薄毛(はげ)と喫煙の関係【医師監修】

結論サマリー
喫煙は血流低下・活性酸素増加・ホルモン変動を通じて毛周期(ヘアサイクル)を乱し、薄毛(はげ)やAGAの悪化に関与する可能性があります(体質差あり)。
禁煙・減煙で頭皮環境の改善が期待できるため、本数調整や禁煙外来の活用など無理のない対策が有効です。
【要点】薄毛と喫煙の関係は?
・喫煙は血管を収縮させ、頭皮の血流と毛根への栄養供給を低下させる
・喫煙によりDHTが増え、AGAの進行リスクが高まる
・タバコの活性酸素が毛母細胞を傷つけ、薄毛や白髪を促進する
・禁煙により血流とホルモン環境が改善し、髪が育ちやすくなる
薄毛と喫煙の関係は誤解されやすいテーマです。本コラムでは、喫煙が髪や頭皮にどのような影響を及ぼすのかを一般的な医学的視点から解説していきます。
喫煙と薄毛は関係ある?
結論から言えば、喫煙習慣は薄毛のリスク要因のひとつと考えられます。ただし、喫煙だけで髪の状態が全て決まるわけではありません。髪の量や健康状態には、遺伝的な素質、加齢、ストレス、睡眠、食生活など複数の要因が深く関わっています。そのため、喫煙していても髪がしっかりしている人もいれば、逆に非喫煙者でも薄毛に悩む人がいるのは自然なことです。
一方で、「タバコと薄毛は全く関係ない」と言い切るのも早計です。タバコが頭皮や毛髪に与える悪影響があることは医学的にも指摘されており、完全に無視できる存在ではありません。喫煙によって頭皮の血行が悪化したり、ホルモンバランスが乱れたり、毛根への栄養供給が妨げられる可能性がある以上、薄毛の進行に影響を与えていると考えられます。「タバコを吸っていても髪がふさふさの人もいるから関係ない」と思う方もいるかもしれませんが、それは遺伝や体質など他の要因が影響している場合もあります。重要なのは、喫煙が髪や頭皮にとって基本的にマイナスの要素であることを理解しておくことです。
このように、喫煙と薄毛の関係は一概に断定できるものではありませんが、医学的な視点から喫煙が体に及ぼす影響を考慮した上で、喫煙と薄毛の関係を正しく理解する姿勢が大切です。次章では、喫煙が髪や頭皮にどのような影響を与えるのか、その主なメカニズムについて具体的に見ていきましょう。そこから、薄毛に悩む方が今後とるべき対策のヒントが見えてくるはずです。
喫煙が髪・頭皮に及ぼす主な影響
喫煙が健康に悪影響を与えることは広く知られていますが、髪の毛や頭皮に対しても以下のようなマイナス作用を及ぼすことが分かっています。タバコに含まれる有害物質がどのように毛髪の成長を妨げ、薄毛を進行させるのか、主なポイントを押さえておきましょう。
血行不良(栄養不足)
喫煙による最大の悪影響は、頭皮の血行不良を引き起こす点です。タバコに含まれるニコチンの作用で血管が収縮し、頭皮への血流が悪化します。その結果、髪の毛の成長に必要な酸素や栄養素が毛根まで十分に届かなくなり、髪が十分に育たず細く抜けやすい状態になってしまいます。いわば髪の毛にとっての「栄養失調」を招くようなもので、これが喫煙者の髪がコシやハリを失いやすくなる一因です。
ホルモンバランスの乱れ
喫煙は体内のホルモン環境に影響を与えることが知られており、それが髪の成長サイクルにも少なからず関係していると考えられます。特に男性では、喫煙により体内で生成されるジヒドロテストステロン(DHT)の濃度が高くなる傾向があります(PubMed Central)。DHTは男性型脱毛症(AGA)の主因とされるホルモンで、毛包(毛根の組織)に作用して成長期を短縮させ、髪を細く短くし、やがて抜け毛を増やす原因になります。喫煙によって血流が悪化すると、毛根に十分な酸素や栄養が届きにくくなり、DHTの影響を受けやすい頭皮環境になることも考えられます。一方、女性においても喫煙はホルモンに影響を及ぼします。特に女性ホルモンであるエストロゲンの分泌や代謝に変化が生じることで、髪の成長を支えるサイクルが乱れやすくなります。エストロゲンには髪の成長を促進し、抜け毛を抑える働きがありますが、その分泌量が減少すると、髪のハリやコシが失われ、全体的なボリュームダウンを招く可能性があります。このように、喫煙は男女問わずホルモンバランスの乱れを通じて、髪の成長に不利な影響を与えることがあり、結果として抜け毛や薄毛のリスクを高める要因の一つになり得ます。ホルモンの働きは髪の健康と密接に関わっているため、頭皮環境の健全化を考える上で、喫煙によるホルモン変動は見過ごせないポイントといえるでしょう。
酸化ストレス(細胞の老化)
喫煙は体内の酸化ストレスを増大させることも知られています(出典:PubMed Central)。タバコの煙に含まれるタールや一酸化炭素などの有害物質は大量の活性酸素を発生させます。活性酸素は体の細胞を酸化させて老化を早める厄介者で、もちろん髪の毛を作る毛母細胞にもダメージを与えます。喫煙によって増えた活性酸素の影響で毛母細胞が酸化・老化すると、髪の毛の成長力が低下して抜け毛が増えたり、細く弱々しい髪しか生えなくなってしまう可能性があります。また、酸化ストレスは髪のメラニン色素を作る細胞(メラノサイト)も傷つけるため、白髪が増えるリスクも高まります。このようにタバコによる酸化ストレスの蓄積は、薄毛の進行のみならず髪の老化全般を促進してしまうのです。
以上のように、喫煙は血流・ホルモン・細胞老化の三方向から髪と頭皮に負荷をかけ、総合的に薄毛リスクを高めてしまいます。つまり「タバコは髪にとっても百害あって一利なし」と言っても過言ではないのです。髪の健康のためには喫煙しないに越したことはないということです。
禁煙のメリット
「薄毛のことを考えると禁煙した方が良い」と頭では分かっていても、長年の習慣を断つのは簡単ではありません。それでも禁煙に踏み切るだけのメリットがあることを知れば、一歩を踏み出す動機になるかもしれません。ここでは禁煙によって得られる髪や健康への良い変化について確認していきましょう。
頭皮の血行が改善する
禁煙すると、それまでニコチンによって妨げられていた頭皮の血流が徐々に回復して来ることが期待できます。血行が良くなれば毛根への酸素・栄養の供給もスムーズになり、健康な髪が育ちやすい環境に近づきます。事実、育毛剤にも血行促進効果のある成分がよく使われるほど、頭皮の血行状態は髪の成長にとって重要です。禁煙によって頭皮の血行が良くなるだけでも、抜け毛・薄毛予防に大きな効果が期待できるでしょう。
頭皮環境の改善(乾燥の緩和)
喫煙をやめることで頭皮の乾燥や皮膚トラブルが改善する場合もあります。タバコに含まれる様々な化学物質は肌に有害で、喫煙習慣のある人は肌質が荒れたり乾燥しやすくなる傾向があります。頭皮も皮膚の一部ですから、同様に喫煙によって水分保持力が低下しフケ・かゆみ・炎症などが起きやすくなる場合があります。禁煙すればこうした頭皮の乾燥傾向が緩和され、地肌のコンディションが整って髪が健やかに育ちやすくなることが期待できます。潤いのある正常な頭皮環境は、それ自体が抜け毛対策の土台になります。
ホルモンバランスの安定
前述のように喫煙は男性ホルモン(DHT)の増加を招きやすいとされていますが、禁煙することで余計なホルモン増加を食い止める効果も期待できます。したがって、喫煙習慣を断てばホルモンバランスが正常化し、抜け毛や薄毛の進行が緩やかになる可能性があります。もちろん個人差はありますが、少なくともタバコによる悪影響を一つ取り除けることは髪にとってプラス材料と言えるでしょう。
全身の健康改善による相乗効果
禁煙のメリットは髪や頭皮に留まりません。肺や心臓をはじめ全身の機能が回復し始め、体調が良くなることで気力が向上したり睡眠の質が改善する事が期待できます。十分な睡眠がとれるようになれば成長ホルモンの分泌も促されますし、運動もしやすくなって代謝が上がれば頭皮への血行もさらに良くなります。禁煙は全身の健康を底上げすることで間接的に髪の発育を後押ししてくれる側面もあるのです。
このように、禁煙には髪の毛の成長環境を改善する数多くのメリットがあります。なお、極端なストレスは血管収縮を招き抜け毛を悪化させる可能性があるため、無理のない形で禁煙を進めることが大切です。ニコチン依存の強い方がいきなり完全にタバコを断つと精神的・肉体的負担が大きい場合もあります。そうした場合は少しずつ本数を減らしたり、禁煙外来を利用するなどのサポートを受けるのも一つの方法です。
まとめ
喫煙は血行不良や酸化ストレス、ホルモンバランスの乱れを通じて、髪や頭皮の環境を悪化させる要因となります。薄毛の主因は遺伝や加齢など複合的ですが、喫煙はそれを助長する可能性があります。髪の健康を守るためには、禁煙を含めた生活習慣の見直しが大切です。
1998年よりAGA治療・自毛植毛専門院として実績を持つ紀尾井町クリニックでは、長年のノウハウを持った医師が診療にあたり、カウンセリングからデザイン策定、施術まで一貫して担当します。豊富な症例数に裏打ちされた確かなデザイン力と技術力で、それぞれの「こうなりたい」に寄り添った自毛植毛治療を提供していますので、まずはお気軽にご相談ください。
第三者サイトに掲載されている当院の評価(Caloo)
紀尾井町クリニックの自毛植毛や薄毛治療については、
医療口コミサイト「Caloo」にて、
実際に受診した方による評価・口コミが掲載されています。
監修医師プロフィール
東邦大学医学部医学科卒業後、同大学附属病院泌尿器科に入局し、以降10年以上に渡り手術加療を中心に臨床に従事。男性型脱毛症(AGA)にも関連するアンドロロジー(男性学)の臨床に関わる。2021年より紀尾井町クリニックにて、自毛植毛を中心に薬物治療を組み合わせてAGA治療を行っている。著書として『薄毛の治し方』(現代書林社)を上梓。(詳細プロフィールはこちら)
AGA治療・自毛植毛|紀尾井町クリニック東京本院 院長
日本泌尿器科学会専門医・同指導医
国際毛髪外科学会 会員
医師 中島 陽太

![【公式】紀尾井町クリニック-自毛植毛専門27年[東京・大阪]](https://nhtjapan.com/wp-content/uploads/2023/07/7a4ef5b5682312e160c5633fbcc7286a6bc28ed89c74c9ccfa1b96f7adb3cef2.jpg)