は、移植部位、術式、必要株数などによって異なります。
※ 最新の費用は、植毛の費用・料金ページをご確認ください。
FUT法で3,000株を移植する場合
FUT法で3,000株を移植する場合の費用目安は、220万円(税込)です。
3,000株規模の植毛は、通常より多くの株数を1回で採取・移植する「メガセッション」として行われる場合があります。FUT法では、後頭部や側頭部の頭皮を帯状に採取し、採取した組織を毛包単位に分けることで、まとまった株数を確保します。
ただし、すべての方が1回の手術で3,000株を採取できるわけではありません。ドナー部の密度、頭皮の柔らかさ、毛髪の太さ、過去の手術歴、採取できる範囲などによっては、予定した株数を確保できない場合や、複数回に分けた方が適している場合があります。
FUE法の料金表で3,000株を計算した場合
料金表に基づいてFUE法で3,000株を計算した場合、費用目安は319万円(税込)です。
ただし、FUE法では毛包を1株ずつくり抜いて採取するため、3,000株を採取すると、原則として3,000か所に点状の採取痕が残ります。採取する株数が増えるほど、後頭部や側頭部の密度が低下し、将来的な追加植毛に使えるドナーも少なくなる可能性があります。
当院では、FUE法による過剰採取を避けるため、1,000株以上の植毛ではFUT法を推奨し、FUE法による植毛は基本的に1回1,000株未満としています。そのため、3,000株規模の植毛では、料金だけでなく、ドナー部への影響や将来の治療計画を踏まえてFUT法を中心に検討します。
3,000株を複数回に分ける場合の費用
薄毛の範囲やドナー部の状態によっては、3,000株を1回で移植せず、複数回に分けて行うことがあります。
複数回に分ける場合は、手術を行うたびに手術費が必要となるため、3,000株を1回で移植する場合よりも総額が高くなる可能性があります。
例えば、FUT法で1,500株ずつ2回に分ける場合は、次の計算になります。
| 内容 | 計算式 | 費用目安 |
| 1回目・1,500株 | 手術費22万円+660円×1,500株 | 121万円(税込) |
| 2回目・1,500株 | 手術費22万円+660円×1,500株 | 121万円(税込) |
| 2回の合計 | 121万円×2回 | 242万円(税込) |
一度に3,000株を移植する場合の220万円(税込)と比べると、手術費1回分にあたる22万円の差が生じます。
ただし、複数回に分けるかどうかは、費用だけで決めるものではありません。初回の発毛経過や既存毛の変化を確認してから次の移植範囲を決められることや、将来の薄毛進行に合わせて株数を配分しやすいことなど、段階的に行う利点もあります。
費用を比較するときの確認事項
植毛費用を比較するときは、1株あたりの単価だけでなく、最終的に支払う総額を確認することが大切です。
クリニックによっては、手術費、血液検査費、診察費、薬代、麻酔代、術後の診察費などが別途必要になる場合があります。また、「1株」が毛髪1本を指すのか、複数本の毛髪を含む毛包単位を指すのかも確認が必要です。
3,000株は費用も大きくなるため、次の点を事前に確認しましょう。
- 見積もりに含まれる費用
- 追加料金が発生する条件
- 提示された株数の根拠
- 1回で移植するのか、複数回に分けるのか
- FUT法・FUE法を選ぶ理由
- 術後の診察や相談にかかる費用
- 予定した株数を採取できなかった場合の費用
3,000株の植毛を検討する際は、費用の安さだけで判断せず、移植範囲、必要な密度、ドナー部への影響、将来的な追加植毛の可能性まで含めて治療計画を確認することが重要です。
自毛植毛の費用については、「植毛費用を比較するときの注意点|見積もり・内訳・必要株数の確認方法」も併せてご参照ください。
3,000株ではFUT法とFUE法のどちらがよい?
自毛植毛の主なドナー採取方法には、FUT法とFUE法があります。
どちらか一方が常に優れているわけではありませんが、3,000株は大きな移植数であるため、傷痕の形だけでなく、まとまった株数を無理なく採取できるか、将来の追加植毛に使うドナーを残せるかという視点が重要です。
一般的に、3,000株のような大きな移植数では、まとまった株数を確保しやすいFUT法が選択肢になります。一方、FUE法で3,000株を採取する場合は、点状の採取痕が広範囲に生じ、ドナー部全体の密度が低下する可能性があります。
なお、紀尾井町クリニックでは、FUE法による過剰採取を避けるため、1,000株以上の植毛ではFUT法を推奨し、FUE法は基本的に1回1,000株未満としています。そのため、3,000株規模ではFUT法を中心に検討します。
| 項目 | FUT法 | FUE法 |
| 採取方法 | 後頭部・側頭部の頭皮を帯状に採取した後、毛包単位に分けていく | 後頭部・側頭部のエリアから毛包を1株ずつくり抜いて採取していく |
| 傷痕 | 線状の傷痕が残る | 採取した数だけ点状の傷痕が残る |
| 3,000株での考え方 | まとまった株数を採取する方法として中心的に検討される | 採取できる場合もあるが、ドナー密度低下に注意が必要 |
| 費用 | FUE法より抑えやすい | FUT法より高くなる |
| 主な注意点 | 短髪では線状の傷痕が見える可能性がある | 採取数が増えるほどドナー部全体の毛量が減少していく |
| 将来の追加植毛 | ドナーを計画的に使いやすい | 初回に多く採取すると、将来の選択肢が限られる可能性がある |
FUT法で3,000株を移植する場合
FUT法は、後頭部や側頭部の頭皮を帯状に採取し、採取した組織を顕微鏡下で毛包単位に分ける方法です。毛包を1株ずつくり抜くFUE法と比べて、まとまった株数を確保しやすいため、3,000株のような大きな移植数で検討されます。
3,000株規模の植毛は、通常より多くの株数を1回で採取・移植する「FUTメガセッション」として行われる場合があります。
ただし、FUT法を選択すれば、すべての方が必ず1回で3,000株を移植できるわけではありません。実際に採取できる株数は、ドナー密度、毛髪の太さ、頭皮の柔らかさ、過去の手術歴、採取できる範囲などによって異なります。
また、技術的に3,000株を採取できる場合でも、一度に3,000株を使用することが長期的な治療計画として適しているとは限りません。将来のAGAの進行や追加植毛の可能性によっては、複数回に分けて段階的に行うこともあります。
FUT法では、ドナー部に線状の傷痕が残ります。通常は周囲の髪をある程度伸ばすことで隠しやすくなりますが、髪を極端に短くすると傷痕が見える可能性があります。
FUT法については、「FUT法でよくある質問と回答」も併せてご参照ください。
FUE法で3,000株を採取する場合
FUE法は、専用のパンチ器具を使用し、後頭部や側頭部から毛包を1株ずつくり抜いて採取する方法です。
頭皮を帯状に切除しないため、FUT法のような線状の傷痕は残りません。一方、採取した数だけ小さな点状の傷痕が分散して残ります。
FUE法で3,000株を採取する場合は、原則として3,000か所から毛包を採取することになります。採取範囲が広くなり、後頭部や側頭部の毛量が減るため、採取数によっては地肌が透けたり、まだらに薄く見えたりする可能性があります。
また、安全なドナー範囲や将来の採取余力を踏まえると、FUE法で生涯に採取できる株数には限りがあります。採取可能な株数は、ドナー部の広さや密度、毛髪の太さ、過去の採取歴などによって異なりますが、約2,000〜3,000株程度がひとつの目安とされることがあります。そのため、初回のFUE法で3,000株を採取すると、将来的な追加植毛に使えるドナーが限られる可能性があります。
紀尾井町クリニックでは、FUE法による過剰採取を避けるため、1,000株以上の植毛ではFUT法を推奨し、FUE法は基本的に1回1,000株未満としています。
FUE法については、「FUE法でよくある質問と回答」も併せてご参照ください。
3,000株での術式選択の考え方
3,000株の術式を選ぶ際は、「線状の傷痕を避けたい」という希望だけで決めるのではなく、ドナー部全体への影響を比較することが大切です。
FUT法では線状の傷痕が残りますが、まとまった株数を効率よく採取しやすい特徴があります。FUE法では線状の傷痕は残りませんが、3,000株規模では点状の採取痕が広範囲に生じ、ドナー部全体の密度が低下する可能性があります。
特に将来的なAGAの進行や追加植毛が予想される場合は、今回の手術だけでなく、生涯を通じてドナーをどのように使うかを考える必要があります。
傷痕の残り方、希望する髪型、費用、採取可能な株数、将来の治療計画を総合的に確認したうえで、適した術式を判断します。
1回で行う場合と段階的に行う場合
3,000株を1回で移植すると、比較的広い範囲を一度に補え、手術回数を減らせる場合があります。
一方、薄毛の進行が今後も予想される場合や、前頭部と頭頂部のどちらを優先すべきか判断しにくい場合は、複数回に分けて段階的に行う方法もあります。
例えば、初回は正面から見た印象に影響しやすい生え際や前頭部を優先し、発毛経過や既存毛の変化を確認してから、頭頂部への追加植毛を検討する方法です。
3,000株を1回で行うか、段階的に行うかは、薄毛の範囲、ドナー部の状態、希望する仕上がり、将来のAGAの進行、追加植毛の可能性などを踏まえて判断します。
3,000株を有効に使うためのポイント
植毛3,000株は比較的広い範囲を補える株数ですが、すべての部位へ均等に配分すると、見た目の密度が不足することがあります。
3,000株を有効に使うには、気になる部位をすべて同じように補うのではなく、見た目への影響、既存毛の状態、将来の薄毛進行などを踏まえて、移植する範囲と優先順位を決めることが重要です。
| 配分の考え方 | 主な目的 |
| 生え際・前頭部を優先する | 正面から見た印象を補う |
| 頭頂部を優先する | つむじ周囲や頭頂部の透け感を補う |
| 前頭部と頭頂部へ配分する | 複数の部位をバランスよく補う |
| 将来の追加植毛を想定する | 初回で使う株数や範囲を絞る |
生え際・前頭部を優先する
生え際や前頭部は、正面から見た印象に影響しやすい部位です。そのため、前頭部から頭頂部まで広く薄毛がある場合でも、生え際や前頭部へ多めに株数を配分することがあります。
生え際の輪郭だけでなく、その奥の前頭部にも株数を配分することで、前髪を下ろしたときや髪を分けたときの地肌の透け感を補いやすくなります。
ただし、生え際を必要以上に下げると、新たに毛を配置する面積が広がり、前頭部の奥側へ使える株数が少なくなります。現在の顔立ちだけでなく、将来の薄毛進行も考慮した位置に設定することが大切です。
頭頂部を優先する
前頭部の既存毛がある程度残っており、つむじ周囲や頭頂部の透け感が特に気になる場合は、頭頂部を中心に3,000株を配分することがあります。
頭頂部では、つむじの中心や特に地肌が目立つ範囲へ重点的に植えることで、広い範囲へ薄く分散するよりも見た目の変化を得やすい場合があります。
また、髪が放射状に広がる部位であるため、単に株数を増やすだけでなく、既存のつむじの位置や毛流れに合わせて移植することが重要です。
前頭部と頭頂部へ配分する
前頭部と頭頂部の両方が気になる場合は、3,000株を複数の部位へ分けて移植することもあります。
例えば、前頭部へ多めに配分し、残りをつむじ周囲へ配置する方法があります。前頭部の既存毛が比較的多い場合は、頭頂部へ多めに配分する計画も考えられます。
ただし、前頭部と頭頂部の両方を同じ密度で補おうとすると、どちらも密度が不足する可能性があります。複数の部位へ移植する場合は、どこを最も改善したいのかを明確にする必要があります。
将来の追加植毛に備えてドナーを残す
3,000株は、ドナー部から採取する量としても大きな株数です。
AGAが今後も進行すると、現在は毛が残っている部位が将来的に薄くなり、追加植毛が必要になる可能性があります。そのため、採取できるからといって、初回の手術でドナーをできるだけ多く使うことが常に適切とは限りません。
薄毛の範囲が広い場合は、初回に生え際や前頭部などを優先して移植し、その後の発毛経過や既存毛の変化を見ながら、頭頂部などへの追加植毛を検討する方法もあります。
3,000株を有効に使うためには、今回の仕上がりだけでなく、将来的に使用できるドナーをどの程度残すかまで含めて治療計画を立てることが重要です。
ドナー部の特性について詳しくは、「ドナーエリアはなぜAGAに強いのか?自毛植毛で活用される理由とは」も併せてご参照ください。
薬物療法との併用を検討するケース
AGAが関係している薄毛では、自毛植毛とあわせて薬物療法を検討することがあります。
自毛植毛は、後頭部や側頭部から採取した毛包を薄毛の部位へ移植し、毛量を補う治療です。一方、AGA治療薬は、主に移植していない既存毛の維持や薄毛の進行抑制を目的として使用されます。
3,000株の植毛によって生え際や前頭部、頭頂部を補っても、周囲に残っている既存毛がAGAの影響で細くなったり抜けたりする可能性があります。そのため、現在の移植範囲だけでなく、将来的な既存毛の変化も考えて治療計画を立てることが重要です。
既存毛が残っているケース
前頭部や頭頂部に既存毛が残っている場合は、移植毛と既存毛が重なることで、見た目の密度を補いやすくなることがあります。
一方、既存毛がAGAによって細くなっている場合は、植毛後も薄毛が進行する可能性があります。移植毛が発毛しても、その周囲の既存毛が減少すると、再び地肌が目立つことがあります。
このような場合には、既存毛を維持する目的で、AGA治療薬の使用を検討することがあります。
将来的なAGAの進行が予想されるケース
若い年代の方や、現在も薄毛が進行している方では、手術時点では毛が残っている部位が、将来的に薄くなる可能性があります。
3,000株は大きな移植数ですが、前頭部から頭頂部までの広い範囲を将来にわたってすべて補えるとは限りません。植毛していない既存毛の減少を抑えることで、移植毛とのバランスを維持しやすくなる場合があります。
また、既存毛を維持できれば、将来的な追加植毛に必要となる株数を抑え、限られたドナーを残しやすくなる可能性もあります。
検討される主なAGA治療薬
AGAの薬物療法では、薄毛の状態や体質などに応じて、次のような治療薬が検討されます。
フィナステリドやデュタステリドは、AGAの進行に関係する男性ホルモンの働きを抑える目的で使用されます。ミノキシジルは、発毛を促す目的で使用される薬です。
治療薬にはそれぞれ副作用や使用できないケースがあるため、自己判断で使用せず、医師の診察を受けたうえで検討する必要があります。
すべての方に薬物療法が必要とは限らない
植毛3,000株を受けるすべての方に、AGA治療薬が必要というわけではありません。
薄毛の原因がAGAではない場合や、既存毛の状態、年齢、薄毛の進行度、薬の副作用、本人の希望などによって、薬物療法を行わないこともあります。
また、自毛植毛と薬物療法では、治療の目的が異なります。植毛は毛包が失われた部位へ毛を移す治療であり、薬物療法だけで失われた毛包を新たに作ることはできません。
3,000株の植毛を検討する際は、移植する範囲だけでなく、既存毛をどのように維持するか、将来のAGAの進行にどう対応するかも含めて、医師と相談することが大切です。
AGA治療薬については、「AGA治療薬とは?その効果や副作用を解説」も併せてご確認ください。
植毛3,000株に関するよくある質問
Q. 植毛3,000株は何本くらいですか?
A. 1株には通常1〜3本程度、場合によっては4本程度の毛髪が含まれ、 平均すると約2〜2.5本程度の毛髪が含まれます。そのため、3,000株は約6,000〜7,500本程度の毛髪に相当するのがひとつの目安です。
ただし、1株に含まれる毛髪本数には個人差があるため、必ずこの本数になるわけではありません。
Q. 植毛3,000株は多い株数ですか?
A. 3,000株は、自毛植毛の中では大きめの移植数です。
生え際の一部や浅いM字部分だけではなく、生え際から前頭部、前頭部全体、つむじ周囲を含む頭頂部の一定範囲など、比較的広い範囲を補う場合に検討されます。
一方、ドナー部から採取する量としても大きいため、今回の移植範囲だけでなく、将来的な追加植毛への影響も考える必要があります。
Q. 3,000株でどのくらいの範囲をカバーできますか?
A. 毛がほとんどない範囲へ1cm²あたり30〜40株程度で移植する場合、約75〜100cm²がひとつの目安です。
既存毛が残っている部位を20〜30株/cm²程度で補強する場合は、より広い範囲へ配分できることがあります。
ただし、計算上カバーできる面積と、十分な見た目の密度を得られる面積は同じとは限りません。髪の太さ、既存毛の量、移植する部位などによっても異なります。
Q. 3,000株で生え際はどのくらい下げられますか?
A. 現在の生え際の位置、M字部分の深さ、額の広さ、希望する密度などによって異なります。
生え際を下げるほど、新たに毛を配置する面積が広くなり、必要な株数も増えます。そのため、3,000株を使用しても、生え際を大きく下げながら、その奥の前頭部まで高密度に補うことが難しい場合があります。
将来の薄毛進行も考慮し、長期的に不自然になりにくい位置へ設定することが重要です。
Q. 3,000株で前頭部と頭頂部の両方に植毛できますか?
A. 薄毛の範囲や既存毛の状態によっては、前頭部と頭頂部の両方へ配分できます。
例えば、前頭部へ多めに配分し、残りをつむじ周囲へ植える方法があります。ただし、前頭部と頭頂部の両方を同じように高密度に補うには、3,000株でも不足することがあります。
複数の部位を補う場合は、どちらを優先するかを決めることが大切です。
Q. 3,000株で頭頂部全体をカバーできますか?
A. 頭頂部の薄毛範囲によって異なります。
つむじ周囲や頭頂部の一定範囲であれば、3,000株で補える場合があります。一方、頭頂部全体が広く薄くなっている場合は、3,000株を分散すると密度が不足する可能性があります。
広い範囲へ薄く植えるのではなく、特に透けが目立つ範囲へ重点的に配分することもあります。
Q. 3,000株は1回の手術で移植できますか?
A. FUT法では、ドナー密度、頭皮の柔らかさ、採取できる範囲などの条件が合えば、3,000株を1回で移植できる場合があります。
ただし、すべての方が1回で3,000株を採取できるわけではありません。また、技術的に採取できる場合でも、将来のAGAの進行や追加植毛の可能性を考え、複数回に分ける方が適していることもあります。
Q. 3,000株はFUTメガセッションになりますか?
A. 一般的に、通常より多くの株数を1回で移植する方法は、メガセッションと呼ばれることがあります。3,000株規模の植毛も、FUTメガセッションとして行われる場合があります。
ただし、メガセッションの明確な株数の定義は統一されていません。また、FUT法であれば必ず3,000株を1回で移植できるという意味ではありません。
実際に採取できる株数は、ドナー部の状態などによって異なります。
Q. 3,000株ではFUT法とFUE法のどちらが適していますか?
A. 3,000株のような大きな移植数では、まとまった株数を効率よく採取しやすいFUT法が中心的に検討されます。
FUE法でも3,000株を採取できる場合はありますが、採取した数だけ点状の傷痕が残り、ドナー部全体の密度が低下する可能性があります。
紀尾井町クリニックでは、過剰採取を避け、将来的な追加植毛の余地を残すため、1,000株以上の植毛ではFUT法を推奨し、FUE法は基本的に1回1,000株未満としています。
Q. FUE法で3,000株を採取すると後頭部は薄くなりますか?
A. FUE法では、毛包を採取した部分から毛が再び生えるわけではないため、採取数が増えるほどドナー部の毛量は減少します。
3,000株を採取すると、原則として3,000か所に点状の採取痕が生じます。採取する範囲や間隔によっては、後頭部や側頭部の地肌が透けたり、まだらに薄く見えたりする可能性があります。
ドナー密度や毛髪の太さなどを確認し、無理のない範囲で採取することが重要です。
Q. 植毛3,000株の費用はいくらですか?
A. 紀尾井町クリニックの料金では、FUT法で3,000株を移植する場合は220万円(税込)、FUE法の料金表で計算した場合は319万円(税込)です。
このほか、手術前の血液検査費として4,000円(税込)が必要です。ただし、当院では3,000株規模の場合、ドナー部への影響を考慮し、FUT法を中心に検討します。
Q. 植毛3,000株と2,000株では何が違いますか?
A. 3,000株は2,000株よりも1,000株多く、毛髪本数に換算すると約2,000〜2,500本程度多くなる計算です。
そのため、2,000株より広い範囲を補ったり、同じ範囲へより多くの株数を配分したりできる可能性があります。
一方で、ドナー部から採取する量も増えるため、3,000株では術式の選択や将来の採取余力を、より慎重に考える必要があり、状態によっては段階的に検討される事もあります。
Q. 3,000株を移植した後に追加植毛はできますか?
A. ドナー部に採取できる余力が残っていれば、経過を確認したうえで追加植毛を検討できる場合があります。
ただし、追加できる株数は、初回の採取方法、ドナー密度、傷痕の状態、AGAの進行などによって異なります。
初回の3,000株だけでなく、生涯を通じて使用できるドナーの量を考えながら、治療計画を立てることが大切です。
Q. 植毛3,000株の変化はいつ頃から分かりますか?
A. 一般的には、術後3〜6か月頃から新しい毛が少しずつ生え始め、6〜12か月頃になると見た目の変化を感じやすくなります。
移植毛の太さや長さが整い、最終的な仕上がりを確認するまでには、12〜18か月程度かかることがあります。
発毛の時期や変化の感じ方には個人差があるため、術後早期の状態だけで結果を判断しないことが大切です。
まとめ
植毛3,000株は、一般的に約6,000〜7,500本程度の毛髪に相当し、自毛植毛の中では大きめの移植数に分類されます。生え際から前頭部にかけての広い範囲、前頭部全体、つむじ周囲を含む頭頂部の一定範囲などを補う場合に検討されます。
毛がほとんどない範囲へ1cm²あたり30〜40株程度で移植する場合、3,000株で補える面積は約75〜100cm²がひとつの目安です。既存毛が残っている部位を補強する場合は、より広い範囲へ配分できることがあります。ただし、前頭部から頭頂部まで広く分散すると、部位ごとの密度が不足し、見た目の変化を感じにくくなる可能性があります。
また、3,000株はドナー部から採取する量としても大きな株数です。3,000株規模では、まとまった株数を確保しやすいFUT法が選択肢となる一方、FUE法で多くの株数を採取する場合は、点状の採取痕やドナー部の密度低下、将来の採取余力への影響を慎重に判断する必要があります。なお、紀尾井町クリニックでは、3,000株規模の植毛についてはFUT法を中心に検討しています。
FUT法では、ドナー密度や頭皮の柔らかさなどの条件が合えば、3,000株を1回の手術で移植できる場合があります。一方で、薄毛の範囲や将来的なAGAの進行によっては、初回に優先部位を補い、経過を確認しながら追加植毛を検討する方が適していることもあります。
3,000株でどの範囲を補えるか、どの術式が適しているかは、薄毛の範囲、既存毛の量、毛髪の太さ、ドナー部の状態、希望する仕上がりなどによって異なります。株数の多さだけで判断せず、今回優先する部位と将来使用するドナーの両方を考え、医師の診察を受けたうえで治療計画を立てることが大切です。
紀尾井町クリニックでは、FUT法とFUE法の両方に対応し、移植範囲やドナー部の状態、将来的な薄毛の進行を確認したうえで、適した株数や術式をご案内しています。植毛3,000株前後の費用や治療計画についても、診察時にご相談いただけますので、まずはお気軽にご相談ください。
第三者サイトに掲載されている当院の評価(Caloo)
紀尾井町クリニックの自毛植毛や薄毛治療については、
医療口コミサイト「Caloo」にて、
実際に受診した方による評価・口コミが掲載されています。
監修医師プロフィール
東邦大学医学部医学科卒業後、同大学附属病院泌尿器科に入局し、以降10年以上に渡り手術加療を中心に臨床に従事。男性型脱毛症(AGA)にも関連するアンドロロジー(男性学)の臨床に関わる。2021年より紀尾井町クリニックにて、自毛植毛を中心に薬物治療を組み合わせてAGA治療を行っている。著書として『薄毛の治し方』(現代書林社)を上梓。(詳細プロフィールはこちら)
AGA治療・自毛植毛|紀尾井町クリニック東京本院 院長
日本泌尿器科学会専門医・同指導医
国際毛髪外科学会 会員
医師 中島 陽太

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