薄毛(はげ)と睡眠の関係【医師監修】

結論サマリー
薄毛と睡眠の関係を踏まえると、睡眠不足は成長ホルモン低下や血行不良を通じて抜け毛・ヘアサイクルの乱れを招き、薄毛が進みやすくなります。
7〜8時間睡眠を確保し、就寝前の飲酒・遅い食事・スマホを控えて睡眠の質を整えることが、薄毛対策の基本です。
【要点】薄毛と睡眠の関係は?
・睡眠中に分泌される成長ホルモンとIGF-1が、毛母細胞の働きを支え髪の成長を促す
・睡眠不足はホルモン乱れと血行低下を招き、ヘアサイクルを乱す
・髪に最も重要なのは、就寝直後の深いノンレム睡眠である
・良質な睡眠は、抜け毛を抑え太く健康な髪を育てる土台になる
本コラムでは、睡眠の質やホルモンバランス、生活習慣などあらゆる観点から、なぜ良質な睡眠が髪にとって大切なのか、睡眠不足が薄毛にどのように影響するのか、髪のために今日からできる睡眠習慣の改善ポイントなどを紹介していきます。
- 1. 結論サマリー
- 2. 睡眠中の身体の働きと髪の成長
- 2.1. 成長ホルモンと「髪のゴールデンタイム」
- 3. 睡眠不足が髪に及ぼす影響
- 3.1. 成長ホルモンの分泌低下と髪の成長阻害
- 3.2. ホルモンバランスの乱れ(ストレスホルモンの増加)
- 3.3. 自律神経の乱れと血行不良
- 3.4. 免疫力低下と頭皮環境の悪化
- 4. 良質な睡眠を取るために心がけたいこと
- 4.1. 睡眠時間とリズムを整える
- 4.1.1. 適切な睡眠時間の確保
- 4.1.2. 規則正しい生活リズム
- 4.1.3. 22時~2時には寝ているようにする
- 4.2. 就寝前の習慣に注意する
- 4.2.1. カフェインやアルコールの摂取を避ける
- 4.2.2. スマホやパソコンの使用を控える
- 4.2.3. 激しい運動は避ける
- 4.2.4. 遅い時間の食事を控える
- 4.2.5. 就寝前の入浴はぬるめのお湯で
- 4.3. 快適な睡眠環境を整える
- 4.3.1. 室温と湿度の調整
- 4.3.2. 照明を工夫する
- 4.3.3. 静かな寝室にする
- 4.4. 朝の習慣で体内時計リセット
- 4.4.1. 朝起きたら日光を浴びる
- 4.4.2. 朝食をしっかり食べる
- 4.4.3. 軽い運動で身体を目覚めさせる
- 4.5. 髪と睡眠のための生活習慣改善
- 4.5.1. バランスの良い食事を心がける
- 4.5.2. 適度な運動習慣を続ける
- 4.5.3. 喫煙を控える
- 4.5.4. 飲酒は適度に
- 4.5.5. ストレスを溜めない工夫
- 5. まとめ
睡眠中の身体の働きと髪の成長
睡眠不足と薄毛の進行には関連がある、と一般的に言われていますが、それは本当なんでしょうか。結論を先に言えば、薄毛と睡眠には関連があります。髪の毛の成長を促す成長ホルモンは、特に夜間の睡眠中に多く分泌されることが知られており、これが髪の毛の発育にポジティブな影響を与えます。逆にいえば、睡眠不足や不規則な生活サイクルにより成長ホルモンの分泌が低下すると、髪の毛やヘアサイクルにもネガティブな影響を与えてしまうのです。
人間の身体は眠っている間にただ休息しているだけではなく、さまざまな重要な働きを行っています。深い睡眠中には脳と体を休ませつつ、成長ホルモンなどの重要なホルモンが分泌され、全身の細胞修復や再生が行われます。この成長ホルモンは髪の毛の成長にも深く関与しており、毛根の細胞分裂を促して髪を育てる役割を担っています。実際、髪の成長や新陳代謝に不可欠な成長ホルモンは睡眠中に分泌されることが知られており、睡眠不足になると十分に分泌されず髪にマイナスの影響を及ぼすのです。つまり質の高い睡眠は髪の健康維持に欠かせない要素と言えるでしょう。
成長ホルモンと「髪のゴールデンタイム」
成長ホルモンの分泌には時間帯と睡眠の深さが関係しています。就寝後最初のノンレム睡眠(深い眠り)のタイミングで成長ホルモンは最も多く分泌されます。一般的に、夜22時~午前2時頃は成長ホルモン分泌のピークとされており、生活リズムの為にもこの時間にしっかり熟睡していることが大切です。昔から「お肌のゴールデンタイム」とも言われますが、髪にとっても同様に、この時間帯にぐっすり眠ることで毛包(毛根)の修復・再生が促されます。逆に、この時間帯に起きていたり浅い睡眠しか取れていないなど、睡眠自体の時間が充分に取れていないと、成長ホルモンの分泌量が不足してしまい、髪の成長スピードが落ちたり髪が細く弱くなったりする可能性があります。成長ホルモンは肝臓でIGF-1(インスリン様成長因子)という物質の産出も促しますが、IGF-1は毛髪の成長期を支える重要な因子で、不足すると髪が細く切れやすくなることが分かっています。十分な睡眠により成長ホルモンとIGF-1がしっかり分泌されることが、太くコシのある健康な髪を育む土台となるのです。
なお、一般的に「夜22時〜午前2時は成長ホルモンの分泌が盛んな時間帯」と紹介していますが、これはその時間が特別に決まっているという意味ではありません。成長ホルモンの分泌量が最も大きくなるのは、「就寝直後に訪れる最初の深いノンレム睡眠(徐波睡眠)」であり、この深いノンレム睡眠が多くの人にとっての生活リズムで考えると22時〜2時頃に重なりやすいため、分泌ピークのひとつの分かりやすい目安として使っています。言い換えると、重要なのは「何時か」ではなく、睡眠リズムが整っており、入眠後にしっかり深い睡眠へ入れるかどうかです。生活習慣の影響で就寝時刻が遅い場合、成長ホルモンが多く分泌されるタイミングも同様に後ろへずれます。
睡眠不足が髪に及ぼす影響
それでは、睡眠が不足すると具体的に髪や頭皮にどのような悪影響が出るのでしょうか。慢性的な睡眠不足は体の様々な機能を乱し、結果として薄毛のリスクを高める要因になり得ます。
成長ホルモンの分泌低下と髪の成長阻害
前述のように睡眠不足は成長ホルモンの分泌量を減少させてしまいます。成長ホルモン不足により毛根の細胞増殖や髪の生成が鈍ると、髪の成長サイクルが乱れ、抜け毛が増えたり新しく生えてくる髪が細く弱々しくなったりします。十分な睡眠が取れない状態が続くと、髪は本来の成長ペースを維持できず、薄毛が進行してしまう恐れがあります。
ホルモンバランスの乱れ(ストレスホルモンの増加)
寝不足の状態では、身体にストレスがかかりコルチゾールというストレスホルモンの分泌量が増加します。コルチゾールはストレス反応である「闘争か逃走か」反応(fight or flight response)時に出るホルモンで、本来は必要なものですが、慢性的に高い状態が続くと毛根の細胞活動を抑制し、ヘアサイクルを乱してしまう可能性があります。高コルチゾール状態は髪の成長期を短縮させたり、休止期・脱毛期を早めたりすることにつながることが報告されており、結果的に抜け毛を引き起こす一因となります。またホルモンバランスの乱れは男女問わず薄毛に影響し、女性のびまん性の脱毛(いわゆるFAGA)でも、睡眠不足やストレスによるホルモン変動が症状を悪化させる可能性があります。
自律神経の乱れと血行不良
睡眠不足や不規則な睡眠パターンは私たちの体内時計(概日リズム)を乱し、自律神経のバランスを崩します。自律神経が乱れると血管の収縮・拡張リズムも崩れてしまい、頭皮の血行が悪化しがちです。髪の成長には毛根への十分な血液供給(酸素や栄養の供給)が不可欠ですが、睡眠不足により深い睡眠が減ると本来睡眠中に高まるはずの末梢血管の血流が確保されにくくなります。その結果、毛根に栄養が行き渡らず髪が育ちにくい状態になります。さらに体全体のエネルギー代謝も低下し、エネルギー消費の激しい毛母細胞の働きが落ちてしまう可能性もあります。
免疫力低下と頭皮環境の悪化
質の良い睡眠は免疫機能を正常に保つ上でも重要です。慢性的な寝不足は免疫力を低下させ、体の修復機能を弱めます。皮膚(頭皮)も睡眠中にダメージ修復が行われますが、睡眠不足が続くとその修復が追いつかず、頭皮の乾燥や炎症を引き起こしやすくなります。たとえば頭皮のバリア機能が低下するとフケやかゆみ、炎症などのトラブルが起きやすくなり、これが抜け毛を招くこともあります。頭皮環境の悪化は健康な髪の成長を妨げる大きな要因のひとつになり得ます。
以上のように、睡眠不足はホルモン分泌の乱れ、血行不良、頭皮のコンディション悪化など複数の経路で髪に悪影響を与え、薄毛を進行させるリスクがあります。特に生活習慣やストレスによる薄毛(例えば休止期脱毛症など)は睡眠不足と深く関係しており、慢性的な寝不足・過労状態が続くと一時的な大量脱毛を引き起こす可能性もあります。髪と頭皮の健康のためには、まず十分な睡眠を確保することが重要なのです。
良質な睡眠を取るために心がけたいこと
睡眠時間とリズムを整える
適切な睡眠時間の確保
個人差はありますが、一般に理想的な睡眠時間は7~8時間程度と言われます。睡眠時間が短すぎるのはもちろん問題ですが、だからといって極端に長すぎるのも身体の代謝が落ちて髪の成長に逆効果になる可能性があります。まずは自分にとって無理のない十分な睡眠時間を確保することが大切です。
規則正しい生活リズム
平日と休日で極端に就寝・起床時刻が異なるなど、不規則な生活は体内時計を乱し睡眠の質を下げてしまいます。毎日できるだけ同じ時刻に寝起きする習慣をつけることで、体内リズムが整って深い睡眠を得やすくなります。週末に寝だめをしたくなる気持ちも分かりますが、夜更かし・朝寝坊のサイクルは髪と体のためには極力避け、休日も平日と大きくズレないリズムで過ごすのが理想的です。
22時~2時には寝ているようにする
前述の通り、成長ホルモンの分泌が特に活発になるのは 就寝後に最初に訪れる深いノンレム睡眠(徐波睡眠)のタイミングです。一般的には、就寝時刻が22〜24時前後の生活リズムの方が多いため、これが 「22時〜2時は成長ホルモン分泌のピークになりやすい」と言われる背景になっています。つまり、22時〜2時という表現は 多くの人の生活リズムを前提にしたひとつの目安であり、成長ホルモンがその時刻に必ず増えるという意味ではありません。
大切なのは、自分の就寝後すぐに深い睡眠へ移行できることです。仕事でどうしても遅くなる場合でも、できる範囲で生活リズムを整え、寝つき後の深い睡眠が妨げられないよう環境を整えることが重要です。もし生活リズムが夜型に大きくずれている場合は、深い睡眠が自然に得られるよう、無理のない範囲で徐々に就寝時間を前倒しするなどの改善を検討してみてください。必要に応じて睡眠専門医に相談するのも一つの方法です。
就寝前の習慣に注意する
夜寝る前の過ごし方を工夫することで、眠りの質を高めることができます。以下のような点に注意してみましょう。
カフェインやアルコールの摂取を避ける
寝る直前のコーヒー・紅茶などカフェイン飲料やお酒の摂取は、脳を刺激して睡眠を妨げたり浅い眠りの原因になります。カフェインは摂取後数時間は覚醒作用が続くため、極力就寝の数時間前以降は控えるのが望ましいでしょう。またアルコールは一時的に寝つきを良くするように感じますが、体内で分解される過程で眠りが浅くなり夜中に目が覚めやすくなります。毎晩の晩酌が習慣化するとアルコールへの耐性がついて量が増え、睡眠の質がどんどん低下してしまう恐れもあります。髪と健康のため、寝酒に頼る習慣は避けるよう心掛けておきましょう。
スマホやパソコンの使用を控える
就寝前に明るいスマートフォンやPCの画面を長時間見るのも避けたい行動です。これらのデバイスが発するブルーライト(青色光)は脳を覚醒させる作用があり、体内時計を狂わせてしまう可能性があります。寝る直前までスマホを見ていると入眠し辛くなるだけでなく、眠れても脳が十分休まらず睡眠の質が低下します。理想的には就寝1時間前ごろにはスマホ・パソコンは切り上げ、画面ではなく本を読む・音楽を流すなどリラックスできる時間を過ごすようにしましょう。
激しい運動は避ける
運動自体は睡眠に良い影響がありますが、就寝直前の激しい運動は逆効果です。運動で交感神経が興奮した状態では寝つきが悪くなってしまいます。就寝前の運動は控えめにし、どうしても体を動かしたい場合は軽いストレッチやヨガなどリラックス効果のあるものを選びましょう。筋トレなどハードな運動は夕方までに済ませ、夜は心身を静める時間に充てるのがおすすめです。
遅い時間の食事を控える
寝る直前に食事をすると消化器官が活発に働き、胃腸が休まらないため睡眠の質が低下します。特に脂っこい食事や大量の食事は消化に時間がかかり、身体が休息モードに入れません。就寝の2~3時間前までには夕食を済ませておくのが理想です。どうしても遅くなってしまう場合は消化の良い軽めの食事にするか、就寝時間を少し遅らせてでも消化時間を確保するほうが良いでしょう。また、就寝前の満腹だけでなく空腹も睡眠を妨げるので、夕食が早かった日は寝る前にホットミルクを一杯飲むなどお腹が落ち着く工夫をしてみてください。なお、夜遅い食事は睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を妨げることも報告されています。体内時計を乱さないためにも、規則正しい食習慣を心がけましょう。
就寝前の入浴はぬるめのお湯で
眠る前に熱すぎるお風呂に入ってしまうと身体が必要以上に温まり、かえって寝つけなくなります。人は入眠時に手足などから熱を放散して体温を下げることで自然に眠りに入りますが、熱いお湯で体を温め過ぎると深部体温が下がりにくくなり、寝付きが悪くなるのです。ぬるめのお湯にゆっくり浸かってリラックスするようにしましょう。お風呂から上がって体温が程よく下がってくると眠気も誘発され、スムーズに入眠しやすくなります。
快適な睡眠環境を整える
寝室の環境も、良質な睡眠を得るために見直したいポイントです。人は眠るとき、静かで暗く、適度な温度・湿度の環境だとより深く眠れます。以下を参考に、睡眠環境を整えてみましょう。
室温と湿度の調整
寝室の温度は暑すぎず寒すぎない程度に調節しましょう。部屋が暑すぎると寝苦しくなり浅い眠りになってしまいますし、逆に寒すぎても体が冷えて熟睡しにくくなります。エアコンや加湿器・除湿機を活用して、季節に応じた快適な温湿度を保ちましょう。
照明を工夫する
人間の体内時計は光に影響を受けます。寝る前は部屋の照明を落として過ごし、暗い環境でスムーズに眠りにつけるよう準備しましょう。真っ暗だと不安という人も豆電球程度の明かりに留め、できるだけ光刺激を減らします。夜中に目が覚めてしまった場合でも、部屋が暗ければ再入眠しやすくなります。反対に朝は日光を取り入れて明るくすることで、自然と目覚めやすくなります(この点は後述の「朝の習慣」で詳述します)。
静かな寝室にする
睡眠中、大きな物音や振動があると脳が刺激されて眠りの深さが損なわれます。可能な限り静かな環境で眠れるよう工夫しましょう。例えば遮音性の高いカーテンを使ったり、騒音が気になる場合は耳栓を利用するのも一つの手です。エアコンや家電の機械音が気になる人はタイマーで就寝時には切るようにしたり、静音モードに設定するなど調整してみてください。また、寝具も快適な睡眠に重要です。自分に合った硬さのマットレスや枕を選び、肌触りの良い寝間着や寝具でリラックスできる寝床を整えましょう。
朝の習慣で体内時計リセット
夜ぐっすり眠るためには、実は朝の過ごし方も大切です。朝の行動で一日分の体内リズムをリセットし、夜に自然な眠気を促すことができます。
朝起きたら日光を浴びる
朝目覚めたらまずカーテンを開け、しっかりと太陽の光を浴びましょう。朝日を浴びることで乱れた体内時計がリセットされ、昼夜のメリハリがつきます。私たちの脳内では朝の光刺激を受けて活動ホルモンの分泌が高まり、一方で夜の睡眠ホルモン(メラトニン)の分泌は抑えられます。この切り替えがスムーズに行われると、夜になれば自然と眠くなるリズムが整うのです。毎朝しっかり太陽光を浴びることは、夜の快眠にもつながり結果的に髪の健康にもプラスになります。
朝食をしっかり食べる
「朝食は抜かないほうが良い」と言われますが、睡眠との関連から見ても朝食は大切です。朝ごはんを取ることで身体にエネルギーを補給するだけでなく、実は体内時計を整える効果もあります。食事をすると消化管が動き出し、それが朝の時間帯になされることで脳が「活動を開始した時間」と認識します。規則正しく毎朝食事を摂る習慣は、就寝・起床のリズム安定にも役立ちます。一方、朝食を抜くと空腹のまま活動するストレスで夜の睡眠にも悪影響が及ぶ恐れがあります。忙しい朝でもバナナやヨーグルト、シリアルと牛乳だけでも良いので口に入れるようにしましょう。
軽い運動で身体を目覚めさせる
朝に軽く体を動かすことも、質の高い睡眠のためにおすすめです。軽い運動をすると交感神経が適度に刺激されて体がシャキッと目覚め、血行も促進されます。朝から身体を動かすことで一日の代謝も上がり、夜には心地よい疲労感でスムーズに眠りにつきやすくなります。激しい運動である必要はありません。通勤・通学で少し歩く時間を作ったり、家で簡単なストレッチやラジオ体操をする程度で十分です。朝の適度な運動はストレス解消にもなり、メンタル面の安定からも快眠と育毛をサポートしてくれるでしょう。
髪と睡眠のための生活習慣改善
最後に、髪の健康を守りつつ睡眠の質を高めるために見直したいその他の生活習慣について触れておきます。日頃の習慣を少し改善するだけでも、睡眠と髪の状態はゆっくりと良い方向に変わっていきます。
バランスの良い食事を心がける
髪の主成分はケラチンというタンパク質ですので、毎日の食事で十分なタンパク質を摂ることは基本中の基本です。また亜鉛や鉄分などのミネラル、ビタミンA・B群・C・Eなどのビタミン類も毛髪の成長維持に欠かせません。偏った食事や極端なダイエットで栄養不足になると、髪を作る材料が不足して抜け毛が増えたり髪が細く弱くなってしまいます。さらに栄養不足の状態では体がストレスを感じて睡眠の質も低下しかねません。肉・魚・卵・乳製品・豆類・野菜などをバランスよく摂取し、髪と体に必要な栄養を満たしましょう。特に夕食で脂っこい物ばかりだと睡眠にも悪影響ですので、夜は消化に良いメニューを意識すると一石二鳥です。
適度な運動習慣を続ける
適度な運動は頭皮の血行を促し、髪に栄養を行き渡らせる効果があります。また運動はストレス発散にも役立ち、睡眠の質向上にも好影響です。忙しいと難しいかもしれませんが、1日20~30分程度の軽い運動(散歩やジョギング、ヨガなど)を生活に取り入れてみましょう。運動習慣のない方が急に激しい運動をする必要はありません。エレベーターの代わりに階段を使う、一駅手前で降りて歩くなど日常の中で体を動かす機会を増やすだけでも違います。適度な運動で体力がつけば疲れにくくなり、夜は自然と眠くなって熟睡できるようになります。その結果、髪の毛への血流や栄養供給も改善し、健やかな毛髪の育成につながります。
喫煙を控える
タバコを吸う習慣がある方は、この機会に減煙・禁煙を検討しましょう。喫煙は血管を収縮させて頭皮の血行を悪化させ、毛根への栄養供給を妨げます。また体内の活性酸素を増やして細胞の老化を早めるため、髪にも肌にも悪影響です。さらにニコチンの作用で睡眠の質が下がることも分かっています。禁煙することで髪だけでなく全身の健康状態が向上し、睡眠の質も改善すると期待できます。難しい場合は本数を減らすだけでも効果がありますので、できる範囲でチャレンジしてみてください。
飲酒は適度に
深酒や毎日の多量飲酒は髪と睡眠の両方にマイナスです。アルコールの大量摂取は体内のビタミンやミネラルを消費し、毛髪の生成に必要な栄養素を奪います。また前述したようにアルコールは睡眠を浅くするので、せっかく長時間寝ても疲労が取れにくくなってしまいます。適度なお酒の摂取自体はすぐに薄毛を引き起こすわけではありませんが、毎晩のように酔うまで飲む習慣は少し見直した方が良いでしょう。飲むなら週末だけにする、休肝日を作る、寝る数時間前までに切り上げる、といった工夫をおすすめします。
ストレスを溜めない工夫
ストレスは薄毛の大敵ですし、睡眠の妨げにもなります。ストレスを感じると先述のコルチゾールが増えて髪に悪影響を及ぼすだけでなく、自律神経の乱れや血行不良、場合によっては円形脱毛症のような自己免疫反応まで引き起こすことがあります。日々の中でストレスを完全になくすことは難しいですが、上手に発散・解消する習慣を持つことが大切です。適度な運動や入浴でリフレッシュしたり、趣味の時間を意識的に作ったりして心の緊張をほぐしましょう。仕事でどうしようもなく疲れた日は無理に頑張らず早めに休むことも必要です。ストレスをその日のうちにリセットする工夫が、結果的に睡眠の質を高めて髪への悪影響を減らしてくれます。
まとめ
睡眠は髪の健やかな成長と健康維持のために非常に重要な要素です。質の高い睡眠を取ることで成長ホルモンの分泌が促され、髪の発育が促進されます。一方で睡眠不足が続くと、成長ホルモンの分泌が滞って抜け毛や薄毛を悪化させる可能性があります。薄毛対策を考える際は、十分な睡眠時間の確保と睡眠リズムの安定も忘れてはなりません。「育毛剤や治療薬を使っているのに効果が感じられない…」という場合でも、睡眠習慣を改善することで髪の状態が改善するケースは少なくありません。
睡眠は髪の毛だけでなく心身の健康全般にとって欠かせないものです。髪のことでお悩みの方は、まず毎日の睡眠を見直すことから始めてみましょう。しっかり眠れるようになると体調も整い、気持ちも前向きになります。その積み重ねが髪のコンディション改善にもつながっていくはずです。ぜひ今日から睡眠習慣を整え、髪にも体にも優しい生活を送るよう心がけてみてください。
1998年よりAGA治療・自毛植毛専門院として実績を持つ紀尾井町クリニックでは、長年のノウハウを持った医師が診療にあたり、カウンセリングからデザイン策定、施術まで一貫して担当します。自毛植毛からAGA治療薬まで薄毛に関する治療を行っておりますので、薄毛にお悩み際は、お気軽にご相談ください。
監修医師プロフィール
東邦大学医学部医学科卒業後、同大学附属病院泌尿器科に入局し、以降10年以上に渡り手術加療を中心に臨床に従事。男性型脱毛症(AGA)にも関連するアンドロロジー(男性学)の臨床に関わる。2021年より紀尾井町クリニックにて、自毛植毛を中心に薬物治療を組み合わせてAGA治療を行っている。著書として『薄毛の治し方』(現代書林社)を上梓。(詳細プロフィールはこちら)
AGA治療・自毛植毛|紀尾井町クリニック東京本院 院長
日本泌尿器科学会専門医・同指導医
国際毛髪外科学会 会員
医師 中島 陽太

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